プロローグ
「妹物」それは最高峰の愛の物語。
家族愛を超越した、愛の中の愛。
そんな愛の物語を僕はこよなく愛している。
ただ問題が一つ……僕には……妹がいる……
良いだろ妹が居て、妹物を読んでも!
妹が居ても妹物読んじゃいけないなんて事はない!
僕はそう思っている! だって現実の妹と違って妹物の妹って……超可愛いんだもん。
僕は妹物のヒロインをこよなく愛している。今まで様々な妹を嫁にしてきた。そして今年遂に見つけたんだ、理想の妹を!
「いやああ、マジ神だよ栞ちゃん」
某投稿サイトで見つけた僕の理想の妹……お兄ちゃんが好きで好きで告白しちゃった妹の話。
「いやあ、可愛い、本当可愛い栞ちゃんマジ可愛い、可愛いすぎる」
「はあ? 何言ってるの兄ちゃん、これってお兄ちゃんがいいんじゃない?」
「あ?」
あ? だよ、あ? 何なら「あ」に濁点いれたくなる位のあ? だよ。おいおい勘弁してくれよ、本当何言ってんの? 兄? バカじゃない? こいつただの優柔不断男じゃん!
栞には勿体ないよ、ここにもっと理想な兄がいるじゃん、僕だけど!
「妹ちゃんの思いを受け止めてくれるお兄ちゃん、ああ、格好いい……優しい」
「お前バカ? 栞ちゃんが可愛いから優しいんだろ? 俺だってこんな可愛い妹なら……」
「はあああ? お兄ちゃんが格好いいからでしょ? お兄ちゃんが格好いいからこそこういう妹になるんじゃない? あーーあ、兄ちゃんとは大違いだ」
「あ、それ言っちゃう? それ絶対言っちゃ駄目な奴だよね?」
「兄ちゃんが私と違って……みたいに言うからでしょ?」
「言ってませ~~ん、スクロールで戻して見てもらっても構いませ~~ん」
「言ってますうううう、似たようなニュアンスで言ってますううう」
「いや、そんな事よりさあ、本当どうでもいいけど、何で毎日毎日僕の部屋に居るんだよ!」
「い、いいじゃん別に…………だって……兄ちゃんとしか妹物の話……出来ないんだもん」
「ああ、まあ……それは……僕も……」
そう、そうなんだ、実は僕と妹は妹物作品が好き、大好きなんだ……
でも……言えない誰にも言えない。
だって……兄妹で妹物が好きだなんて……誰にも言えるわけないんだあああああ!
短編の予定ですがいつも通りブクマ次第です(笑)