第五話 大クルシア帝国連邦
ついに第五話!今回はちょっと違う視点から〜
この星、大世界を創る主な大陸の一つ、リヴースーロ大陸の最西端に位置する大クルシア帝国連邦はその大陸内では結構名のある軍事大国だった。
その国で今緊張が走っていた。
「レクス最高皇帝があんなに取り乱しているのは初めてだぞ」
「帝国連邦の皇帝でも緊張される事案だ。ウィルワーズ連邦とやらの王家は元々クルシア民族、帝家を離れた皇室なんだ。その事実を知るのは現国王のメリア国王ただ一人、そしてその真意を知るのもまたただ一人、レクス最高皇帝からしたらただ一人恨むべき一族に汚点だ。」
「それなら国家ごと滅ぼされて仕舞えば良いのではないのか?」
「それがそうともできない。国王が死ぬ分には問題ないが一族の中で唯一生き残った天皇の血筋をつぐ者がいる、その者を捕虜にする必要がある。それに別大陸への進出などで一杯なんだ、余程のことがない限り攻めはしないさ」
「そうだと良いんだが…」
しかし、その予想とは裏腹に王宮では憤りの怒号が飛ばされていた
「ふざけるな!!お前ら劣等種はなんのために一族を出た!!?」
「…申し訳ありません………」
「お前らは我が先祖メルーバ様を侮辱するに飽き足らず、その消失区域さえ貪り取ろうとしているんだぞ!!!」
二週間ほど、ずっとこの罵倒を浴びせられた。しかし、ついには耐えることはできなくなってしまった。
「…そちらだろうが……」
「なんだ!」
「そちらだろうが!先祖の後ろ盾に侵略を進め、消失区域を貪り撮ろうとしているのは!」
「何という開き直り…!」
「私は!今日まで始祖メルーバの築き上げた大都市である神都ボチモの奪還に費やしてきた!貴様とは違い!目的を持って!」
「その結果がこれか!もういい!お前には死んでもらうからな!」
「もとよりそのつもりである!だが貴様らに殺されるほど不名誉なことはないわ!」
そう言い放った後、メリア国王はその場でナイフを取り出し自害した。その後、国王は見るも無惨な体にされ野に晒された。
「レクス最高皇帝、流石にこれはまずいでしょう。」
「もとよりこうするつもりだと伝えていたはずだが?外務管轄皇帝」
「問題はそこではありません、皇室の保護です。現在この世に残っている皇室はただ一人、このままでは戦争になり、保護は困難となります。」
「戦争をすれば良い、我が軍を持って動けば、相手が滅ぶ前に降伏するわ。」
「お待ちください、」
「なんだ、軍事管轄皇帝」
「別大陸への攻撃を考えている最中に戦争ですか?兵力が足りません、万が一、兵数が少なくなれば別大陸への進出は数十年先の話になりますぞ」
「致し方ないと言えば?」
「それは…そうですが…」
「決まったな、それでは、我が国はウィルワーズ連邦に対して宣戦を布告する。また、これを以って我が国の総軍を準備させる」
「了解いたしました」
その場にいた五人の皇帝が何も言い返せず、それに承諾した。
数日後、軍隊の準備は整い、ついには出立の時となった。
「皆のものよく聞け!今回我々は新型兵器などを用いてオルタナ山脈を機動的に乗り越える!その後敵軍を駆逐してやれ!」
その指揮官の合図とともに軍隊は侵攻を始めた。が、いきなり問題が発生した。
「指揮官大変です!」
「どうした、まだ移動し始めたばっかりだぞ」
「スロバガ連合王国が宣戦してきました!」
「何!?」
帝国連邦東部の海を挟んだ向こうの別大陸の国家スロバガ連合王国、このタイミングでの宣戦ということは…
「くそ!連邦と図ってやがったか!」
「指揮官、どうしましょう」
「どうするも、一度本部に帰還する。軍隊はここで待機する他ないだろう」
「わかりました、急ぎ帰還ください」
「言われなくてもわかっている。」
そう言って指揮官は別車両に移って本部にもどっていった。
そうして緊急軍議が開催された
「みなさん知っての通りですが、スロバガ連合王国が宣戦してきました」
「一体どうやって対処するつもりだ」
「私としましては軍隊を二分割し、スロバガ連合王国の保有する連合艦隊を沿岸砲にて追い払います」
「ダメだ、天下の連合王国の連合艦隊に沿岸砲が効くとは思えん、念を持って軍は大きくすべきだ。」
「それこそどうだ、ウィルワーズ連邦の方が手薄になるぞ」
「ウィルワーズ連邦などに負けるはずがないであろう」
「しかし、相手は総軍、いくら帝国軍とはいえ数の暴力は厳しいです」
「少し落ち着いてくれ、連合王国の連合艦隊に関してはだな…」
そうして1時間半ほど、最初に提案された軍隊の二分割という風に収まり、軍隊は再度移動した。
オルタナ山脈を超えた先、敵軍は小規模の要塞を作っており、防戦に徹することを悟った。しかし、さほど影響はなかった
「撃てー!」
「要塞ごと壊せー!」
「もっと前線を進めろー!」
多くの司令が飛び交い、一瞬にして要塞は陥落、敵軍は敗走したが、無闇に敵国内に潜入するわけにもいかないため、要塞のあった場所を利用して簡易的な軍事施設を建設し在留した。
そうして戦勝に宴を開き、夜。けたたましい砲撃音が鳴った。
「敵襲だぁー!砲撃だぞ!爆弾が降ってくる!」
その声によって多くの兵士が飛び起き、軍事施設外に逃げた。
しかし、周囲はすでに炎に巻かれ、ジリジリと軍事施設を取り込んでいく、
ある者は軍事施設内に逃げ、ある者は居場所の確保のために誰かを蹴り飛ばし、ある者は炎に飛び込んで脱出を試みたり…しかし、その者らは皆例外なく炎に包まれ、叫びながら息絶えた。
その光景に指揮官は思わずこう言ったという。
「|This is hell…《ここは地獄だ…》」
大クルシア帝国連邦のからの視点という斬新な状況でしたがどうでしたか?次回は挿話を入れますね。見てくれてありがとうございます!