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二人で作る物語


「え? いやちょっと待って、え? 何? つまりそれって」


「?」


「お、お前……僕の事……好きって」


「は? ち、ちが、違う!」

 妹は真っ赤な顔になり否定した。いや、でも、だって……


「違う、違うし、私兄ちゃんの事なんて……」


「でも、だって……じゃあ作るって」


「振りだよ、振り、そうしたらさっきみたいな言い争いにならないかなって……」


「いや、まあ……」


「私……兄ちゃんの事、別に嫌いじゃないし、妹物を唯一話せる人だし、もっと楽しくお喋りしたいなって」


「まあ、それは僕もだけど」


「兄ちゃんは……私の事嫌い?」


「そんな事!そんなわけないだろ!」

 

「あ、ありがとう……」


「あ、いや、もちろん家族としてだけど……」


「うん分かってる、私も家族として……」


 二人の間に沈黙が流れる。こういう事をはっきり言った事は今まで無かった。 いやまあ普通無いよね、家族で家族愛を確かめるなんて事。


 妹は客観的に見ると結構可愛い、友達も冗談めかしてだけど紹介してとたまに言われる。

 150cmちょっと、と小柄でまだ中学2年と成長過程だけど、最近胸も出てきてほんの少し目のやり場に困る。特に風呂上りバスタオル1枚でウロウロしていると、少しドキッとしてしまう。

 黒髪ロングで、全体的に細く、小説のキャラ、栞に似てるって言われればそんなイメージも……


「えっと……振りだよな? あくまでも演技だよな?」


「え? 兄ちゃん……するの?」


「いや、まあ、お前と……空ともう少し仲良く話したいってのは、僕も前から思ってたから」


「ほんと!」


「あ、ああ、だからまあ、空が少しでも僕の理想に近づけてくれるなら、僕も少しは努力しようかなって」


「うん……頑張る……私、頑張るよ……お、に、い、ちゃん」

 そう言って笑った空、あれ? あれあれ? おかしい、おかしいですよ? なんか今……可愛いって……空が可愛いって思っちゃったよ。


「ああ僕も……、俺も頑張るよ……空」

 

 僕が主人公に……妹物の主人公になる……妹の物の主人公……かっこよくて、ちょっとおっちょこちょいで、憎めず、優しく、そして何より妹を愛している。出来るのか? この妹を振りとはいえ愛するなんて……

 

 でも……やってくれるなら、妹が今までの僕が愛した妹になってくれるなら、そんな妹キャラなってくれるなら

 

 出来るかもしれない……


「えへへへ、お兄ちゃんが俺だって、少しドキッとしちゃった」


「うん、その照れた感じ、可愛いぞ」


「そ、そう? なんか本当に照れ臭くなってきたよ」


「だ、ダメだぞ! これからはそうやていつも可愛い妹でいるんだぞ!」


「えーー、なんか……おにいちゃんちょっと偉そう」


「あ、うんそうだね、これじゃダメか」


「ううん、でもいつもと違って、少し頼りがいがありそうで……ちょっと……いいかも」


「でも、もう少し優しくしないと……結構難しいな」


「大丈夫だよ、もうすでに私たち喧嘩してないじゃん」


「おお! なるほど、よし、もっと勉強しよう、そうしたらもっと仲良くなれるかも」


「うん、じゃあ一緒に読もうね」


「そうだな、一緒に同じ小説を読むって、ほんと俺たち仲良し兄妹だな!」


 振りだよな……なんか……楽しくなってきた。本当に妹物の主人公になった気分だ。


 自分が小説の中にいる気分、本を読む人ならわかると思うけど、読んでいくと入り込むよね? 自分が主人公やヒロインになった気分になるよね? 今まさにそんな気分……いや、それ以上だ。


 だって現実なんだもん現実に主人公になった気分になる……これは……かなり快感だ。


 これはいい、読む小説も面白くなる。もっと主人公になれば、もっと近づけば、幸いな事に僕と妹は同じ小説に嵌っている。つまりお互いがお互いの好きなキャラの真似をすればいい。

 

 僕は今まであまり主人公の気持ちとか考えてなかった。妹の可愛さばかりで……そして空といつも比べていた。僕の現実の妹があんなに可愛いわけがないって。 


 でも今は違う、空は僕の好きなキャラを、僕は妹の好きなキャラを、お互いの好きなキャラを演じてくれる。

 

 これは楽しい、現実にヒロインがいる。目の前に理想の妹がいる。

 もっと真似をすれば、お互いもっともっと真似をすれば、もっと仲良くなれる。


 物語の主人公にヒロインになれる!!












どんどん書きます、ブクマ、評価、感想よろしくお願いします。

やる気が無くなり次第止まります(笑)

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