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群衆の中の孤独

作者: 今生康宏

 私は今、まったく一人でいる。

 周りにはたくさんの人がいる。しかし、心が通い合った「仲間」はまったくいない。

 その気になれば、隣にいる名も知らぬ誰かに声をかけ、知り合いになることもできるだろう。しかし、そんな具体行動に出ない限り、私は永遠に独りだ。

 そして、行動にはカロリーを用いる。自分が自分であることを維持するのに精一杯であるならば、アクションを取る余裕などはない。

 そうして孤独を深めていくと、今度は自らの維持すら危うくなる。他者と。自分の知っている人間と自分の比較の中で、自分を作ることができるのだから。

 人より劣るのも自分。人に優るのも自分。人と同等であることも自分。

 自分独りでいる限り、劣等感に悩まされることはない。優越感に浸ることもない。共感し合うこともない。

 独りでいる限り、絶対の個でいられるが、個が全であり、世界に一人の個であることは大きな負担となる。押し潰され、バラバラになりそうな自分。それを繋ぎ止めるのが、他者の存在だ。

 私は独りで、姿の見えない他者を意識する。

 どこにもいない、同時にどこにでもいる他者。

 己の分身ともいえる何者かを。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 孤独を解決する為に考えようとしているところ。 [気になる点] 心が真に通いあう仲間がどのようなものなのか書かれていない。何かイメージはあるのか、漠然と理想を求めているのか。 [一言] きっ…
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