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時間加速装置を作ろうとしたら異世界転移してた件  作者: REA★★★【夢寐ねむ】
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第壱記:異世界転移したらそこは草原でした

皆さんこんにちは。こんばんは。

今回はこれといった進展はありませんが、これから個性豊かなキャラクターが沢山追加されますので良かったら読んでいってくださいね。

「起きろー、おーい起きてぇーーー」


僕を呼ぶ声が聞こえてくる。今日は日曜日なはずだし、僕に起こしに来てくれるような幼なじみはいないはずだ。目を開けるとそこには妖精さんがいた。長く、透き通るような白髪(はくはつ)に薄緑色の透明な(はね)が目に飛び込んでくる。その翅がせわしなく動くことで浮かび上がっているようだ。大きさは僕の手のひらほどもないだろう。


「あ、やっと起きた」


「えぇっと、君は?」


そう言ってまだ働かない頭を振りながら周りを見渡すと、草原にある道の真ん中に寝ているようだった。おかしい、昨日はちゃんとベッドで寝たはずだ。


「さっきも会ったじゃん?あ、間違えて天界での記憶まで消しちゃった?」


さっき会った?天界?記憶......そこまで考えて思い出した。


「あ、さっきの女神のような人か」


「女神のような、じゃなくて女神なんだよ。名前はビェールィだよ。この姿は地上に降りるための姿なの。本体の100万分の1の力も無い分体だけどね。ここに来てから数日間の間あなたをサポートするためにわざわざ来てあげたんだよ?」


「ここは?」


「ここは、ジェムチュークって国の外れにある王族直営第一辺境領の近くだねぇ、まずはその第一辺狭領に行くことになると思うよ?」


聞いたこともないような地名だ。しかも日本では見たことも無いような毒々しい花が咲いているのが見て取れる。少なくとも日本じゃないことは確かなようだ。


「あ、まずいなぁ」


「どうかしたの?ビェーリィッ」


「舌を噛むほど発音が難しいのでしたらシロと呼んでもらって構いませんよ。そういう意味ですから。それと今すぐここから離れましょうか」


そう言ってシロは遠くに町が見える方へと飛んでいく。


「あ、待ってよシロ様。なんでここにいちゃいけないの?」


僕は慌てて立ち上がりシロを追いかけていく。


「様なんてよそよそしいこと言わないでよ、それと魔物が近づいてきてるから早く逃げたほうがいいね」


「まもの?」


「そう、魔物。スライムとかゴブリンとかオークとか、ドラゴンとか聞いたこと無い?」


「あー、ゲームや小説に出てくるようなアレ?」


「そう、その魔物」


話しながらも僕達は足早に町の方へと足を進めていく。魔物がいるということは魔王がいたり魔法が有ったりするのだろうか?


「質問はまだまだあるでしょうがとりあえず今は町を目指して。あ、町の人に私の姿が見られると面倒なのでちょっとフードに隠れさせてもらうね」


そう言ってシロはフードの中に隠れていった。あれ?ボクフードの付いた服なんて着てたか?


「おい、そこのお前止まれ!」


統一された鎧と武器を携えた男達に呼び止められた。どうやら町の警備員のようだ。


「怪我はないか?魔物の群れを見たという通報があってだな」


どうやら僕を警戒していたわけではなかったようだ。


「とりあえずそこの駐在所の中に避難しなさい。外は危険だ。中で身分証の確認をさせてもらう」


彼らにそう促された僕はとりあえず建物に入ることにした。

建物の中には木製の使い込まれた机と椅子が並んでおり、奥にはベッドがあるようだ。一緒に入ってきた警備兵に促されるまま警備兵の向かいの椅子へと座る。


「さて、お前さん身分証は持っているか?」


「身分証ですか?」


「(身分証はこちらで用意させてもらいました、出身地は滅びた村になってるので大丈夫ですよ。異空間倉庫(アイテムボックス)と唱えて出てくる黒い空間に手を突っ込んでみてください)」


シロがフードの中から教えてくれる。


「お前さん、身分証を知らないのか?どんな辺鄙な場所で育ったんだ?それとも見せられない理由でもあるのか?」


「異空間倉庫、えぇっと......これですか?」


言われたとおりに唱えると厚さがない黒い何かが出てきた。正直不気味だ。意を決して手を突っ込むと手の先にクレジットカード大の金属質の物が触れたのでそれを警備兵に渡す。


「何だ、ちゃんと持ってるじゃないか。それにしても異空間倉庫持ちか、うらやましいねぇ」


「そんなに珍しいんですか?」


「何だ、知らないのか。大体1000人に1人位だな。どれぐらい入るかにも依るが馬車一台分も入れば商人に高額で雇ってもらえるから安泰なんだぞ?慧葵(けいき) 加糖(かとう)


「そうなんですね」


警備兵は僕が渡したカードを見ながら書類を作成していく。加糖 慧葵は僕の名前だ。こんな名前だからよくケーキだとか甘すぎだとか言われる。甘い物は大好きだ。

そして警備兵は何か宝石のような物を削り書いた紙へ振りかけていく。


「さて坊主、この紙の上に手を載せて犯罪をしたことがないと宣誓してくれ」


正直ボクは犯罪をしたことがないとは言えない。信号無視をしたことはあるし、100円を拾ったけど届けずにジュースを買ってしまったこともある。


「(この世界では殺したり犯したり詐欺を働いたり盗んだりしなければ犯罪にはなりませんよ。落ちてたお金は落とした人が悪いということになります。前世でやったことは犯罪にはならないのですよ)」


