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第五十八話 読み違い

 ガシャドクロside


 …何だ?この壁は?

 邪魔だ!


 ズガンッ


 邪魔だ!邪魔だぁっ!!


 ズガンッ ズガァァンッ


 くそっ!何故、壊れない…


【藤堂】

「やれやれ騒々しいな…」


【ガシャドクロ】

「ガァァァ…」


 何だ、コイツは…?

 そうか…コイツが…


【藤堂】

「君に恨みは無いが…私の行き場のないこの憤りの全て、君に被ってもらう…悪く、思うな…」


 チッ!ほざくな!


【ガシャドクロ】

「ガァァァァァッ!」


 叩き潰してやr…


【藤堂】

「幻魔。」


 なっ!?何だ、コイツは!?


【幻魔】

「……」


 フンッ!デカブツがぁっ!


 ドゴッ


 邪魔だ!邪魔だっ!邪魔だぁっ!!


 ドゴッ ドガッ ズガンッ


 フン!何だ、見かけ倒しのデカブツが…邪魔をするな!

 さて…今度こそ、虫ケラどもを捻り潰してやr…


【ガシャドクロ】

「っ!?」


 何だ?視界が、一瞬…っ!?バカな!?


【幻魔】

「……」


 何で、またコイツが?さっき、確かに叩き潰してやったハズ…


【幻魔】

「……」


【ガシャドクロ】

「ガァァァァァッ!」


 クソっ!目障りなデカブツがぁっ!


 ガッ


【ガシャドクロ】

「っ!」


 何だ、コイツ?さっきより、堅い?


 ドゴッ


【ガシャドクロ】

「グガッ!」


 なっ!?く、クソ…調子に乗るなぁぁぁぁっ!!


 ドゴッ ドガッ ズガンッ バキッ


 死ねぇぇぇぇっ!


 ビッ ドゴォォォンッ


 ハァ、ハァ……今度こそ………


【ガシャドクロ】

「ガッ!?」


 バカな!?何で…


【幻魔】

「……」


 何で、また…


 ズガンッ


【ガシャドクロ】

「ガァァッ!」


 ぐっ!さっきより、重い!?


 バキャッ


【ガシャドクロ】

「グゲッ!?」


 く、クソ…クソ、クソッ!

 いい加減に、死にやがれぇぇぇぇっ!!


 ズガンッ バキッ ドゴッ メキャッ…


 ハァ…ハァ…これで、終わりだぁっ!!


 ビィッ ドゴォォォォォンッ


 ハァ…ハァ…ハァ…どうだ?最大出力の妖力波だ…跡形もなく、消し飛んだだろ……


【藤堂】

『…消えはしない…』


【ガシャドクロ】

「っ!?」


 なっ!?今の声は…頭の中から?


【藤堂】

『幻魔。』


 っ!?な、何でだ?


【幻魔】

「……」


 コイツ…さっきより、デカくなってやがる……


【藤堂】

『悪夢の牢獄…』


 やめろ…


【藤堂】

『終の式…』


 やめてくれぇぇっ!


【藤堂】

『夢幻地獄。』


 ズガンッ




 妖夢side


 流石、と言うべきか?当然、と言うべきか?

