馬鹿友達二人
次の日は晴れだったが、少し冷えてきた。
秋が近づいてきたのだろう。
この世界には地球と同じで四季がちゃんとある。
秋になると育てた野菜も穀物も収穫に入る。
「ジン、これ蔵まで運んどけ。」
「分かりました!」
下っ端な俺は畑仕事に加えて雑用もこなさなければならない。子供に優しくない世界だ。
しかし、肉を食った俺には筋力がついている。不思議と昨日より体軽い。
もしやと思い、家に帰ってスキルを使って確信した。スキルの使用回数が増えている。
レベルが上がったのだろう。だから、体が軽く感じたのだ。
肉も食べれて、レベルも上がるとか魔物最高だろ。
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家の庭の家庭菜園に蛇の内蔵を捨てる。
こうすると土が豊かになっていい作物が育ちそうだ。
貧しい土地を父さんがずっと耕して、少しずつ作物ができるようになった土地だ。
それにしても、なぜ父さんは魔物を倒しに行かなかったのだろうか。というか、この農民の大人達はなぜ魔物を倒しに行かないのか。
危険を冒さなくても、生きていけるだろうか。家族がいるからだろか。分からない。
向き不向きがあるし、しょうがないのか。
「この畑を広げられたら、もっと生活が楽になるだろうな。」
俺は、腹一杯になって前向きに物事を捉えていった。
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翌朝、仕事に出かけるまだ空が暗い時
俺の数少ない友人であるモリーとフィンの悪ガキが家に来た。
「何のようだ?」
「街に行こうぜ!」
モリーがでかい鼻を鳴らしながら、俺の肩を叩く。
「どうやって行くんだ?」
「行商人がもうそろそろ来るだろ。その馬車に乗せてもらうんだよ。」
「お金はどうするんだ?」
「お金はない。だから隠れて乗ることになるな。」
俺は、内心面白そうと思ったが街に行っている間、母親が飯を食えないだろうと思い行くのを諦めた。
「ついてはいけないけど、訓練はつけれるぞ。」
「訓練?ジンが?」
フィンがずっとほじっていた鼻くその手を止めて驚いてる。
俺は、栄養不足からかこいつらより小さい。だから、喧嘩したら今まで負けてきた。
だが今は違う。疑心半疑の二人を軽くボコって仕事に出た。
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俺は夜に森に出かけることにした。