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本編に戻りますね。

誤字脱字を発見されましたら教えていただけると嬉しいです。

そろそろお時間です。

無情に告げたアンの言葉に肩を落としながら立ち上がる。

それに倣ってイケメン五人も私の後ろに控えた。

何故私の後ろに控えた?

横じゃダメなの?

待ってそのまま歩き出したら、某病院の院長回診みたいになるからね。

それもデブでチビでブサな私が先頭に立って風きって歩けと?

無理無理無理、無理です。

慌てて想像したものを首を振って頭から追い出した。

あ~、気持ち悪かった。


「どうなさいましたか?大丈夫ですか?」


ひょこっと俯いた私の顔をルドール君が心配そうに覗き込んできた。

あ~、可愛い。

嫌な妄想をした後の病弱イケメン。

癒されるわ~。


「大丈夫、ちょっと嫌なもの想像しちゃっただけだから」


思わず頭をナデナデようと手を伸ばしたら、ルドール君の肩が怯えるように跳ね上がった。

過剰な反応に私は慌てて手を引っ込める。


「ごめんね。いや、殴ろうとしたわけじゃないのよ・・・って、まさか!前の私ルドール様の事殴ってたの?こんなにか細いのに!?風が吹いたら折れちゃいそうなのに!?殴ってたの!?」


私が騒いで前のケイリーンに文句を言っている横で、


「姫様は風が吹いても耐えられるよね~、むしろ馬が突っ込んできても、馬のほうが跳ね返されるんじゃない?」


とか言ってたダニエル。聞こえてないと思って小声で話しているつもりだろうが、それは小声になってない。全部まるっと聞こえてるぞ。若返った私はモスキート音でも聞こえちゃうのだ。

後で覚えてろよ!と思う反面。こんな馬鹿に諜報活動はできるのか今更ながら心配だ。

まぁ、相手は一般市民だから、まだマシだよね。でもな~、市民の声が一番重要なんだけど。

それは追々考えていこう。

私が町に行ってもいいんだしね。

だた、もう少し痩せてからだけどね。

今言ったら隠密にならない。歩く広告塔みたいな今の私ではダメなのだ。


「大丈夫ですよ。姫様。ルドールを殴ってたりしたのは実の両親だし」


リンス君の言葉に私は憤りを感じた。


「OH!NO!それは虐待ではありませんか!こんな可愛い子を虐待するなど許すまじ。クソ親共、殺しはしないが死ぬほどの後悔をさせてやる!」


ふんが~!

と拳に力を込めて憤りを顕にしていると、ノアがぽんと私の肩に手をおいてきました。

ノアも私と同じ気持ちなのね。

同士!

と思って振り返ると、私に注がれている視線がお前が言うなという視線だ。

慌てて周りを見れば・・・

あれ?


「デブ姫様。デブ姫様がデブ姫様になる前の高慢ちきで高飛車で人を人とも思わない極悪非道の姫様を思い出してください」

「あ・・・・」


自分がやっていた事じゃないから忘れがちになるけど、この体の前の私簡単に人様を天国へと誘っていたんだよね。

思わず遠い目をしてしまった。

でも、私じゃないのに責められるのは納得いかない。


「デブ姫様のせいではありませんが、ですが、外観はデブ姫様なんです。我々はデブ姫様の中身を知っておりますが、これから学園に通うとそうは行きません。以前の行いも今のデブ姫様の行いになるんです。なのでわたくし共の前以外では、あまりそういう事はおっしゃらない方がいいかと思います」


アンの言葉に私は肩を落とした。

本当にどこまでも邪魔をする。

正義感振り回したら、ブーメランのように帰って来て自分に突き刺さるのか。

死んでしまえケイリーン!

あっ、死んでたよね。

だから私になったんだもんね。


でも、これからの学園生活が早くも不安になってきた。

私やっていけるのかな?

それも全寮制だなんて・・・怖いです。

24時間人に見られ、自分を曝け出せるのは自室だけ?

窮屈だな~。

この際引きこもりになってしまおうか。

いや、ちょっと待って私。

それだと余計ケイリーンの印象が悪くなる。

むしろ篭って悪巧みをしているのではないかと生徒達に不安を与えてしまう。

なら、愛想を振り撒けば・・・・

無理無理。アンも言っていたけど以前のケイリーン行いが悪すぎて変な噂が立ちそう。

なら私にどうしろと?

篭ってもダメ笑顔を振りまいてもダメ、なら無表情は?

・・・想像したら余計怖いわ!!


やばい、まだ部屋を出たわけでもないのに、登校拒否したくなってきた。

このまま、持病の癪がとか、この際!持病の糖尿病が!(まだなってないけどね)と言って学校をに入園式から休んでしまおうか。

心臓が痛いくらいバクバクしてます。

そして、胃が・・・胃がきゅ~~~~って雑巾絞りのように絞られている痛みが襲ってきました。


両手を前に組んで不安そうにする私の両肩に壊れ物を扱うかのようにそっと手が置かれた。


「大丈夫です。俺達が貴方の傍に誰かしらいますから。あなたを一人にさせません」


アデルの言葉に、先程とは違う動悸が襲ってきました。

なに、これ、イケメンすぎ!

前世でも言われたことないわ。

ドキドキと早くなる鼓動を抑える。

切れ長の眼差しで見つめられて心臓が締め付けられそうに苦しい。

やばい、惚れそう!

乙女ゲームだったら今好感度がぐ~~~んと上がったところだわ。

落ち着け私。

俯いて何度も深呼吸をするが鼓動が静まる気配がない。


誰か~求心持ってきて~~~!!




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