 ガシャドクロは、藤堂さんと対峙した瞬間…彼の背後に現れた、巨人の目を見た瞬間に、その動きを止めていた。


【藤堂】

「幻術師の怒りに触れて、楽に死ねると思うなよ?」


 紫様が手を焼いたワケだ…本気のこの人と、殺し合わずに済んで、本当に良かった…。


【藤堂】

「己が悪意の炎に焼かれて眠れ。その心が、焼き切れ、消し炭となって果てるまで、な。」




 ミネルバside


【ミネルバ】

「がはっ!」


 ズザザザッ


 ザルバの拳に打たれた俺は、そのまま吹き飛び地面を転がった…


【ザルバ】

「アハハハ♪楽しいねぇ、ミネルバ君♪」


 ……。


【ザルバ】

「ここまで僕とやり合える相手は久し振りだよ。けど、それももう限界かな?」


 ……。


【ザルバ】

「じゃあ、お別れだね…バイバイ、ミネルバ君♪」


 …ドガッ


【ザルバ】

「ガハッ!?」


 完全に油断していたザルバの胸に、拳を叩き込む…そして、ゼロ距離からの…


【ミネルバ】

「ギス・レイザス!」


 ドゴォォォンッ


【ザルバ】

「うわぁぁぁっ!」


 そこまで効いちゃいねぇだろうが、衝撃で吹き飛ばされるザルバ。


【ミネルバ】

「悪いな…別に手を抜いてたわけじゃねぇんだけどよ…」


【ザルバ】

「…え?」


【ミネルバ】

「…気がかりってか、心配の必要が無くなったんでな。やっと、集中して闘える。」


【ザルバ】

「何を言って…」


【ミネルバ】

「気づかねぇかよ?」


【ザルバ】

「……っ!?」


 俺の言葉を受けて、ザルバもようやっと状況を把握したらしい。


【ザルバ】

「そんな…禅蔵…水難斗…二人とも、負けたのか?」


【ミネルバ】

「霊夢も魔理沙も、相当修行したみたいだな。」


【ザルバ】

「…フフ、それがどうしたんだい?こっちには奥の手があるんだよ?」


【ミネルバ】

「人質のチルノなら、もう救出済みだ。」


【ザルバ】

「そう、チルノ。彼女を人質にしてるんd…え?」


【ミネルバ】

「分からないとでも思ったのか?藤堂先生がそれ以外の理由で、俺たちの敵に回るわけねぇだろうが。」


【ザルバ】

「~~~っ!く、クソぉっ!三日三晩かけて考え付いた作戦だったのに…」


 人質なんてセコい作戦の為に三日も費やしてたのか?よっぽどヒマらしいな…。


【ミネルバ】

「何にせよ、もう気兼ねなくお前と闘える。お前のスピードにも、だいぶ目が慣れてきた。」


【ザルバ】

「でも、ダメージは相当あるハズだ。」


 ザルバはそう言うと、妖気を漲らせ突っ込んできた。


【ザルバ】

「それに、いくら僕のスピードに目が慣れようと、対応出来ようと…パワーの差は歴然!」


 繰り出されるザルバの拳は、確かに俺の全力の拳でも打ち返せないし、ガードしても受けきれないだろう…。


【ミネルバ】

「真っ向勝負なら、な。」


 ガシッ


【ザルバ】

「!?」


 突き出されたザルバの拳、その手首を右手で掴み、左手で肘を取る。


【ミネルバ】

「遣り様は幾らでも有る。例えば…」


【ザルバ】

「!?」


 バキッ


 ザルバの腕を引っ張り、引き寄せたところを腹への蹴り、さらに…


【ミネルバ】

「ギス・ランス!」


 ドゴォンッ


【ザルバ】

「がはっ!?」


 蹴った右足からのランス…慣れない足からの発動で、そこまで鋭く形成出来なかったが、かなり深く入ったハズだ。


【ザルバ】

「がはっ!が…ぁ……くっ!そうか…」


 ザルバは悶えながらも、何かを納得したような表情を見せた。


【ザルバ】

「自分の戦闘技術を、1から鍛え直したんだね…爆発的にスピードやパワーを上げるのが、この短期間じゃムリと踏んで…」


【ミネルバ】

「あぁ。そんなとこだ。」


【ザルバ】

「さすがの戦闘センスだね…」


【ミネルバ】

