第四章
“悪い。20日だけど、翌日用事あるから早めに切り上げて大丈夫?”
真斗からの連絡に一瞬、顔が引き攣った。また約束を破るのかと不安になったからだろう。普通の遊びであれば、快諾できたであろう内容だが、今回は違う。飲みに行く約束をしていたのだ。それも「折角だから二軒行こう!」と話し、僕の中では仲直りの約束でもあったのだ。
“じゃあ別日にするか?”
否定してほしい気持ちがあって送ってみたのだが、真斗は僕の気持ちなど知るわけはないのだ。
“23日でもいい?”
この文で、僕の怒りが爆発してしまった。愚痴を吐き出す場を失ったからか、元々に器の小さい短気な人間だったからかは分からない。
“そうやって、また約束破るんだな”
感情任せに真斗の言葉など聞かなかった。頭に血が上ると、僕は目を失う。誰かが傷付いていることが見えなくなるのだ。
“別に破ってないだろ。20日だって24時までなら飲めるし”
その言葉すらにも腹が立った。それ程までに僕の性格は不完全なものだったのだ。
何時までなら遊べる、という言葉が上から目線のように感じて、捻くれた僕は彼に悪態を吐きつけた。
吐きつけて、傷付けて、漸く頭が冷めて。けれど、謝るということなど頭になくて、真斗の気持ちを傷付け、最後の止めを刺したのだろう。
“今回はゆっくり飲みたかったし、なかったことにしよう。次は真斗から誘ってくれよ”




