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短いですが投稿
狼狽える男女をなんとか説得して家へと戻ってまいりました。
ただ、ここでもびっくりです。
家がデカイ。
家というより宮殿です。
ホワイトハウスも真っ青だ。
何部屋あるんだよってくらい大きいです。
玄関入ると二分でご飯。どころか玄関入ると使用人ずらりって・・・
私の家族って・・・何者?
「おかえりなさいませ、姫様」
その中から一人の初老の紳士が前に出て声をかけてきた。
ほぁ~、執事だ。
執事喫茶にいるようななんちゃって執事じゃない。
れっきとした執事です!
名前は
「ただいま、セバスチャン」
「は?私の名はジョイですが・・・」
ショック!
セバスチャンじゃなかった。
セバスチャンって顔してるのに。
執事といったらセバスチャンでしょう?
ショックにうちひしがれていると、後ろに控えていた女性がセバスチャンもといジョイさんの元に走り寄っり、耳元で何か囁く。
すると、セバスチャンもといジョイさんの顔色が変わった。
「す、すぐに医者の手配を、それと姫様、気分がすぐれないとかありませんか?」
「?無いわよ」
「痛いところとかありませんか」
「ない・・・けど」
「先ずはお部屋にお戻りになってベットへお入りください」
「え?でも、まだ外は明るいけど」
「早く姫様をお部屋へ」
「えっ?えぇ?」
あれよあれよという間に只今豪華なベットの中です。
お医者様が先程いらっしゃって私の具合を聞いてから去って行きました。
触診とかなかったよ。
いいの?
コンコンとノックの音が聞こえました。
「は~い」
「失礼いたします」
入ってきたのは背筋も正しくメガネをかけた、まさしくメイド長らしき人物。
ロッテンマイヤー!
正しくアルプ〇の少女ハ〇ジに出てくる執事にそっくりです。
「どうしたの?ロッテンマイヤー先生?」
「姫様・・・お労しい」
私の言葉を聞いて目頭を押さえるロッテンマイヤーさん。
ハラハラと涙をこぼす彼女を不思議そうに見ていると、ロッテンマイヤーさんの後ろに控えていた少女と少年がガバリと土下座した。
「えっ?」
「申し訳ありません。どうかどうか、家族まではお許しください」
「はぁ?」
「私の家にはまだ幼い弟と妹が・・・」
「年老いた祖母と病弱の母が・・・」
「はぁ」
「どうか、家族の命までは・・・」
何言ってるんだ?
呆然と見ていたが、頭を下げている二人は私と一緒に馬車に乗っていた侍女と御者だった。
さっきは事故のショックでわからなかったけど、二人共10代くらいの若さだ。
そっか、この歳で一家を支えてるのか。
偉いな~。
「姫様。この二人の処罰はどのようにいたしましょう」
「え?処罰」
「はい。この二人は姫様の命を危険にさらしました。今まで通りの処罰でよろしいでしょうか?」
「今まで通り?」
聞きたいような聞きたくないような。