「んな大したもんじゃねぇよ。それに、これでもやっと、互角に渡り合えるか否か、ってとこだろ。」


【ザルバ】

「慢心もナシか…おだてて油断を誘おうと思ったんだけど…」


 つくづくふざけた野郎だ…今まで闘ってきたヤツらの、どいつとも違う…だからこそ、やり辛いし、油断ならねぇ。


【ザルバ】

「……フフフ、仕方ない…本当は、もう少し後で…君ともっと遊んでから、身動きも出来ないくらい痛めつけてからにしようと思ってたのに…」


【ミネルバ】

「……」


【ザルバ】

「もう、始めちゃおうか♪」




 ザルバside


 正直、予想外だった…ミネルバ君が、ここまで強く…いや、厄介な存在になるなんて。嬉しいし、楽しいけれど…余興、と呼ぶには厳しい状況だね。

 それに、禅蔵も、水難斗もヤラれるなんて…いや、水難斗は違うみたいだね。

 おまけに、人質も救出されちゃってるし。

 何もかも想定外…こんな状況、こんなタイミングで、始めなきゃいけなくなるなんて…。


【ザルバ】

「まぁ、僕の本来の目的はこっちなんだけどさ♪」


 博麗の巫女に、ミネルバ君、その仲間たち…主だった戦力を幻想郷のあちこちに別れさせ、分断した今…博麗神社は無防備!

 地底、旧地獄跡…あそこは本当に便利だ。地上の情報が全部が地獄耳で入ってくる…数年前、博麗神社が老朽化と地震により倒壊し、再建された折に…要石が地下に埋められた事だって!それを壊せば、幻想郷を滅ぼすほどの大地震が起こる事だって!全部、全部知ってるんだよ!

 僕に従ってくれた地底の妖怪たち、その大軍が、今まさに…博麗神社に迫ってるのさ。僕の一声で、神社は、要石は、幻想郷は…全て壊される!


【ザルバ】

「壊してやる!全て、全て!全てを!!僕を受け入れなかった世界も!僕を愛さなかった運命も!全部、滅ぼしてやる!」


【ミネルバ】

「……」


【ザルバ】

「フフフ…澄ました顔してるね、ミネルバ君。でも、すぐに焦りと絶望に塗り潰されるよ。君がどれほど強かろうと、強くなろうと!世界の滅び、その現象そのものを止める事なんて出来やしない!」


【ミネルバ】

「…確かに、そんなマネ俺には出来ねぇよ。」


【ザルバ】

「当然だとも。何も恥じる事はない。ただ己の不幸を呪い、絶望するがいいよ♪」


【ミネルバ】

「それは真っ平御免だ。だから、悪いが止めさせてもらう。お前の目論見をな。」


【ザルバ】

「ハハハ!どうやって?それが出来ないと、君自身も今…」


【ミネルバ】

「地震そのものを止めるなんてマネは出来ねぇが、起こすのを止めるのは出来る。」


【ザルバ】

「!?」


 な、何でそれを…


【??】

『ザルバ様!』


【ザルバ】

『何だ?』


 この声は、博麗神社に向かわせた妖怪の内の一匹…確か土竜の…名前何だったっけ?


【土竜】

『博麗神社前に、妙な連中がいて…侵攻が遅れております!』


【ザルバ】

「なっ!?」


 バカな!?博麗の巫女は水難斗の下にいるし、霧雨 魔理沙は無縁塚…二人とも空も飛べないほど消耗してる…他の連中は地底に向かったハズだ。人質を救出しに行くために。じゃあ誰が?紅魔館勢力か?いや、今は昼間だ!吸血鬼たちが動き回れるハズがない!山の妖怪たちは、水難斗への警戒で動けないハズ…誰だ!?

 いや、そもそも…何でそこにいる!?本来、戦地になり得ない、幻想郷の聖域たる博麗神社に、何で戦力となり得る連中が配置されている!?残っているんだ!?


【ミネルバ】

「随分と焦った面してるじゃねぇか?」


【ザルバ】

「…まさか、ミネルバ君…でも、どうして…」


【ミネルバ】

「…俺は、久遠のミネルバ…元・闇の五大将軍の一人だ。何の戦略も無しに、軍を動かし兵を配置するバカに、将軍名乗れるとでも思ったか?」


 あぁ、そうか…僕は、最初から…君を、君という人間を、完全に読み違えていたのか。


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