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っうん。

インテリイケメン、基バート様の咳払いに私は彼らを忘れていたことに気付いた。

うっかりノアとの世界に入っちゃった。


「本当に変わりましたね」

「事故で頭を打ってしまったのでそのせいでしょう」

「そうですか?」

「えぇ。よくあることです」

「よくある・・・ですか」

「えぇ」

「うそつき」

「えっ?」


今まで来たことないか細い声が聞こえた。

その声の主を探してみると、似非天使の肩に凭れかかった青白いイケメン薄幸だった。

ちょっと、来た時より顔青くない?

なんなら、帰ってもいいよ。

目の前で倒れられるよりマシだし。


「えっと、イケメン薄幸くん、じゃなくって・・・」

「ルドール王子です」


アン耳打ちありがと。

でもこんなことも覚えてないなんてバカねみたいな冷たい目はやめてください。

咳ばらいをしつつ話を進める。


「ルドール王子。嘘つきとはどういうことでしょう?私は確かに先日馬車の事故に会い頭をぶつけましたが」

「魂の色が違う」

「へ?」


ひーーーー!!ルドール様は霊能力者だった!


「ルドール王子は魂の色が見えるんだよ。だからサンドール王国を追い出された」

「なるほどって、魂の色って言われても・・・」

「あっ!」


私はポンと手を打って閃いたことを伝える。


「頭を打って可笑しくなったから魂の色も同じくして可笑しくなったんだよ」

「ううん。魂の色は死んでも一緒」

「・・・そうですか・・・」


私前世もそういうこと信じちゃったんだよね。都市伝説とか心霊番組とか好きでした。

それに、私自身転生しちゃってるんだから、魂が見える人がいてもおかしくないし。


「昔は真っ黒だったのに、今は・・・」

「今は」


思わず身を乗り出して聞いてしまう。

もしかしてこの世界を立て直そうしてるから金に輝いているとか・・・

そうなったら私ってば勇者のキーワードも入れちゃうよ。


「玉虫色」


タマムシ~~~~!!

光の干渉によって起こる金緑から金紫の色調変化をする染色や織色をさす。

また特定の色彩名を当てられないことから、どちらつかずの状態のことを慣用句的に「玉虫色の〜」と呼ぶことがある。(ウィキペディア引用)

どっちつかずって・・・確かに惨殺は嫌だけど殺されてもいいと思っていた、でも本当のところは死にたくないのよ。

ブレまくりな私の心のあり方が出てるってこと?


「まだ定まってないんだと思う」

「・・・・そうですか」


なんかタマムシ色とか言われてちょっと複雑。

自分の運命を今決めろってこと?


「これからのあなたの行動次第で決まると思う。だから僕はそれを近くで見極めることにする」

「えっ?」

「なに先走ってんの?それは皆で決めようって話したじゃん!」

「ごめんね。リンス王子」

「まぁ、謝ってるから許してやるよ」

「えっと、どういうこと?」


私は頷きあっている二人から視線を反らし、この国の三人を見る。


「僕はもう少し見極めたいんだよね~。あれだけじゃね」

「俺もだな」

「私はもう一つ質問がある。それに答えてもらってからかな」

「質問?」


私は首をかしげながら、その質問を待つ。

そんな私に自分の顔を近づけてきたバート様が私が顎引く前に口を開いた。


「君は一体何者なんだ?」

「ええ!?」

「姫が頭を打ったのは知っている。お見舞いに行ったが断られたしな」

「弱ってるところ殺そうと思ったんだよ!」


リンス君、天使の笑みで暗殺宣言やめてください。

止めてくれた人ありがと~。


「それから、私達は貴方をいつ殺せるか見ていた」


あら?あっさりとばらしたよ。

この人たち暗殺計画隠す気ないよ?


「もうね、隙だらけで簡単に行けそうなの」

「そうなの?」

「そうだな、訓練場で歩いているときなんて、近くで特訓してて弾かれた剣がうっかり姫の元に飛んで行ってもおかしくなかったし」


あれは、歩いていません。走っていたのです。ノアの特訓初期のころかな。よく騎士たちが訓練している横を走っていたし。


「そうそう。可愛いメイドさんに目を付けてて会いに行こうと思ったら廊下で行き倒れてるしさ、そのまま階段まで運んで落としちゃっても良かったんだけど。重そうだったから諦めた」


最初のころ廊下歩くだけで行き倒れてたっけ。

ありがとう~私の体重!

貴方のお陰で一度は命拾いしました。


「でもね、すぐに気づいたんだよ。いつもと違うって。可笑しいなって話になって、じゃぁ、僕が皆を代表して会いに行ってみたわけ」

「そういうわけだったんだ」

「そう、そしたら、頭下げるし、お礼言うし。誰これ?って感じ。見た目は全く同じなのに中身が全然違うの。ちょっと気持ち悪かったよ」


震えてたのって恐怖じゃなくって私の行動に寒気だっていたのか。

私が落ち込んでいると、背筋を伸ばしたバード様が私に顔を近づけてきた。


「あなたは一体誰ですか?」


バート様の言葉に私は覚悟を決めた。

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