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3 出会いは唐突に

「ドラゴンだ…しかも超デカい…」


漆黒の鱗に金色に光る背びれ

そしてその身に纏う膨大なエネルギーを肌で感じた。


「待て待て!なんでアイツあんなキレてんの?」


『マスター、危険です。弾幕を張りつつ距離をとりましょう」


すぐさまミニガンがアームに装着されるとドラゴンに向かって斉射を始めた。


ドラゴンはその図体に似合わず俊敏で、ばら撒かれる弾を器用に避けていく。


「マジかよ!アイツ!でも確実に何発か当たってるよな!なんでダメージが無いんだ!」


『解析の結果、対象にはこの森のバリアと同じエネルギーの流れを感じます。』


「どう言うことだ?…あぁそうかなるほどな!アイツにもバリアがあるってことだな!」


『その通りです。』


「ちくしょー!じゃあ勝てないじゃん!どうするんだよ!」



「グガァァァァ!」


キィィィン…

俺のパニックをよそにドラゴンの全身が金色に光りだし、口に閃光が溢れていく


『対象から高熱原体反応』


「何!?ブレスか!クソッ…そっちで回避運動を頼む!」


『了解致しました。』


ビィィィィ!

ドラゴンから空気を切り裂き金色に光り輝く熱線が放たれた。


「うぉっ!ぐぁっ!」


セントラルの弾道予測による回避運動に振り回されながら、複雑な軌道を描きながら高速で飛行するが、それを追うようにブレスを吐き続けられる。


「あっつ!クソが!」


高熱のブレスが左肩を掠め、装甲が一部消し飛ばされた。


『機体損傷を確認、損傷率2%』


「分かってるよ!なんとかアイツを撒けないか?」


『了解致しました。これよりマニュアルからオートに切り替えます。』


そう言うとコントロールが効かなくなった。


ブレスの隙間を縫うように上空に更に飛び上がると真上からロケット弾とミニガンを撃ち込む。


「ゴガァァ!」


ドラゴンは急制動して、長い首を持ち上げてブレスを吐いた。


ロケット弾はブレスに次々と撃墜されるが、同時に濃密な煙がばら撒かれた。


「グガッ…」


「なるほど目眩しか!」


『前線より離脱します。マスター、揺れにご注意ください。』


「は?揺れって…うわぁぁぁぁぁ」


アクセレイはその場から急降下を始め、その勢いのまま森に突入した。


目にも留まらぬ速さで木々の間をすり抜け、急な上昇や降下、旋回を繰り返す。


「…………」

あまりの恐怖に俺は叫ぶこともできずにただ歯を食いしばっていた。


しばらくすると急激に減速し、高い木の枝の上に着陸した。


『前線より離脱を完了。オート航行を終了します。』


「ウプ…オェェェェ…」


俺はヘッドギアを解除するとビシャビシャ吐き続けた。


『対象はこちらを見失ったようです。離れていきます。』


「そ、そうか…ウプ…ご苦労…ハァ…ハァ…」


しばらくするとようやく落ち着いてきた。

森のざわめきや謎の生物の鳴き声が聞こえるようになってくる。


「ふぅ…それにしてもあの化け物はなんだったんだろうな…まさかアイツのテリトリーにでも入ったのか?」


『その可能性が大きいです。また、マスターの適合率と身体能力では高度な戦闘は不可能でしょう。』


「…だろうな…」


木の幹に背中を預けると、葉の隙間から差し込む木漏れ日を見つめた。


「俺は…完全に調子に乗ってた…だってロクに格闘技もやったことないんだぞ?仕方ないだろ……はぁ…言い訳してても生き残れないか…」


そう、俺はこの危険生物が溢れる森に1人閉じ込められてしまっているのだ。


ここで生き残るためには強くならなくてはいけない。


「…うん決めた。俺は強くなる…あのクソトカゲを一捻りで倒せるだけの実力をつける!お前に頼らずとも俺はこの力…アクセレイを使いこなしてみせる!」


『…私もマスターをサポート致します。それでは特訓メニューを作成致しました。基礎体力をつけるために毎日このメニューをこなしつつ

モンスターを狩りましょう。』


「い、いきなり!?あ、明日からは…」


『却下致します。』


「そんな〜…」


それから毎日、冷血AIもどきによる地獄のような鍛錬を積むことになったのだった…

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