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12月は毎週(月)更新します。来年の予定は未定です。拙い小説をブックマークしてくださる皆様、読んでくださる皆様本当にありがとうございます。そして亀並み更新、さらに物語がなかなか進まず申し訳ありません。
その後出てきた食事は素材の味を十二分に味わう事が出来るものだった。
焼いただけの鳥肉が一枚と硬いパンが一枚。
そして、色だけがどす黒い風味もないコーヒーもどきだった。
「これが普通です」
普通だとノアが言うならそうなんだろうと私達は無言でそれを胃に収めた。
味?もうね、察してくださいと言うしかない。
素材そのままが味わえていいよね。
そう思いながらも口を動かし必死に飲み込む。
さっきの光景を見たせいか、誰もお残しするものはいなかった。
バカエルもだ。
こんな不味いの食えるか~とか言いそうなのに。
空気読めるんだなと、眉間にシワを寄せながら鶏肉を噛まずに飲み込むバカエルを眺めた。
不味そうに食べるバカエルを見ていたら何かが引っかかった。
なんだろう。なんかモヤモヤする。
それが何か思い出せずに、食事もそこそこに腕を組んで考える。
喉元まで出てきているのに何かが思い出せない。
バカエルを見ていて違和感に気がついたんだから、バカエル関連に決まっているが・・・
「あっ!!」
「どうしました?」
無表情で食べていた3人が私の言葉に顔をあげる。
「なんで、バカエルがいるの?」
「えっ?」
「確かバカエルに与えた役割はぶりっ子とデートしろって指令だったと思うんですけど~?」
私の言葉にそういえばと全員がバカエルを見つめる。
全員の視線を集めたバカエルは口の中に残っていたものを飲み込んでからしゃべりだした。
あ、そういう教育はきちんとご両親に教えられていたのね。
まぁ、頭はおバカすぎるけど公爵家の嫡男だしね。
「いや~、彼女先約が入ってたらしくて」
「先約?」
「そう。俺だってちゃんと誘ったんだよ。でも、「本当に!凄く嬉しい・・・あっ、でも私予定が・・・本当は行きたくないんですけど・・・王子様に誘われてしまって・・・本当はダニエルと一緒にいたいのに・・・」って泣かれちゃった」
「・・・泣かれたんだ」
「うん、もうね~泣き顔も可愛いの~」
それ、計算です。
「上目遣いで俺を見ながら、ポロポロと涙を流すんだよ~。余程俺と一緒にいたかったんだと思うよ」
だから~、それがぶりっ子の特徴なんだってば!!
自分を最大限に魅せる泣き方と笑い方なんて取得して当たり前だよ。
本気で泣いたら鼻水出るからね!!
ダラダラと出るんだからね!!
鼻水も出ずに涙がポロポロ溢れるなんて計算以外の何者でもないわ!!
デレデレと顔を崩して照れているバカエルの足を思いっきり踏みつける・・・・ノアが。
「ぎゃ!!」
私の気持ちを汲み取ってくれたノアに後で何かあげよう。
私はノアに向かってサムズアップした。
痛みに呻いているバカエルは置いておいて、ぶりっ子の標的がいつの間にかバカ兄に変わってました。
それはもう、簡単に落とせたでしょうね~。
バカだしエロエロ大魔王だし。
下半身獣だし。
さて困ったことになった。
どちらとも下半身にだらしなさそうだから、子供とかできそう・・・といか今この時点で仕込んでいそうだ。
この時代に避妊具とかあるのか?
なさそうだよね~。
そうなると計画に支障が・・・
ったく、バカエルめ~~~。
もっと強引に誘いなさいよ!
私はバカエルを睨み続ける。
蛇に睨まれたカエルのようにバカエルはフルフルと震えている。
「姫様」
「ケイね」
訂正しながら声をかけてきたバートを見る。
「ケイが何を気にしているのかは想像がつきますが、大丈夫ですよ」
「何故?」
バートの口の端がゆっくりと上がる。
うわ~。悪い顔。
「どうせ最後は同じ道を辿りますから」
あぁ、うん。そうだね。
私達は現王家崩壊を望んでいるんだから、産まれようが産まれまいが滅ぼす物は滅ぼすよね。
最終的には処刑か追放処分だし。
でも、赤子は悪くないから助ける方向でお願いしたい。
まぁ、そういう事はバートが考えてくれるか。
小難しいことはバートに丸なげしちゃえ~~!!
とにかく私は目指せ処刑回避だ!
そのために頑張ろう!!




