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この世界ってどうなってるの?
人一人簡単に殺しちゃってもなんの不思議にも思わないの?
ロッテンマイヤーさんにしても当然のことのように受け入れてたし・・・
ため息を付きながらベットから起き上がろうとすると体が重くてなかなか起き上がれない。
疲れてるのかなと思いながらもなんとか時間をかけて起き上がり部屋の中をうろつく。
落ち着かないのだ。
記憶がないとは言え、自分は確かに罪を犯したのだろう。
だが、この世界ではそれを咎める者はいない。
もと日本人の私としては罪の意識に苛まれてしまう。
ウロウロとうろついていると、ふと視界の端に鏡が映った。
そして、そこに映った自分に驚愕した。
「これが私?」
ポーズを変えると鏡の中の私も同じポーズをとった。
紛れもなく私だ。
「うははははは」
笑うしかできません。
夢であってほしいです。
ですが、何度ポーズを変えても鏡の自分は変わりません。
思いっきり頬を抓って見てました。
痛い。
夢じゃない。
これは夢じゃないんだ。
何度も見ても変わらない。
鏡の中にデブがいます。
ポッチャリとかふくよかとか可愛い表現なんてできない。
紛れまないデブです。
紅〇豚も真っ青な豚がいます。
仰天〇-スとかのおデブ特集に出れちゃうよ。
樽ドルってグループがあったけどそれにも入れないくらいのおデブです。
小さな体だから、まだ子供なのだろうと予想出来る。
子供なのに二重顎どころか三重顎むしろ首はどこ?
肉に押されて目が細い、瞼が重すぎて二重か一重かわからない。
瞼が重いから目つきもキツイ。
良い物食べ過ぎだろうと思われる、骨はどこ?とばかりの肉の輪郭。
アンパンマンもビックリな膨れた頬の中央に埋もれているは鼻と思わしき物体。
なんでも食べれるくらいの大きな口。
栄養満点なツヤツヤな金髪。
ロココ調に巻かれた髪。
真っ赤なドレスを着た樽がそこにいる。
歩くより転がったほうが早いんじゃねーの。
といじめの対象間違いなしな体型だ。
そっと裾を持ち上げると足首って何?とばかりの太い像のような足。
「ありえない」
がっくりと肩を落として床倒れこむ。
が、腹がつっかえて倒れられない。
デブすぎるだろう。
何をしたらこんなにデブになれるの?
病気だよ。
まさか、成人病とか糖尿病で私を殺害する計画だったんじゃ。
慌てて起き上がろうとするが、バランスが悪くて立ち上がることもできない。
むしろコロンと仰向けに転がってしまった。
亀のようにジタジタともがくが段々と疲れてきた。
体力なさすぎ。
それどころか体が重い。
天井を見上げると煌びやかなシャンデリアが見える。
光が眩しすぎてジワリの涙が滲む。
何故普通に天国に行かなかったんだろう。
極悪非道の上にこの上なくデブだなんて。
信じられない、信じたくない。
誰か夢だと言って
神様、私何か悪いことしましたか?
男にご飯を奢らせたのがダメだったの?
でもバブル時代は男が見栄を張って女に奢るものよ。
それに、アラフォーで結婚もできなかった負け犬で、その時点で罰受けたと思ってる。
それなのに、生まれ変わりがデブだなんて。
今までの前世の苦労ってなんだったんだろう。
友達が生クリームたっぷりのケーキを横目にコーヒーだけだったり、チョコ食べる変わりに心太食べてたり、油ものを控えたり・・・
私だって!私だってチョコ食べたかったし、ショートケーキだって大好きだし、油コッテリの唐揚げとかとんかつだって食べたかった。あれだけ我慢した私の努力が水の泡だ。というか、こんな未来と知ってたら我慢なんてしなかったよ。好きなだけ食べた。スイーツの食べ放題だって週4行ったのに。
考えれば考えるほど涙が溢れてくる。
起きあがれず天井を見上げまま静かに涙を流す私を、様子を見に来たロッテンマイヤーさんが悲鳴を上げながらベットに戻してくれました。
ロッテンマイヤーさんは力持ちでした。