「こっちも暇じゃないんだ、犯罪をしたことがないなら早くしてくれ。犯罪をしたことがあるなら連行してやる。今日の俺の酒代にでもなってくれ」


警備兵がイライラしだしたので慌てて手を載せて宣誓する。


「犯罪を犯したことはありません」


すると紙が青く光り1cm x 1cm x 5cm位の金属の塊になった。


「なんだ、犯罪してねぇのかよ。入町税は小銀貨1枚だ。これで手続きは終わりだとっとといけ。今日は忙しいんだ」


シロが身分証と同じ所にお金もあるというので返された身分証と入れ替えて渡すと警備兵に追い出されてしまった。しかしこれで町に入ることは出来た。


「賑やかだな」


ふと思った事を口にしてみた。町の中はたくさんの店と多くの人で賑わっていた。その中を人をかき分けて歩いて行く。


「これでもこの町はこの国では小さい方なんだよ?辺境だから武器や防具だけだけど、大体のものはここに来れば揃うと思っていいよ。その代わり嗜好品のたぐいはなかなか手に入らないけどね」


とシロが簡単な説明を加えてくれた。


「さっき言ってた魔物たちに対抗する術が手に入るってこと?」


僕のその質問に何か思うことがあったのかフードの中から視線を感じる。


「驚きました。まさかケーキくんがそんなこと言い出すとは思ってなくてさ。うーんたしかに魔物に対抗する方法はいくつかあるよ。1つ目がさっきの兵隊さん達みたいに武器で戦う方法だね。この町の近くにいる魔物は大体この方法で撃退できるよ。次に2つ目は魔法の行使による撃退。魔法は適正のある人しか使えないけどその話は後でね。そして3つ目、これは魔法よりも希少なんだけど神器を使った撃退方法だね」


「神器って?」


ケーキと呼ばれた気がしたがいろんな人にそう呼ばれるので放っておき、聞きなれない言葉について聞き返した。それに対しシロは僕のパーカーのフードの中で説明を続けた。


「神器は今私が分かっている物でも5つしかないんだよ。その5つは1つのパーティが持ってる」


「それってもしかしてシロ達?」


恐る恐る聞いてみた。


「そうだね、私達女神が作って人間に与えたものなんだ。もちろん私達も無限に神器を作れるわけじゃないからね、特別な人間たちに与えてるんだよ。大体ここまで言えばわかるでしょ!勇者一行に与えてるんだよ!まぁ、私が与えた神器以外は詳しいことは私にもわかんないんだけどね。世界の命運を左右するものなんだよ。たくさんは作れないけどこっそり2個目を作っちゃってる神様もいるかもしれないけどね」


「とりあえず宿屋で休もうか、そこの建物が宿屋だよ。この世界について色々聞きたいことがあると思うし部屋でお話しよう。一人でぼそぼそ喋ってると周りの人に変な目でみられちゃうしね」


周りを見渡してこちらをチラチラ見ている人がいたので恥ずかしくなって急いで宿屋に入ろうとしてふと気になった。


「あれ?さっき異空間倉庫からお金出したけどいくら持ってるの?」


「私からのほんの少しのプレゼントだからあんまり期待しないでね。それでも2食付きで数日は泊まれると思うよ」


異空間倉庫を確認して見ると確かにお金が入っていた。この世界の物価がわからないのでなんとも言えないが、シロが言うなら大丈夫だろうと思った。



宿屋に入ると、まるでゲームの宿屋みたいに丸いテーブルと椅子が何個も置いてあり、何人かが椅子に座り談笑していた。僕は談笑していた方々に軽く頭を下げつつカウンターに向かい、そこにいたおばあさんに話しかけた。


「すみません、部屋を貸していただきたいんですけれどもこのお金で何泊できますか?」


おばあさんは僕のお金を数えると


「食事付きで4日分だね」


と言った。


「ありがとうございます。とりあえず2日泊まりたいです」


と言ってお金の半分をおばあさんに渡した。


おばあさんはお金を受け取ると後ろの棚から鍵を取り出し僕に渡して


「2階の8号室だよ」


と言った。僕はお礼を言いその部屋に向かった。


鍵を開け部屋に入ると、ベットにテーブル、棚などここで過ごすには不自由しないだけの家具が揃っていた。僕はベットに腰掛けてふぅ......とため息を漏らした。


「お疲れ様」


と、いつの間にか目の前にいたシロが微笑みながら労いの言葉をかけてくれた。


「ありがと、慣れない場所だから緊張しちゃったよ」


苦笑いしながら僕はシロに言った。


「まぁ初めての場所は緊張するよね。それでどうする?少し休憩する?それともこの世界について聞きたい?」


「うーん、そうだな、色々聞きたいかな」


時計がないから正確な時間がわからないが、今は昼過ぎくらいだろうか。聞きたいことが多いから、今から聞いた方がいいかなと思ったため僕はシロに色々聞くことにした。

どうも皆さん!私、夢寐(むび)ねむと申します。

以後お見知り置きをくださいな。


はてさて皆さんは異世界行ってみたいなーと思ったことはありますか?

私はやっぱりありますよ〜。なかったらこうして読み物を書くこともなかったかも知れませんね。


そして!やっと主人公くんと女神様の名前が出てきましたね。

主人公くんの苗字に疑問を感じた人、誤字ではないので安心してください。

審議に審議を重ねた結果があの名前になったのです。

名前に反してイメージはスリムな美少年ですよ?


今回はこの当たりでおいとまさせていただきますね。

次回の後書きは我らが文才ふらさんがお見えになるかと思います。


ではまた〜。

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