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三一四四
月の、綺麗な夜でした。
元気な男の子でした。大層大きな満月の夜のことでした。ですがその子の妹が生まれたのは、月の無い夜でした。
あまり縁起はよろしくない、この子の対は誰だろうか、早々に奪われやしないかと家の者たちは話しておりました。
その懸念は遠くないうちに当たってしまうことを、男の子はまだ知りません。
妹が七つを数え、かみさまの子ではなくなった年のことでした。
それはそれは暗い、星の明かりも見えない夜の事でした。
男の子の妹は、いなくなってしまったのでした。
男の子は、