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第四十二話 マグマ沸く、地の底から…

 …娘が企画したという冬まつりは、結果だけ言うと……大盛況だった。

 親の贔屓目というわけではない。里の多くの人たちが、寒い中それでも満足気に楽しんでくれていた。

 普段の祭りの縁日では見ない出店、かまくらの中で餅を焼いたり鍋をしたり、娘が飾り付けにと作った氷像やアイスキャンドル、ステージでは友人であるミスティアちゃんが特別ライブまでしてくれたり、よくこれだけ企画、準備が出来たものだと…本当に驚いている。

 私も、何かあれば手伝うつもりでいた。しかし、チルノは最後まで私と慧音先生には計画がバレないようにと動いていた。だから、敢えて私は何も手を貸してはいない。娘が、何処までやれるのか…静かに見守るだけだった。不安は勿論あった…だが、蓋を開けてみれば…


【紫】

「何を一人、黄昏ながら飲んでるのかしら?」


 祭りの後、神社で打ち上げの宴会が開かれる中、私は縁側に出て一人静かに飲んでいた。そんな私の横に、スキマを開けて現れた紫が腰を下ろした。


【紫】

「それも、随分と複雑そうな顔して。」


 私の心情を全て察したというように、妖怪の賢者様はニタリと笑った。


【藤堂】

「娘の成長と祭りの成功という、嬉しさと安堵…それと、祭りの後の寂しさのような、物悲しいような、切ないような…そんな気分だ。」


【紫】

「祭りの後の、ね…」


【藤堂】

「……」


 何か言いたげな紫の言葉を遮るために、私は彼女に酒を勧めた。酌を交わすような仲では無いが、他に方法もない。


【紫】

「おかしなものね、貴方と酒を飲む日が来るなんて。」


【藤堂】

「まったくだ。どういう風の吹き回しか、訊ねようと思っていたところだ。」


【紫】

「約束したでしょう?」


 …?

 和解したとはいえ、酒を飲む約束した覚えはないんだが?


【紫】

「麻雀勝負で…」


【藤堂】

「あぁ。」


 思い出した。


【紫】

「貴方の娘の頑張りで、約束の日が近づいたと思ってね。」


 その一番の功労者は、向こうの部屋で慧音先生の膝枕でスヤスヤ寝ているがね。妖精の身とはいえ、流石に疲れたのだろう。


【紫】

「ふぁぁ~…ただ、私はこれから、しばらく冬眠に入るから…その間に急な進展があったら、藍と相談してちょうだい。」


【藤堂】

「分かった。じゃあ、また春になったら会おう。」


【紫】

「…えぇ。次の勝負の内容は、夢の中で決めさせてもらうわ。」


 まだやるのか…。

 不穏な一言を残し、八雲 紫はスキマの中へ姿を消した。




 それからしばらくは、穏やかな日々が過ぎていった…冬の寒さは日に日に厳しくなっていったが、おかげで娘は毎日ハツラツと過ごしているし、ミネルバもその属性故なのか、最近はとても機嫌がいい様子だ。

 むしろ、霊夢との仲が良好だからなのかもしれないが、あまり深く詮索するのも野暮というものだ。

 やがて、寒に入る頃には、寺子屋の事務作業もひと段落し、新年の訪れを待つのみとなった。

 新たな春の訪れが待ち遠しい…幻想郷に生きる誰もが、そう思っている事だろう。

 しかし、この時…誰も思っていなかっただろう…幻想郷に、もう二度と、新たな季節が巡る事はないかもしれないなどと…そんな危機が迫っているなどと、この時はまだ霊夢も気づいていなかったに違いない…。




 燐side


【燐】

「うぅぅ、寒い!やっぱり、この時期の地上は冷えてるなぁ~…」


 一仕事を終えたアタイは、地上の冷気で芯まで冷えた体を震わせながらお風呂場へと向かった。


【空】

「あ、お燐!お疲れ~♪」


【燐】

「おりょ、お空♪お空もお風呂かい?」


【空】

「そ~だよ♪」


 お風呂場の前でばったりお空と会った。


【空】

「背中流しっこしよう♪」


【燐】

「いいけど、あんま強くやんないでよ?」


 こう見えて、お空は何気にパワーがある。何しろ、あの重たい制御棒を腕に嵌めて振り回してるんだから、当然といえば当然だ。おまけに、力加減ってのが苦手だから、本気でやられたら背中が真っ赤になってしまう…。


【空】

「まっかせて♪」


 自信満々に胸を張るお空と一緒に、私はお風呂に入った。

 ……言わずもがな、数分後にはアタイの背中の真っ赤になっていた…。


【燐】

「イチチ…ちょっとお湯がしみる…けど、はにゃ~~、生き返るにゃ~♪」


 芯まで冷えてた体に、温泉が染み渡っていくみたい…。


【空】

「いいお湯だね~♪」


 嫌われ者で地上じゃ暮らしていけない妖怪たちの巣窟、地底世界…でも、毎日タダで温泉に入れるから、幸せ~♪

 …と、それはそうと…


【空】

「うにゅ?どうしたの、お燐?」


【燐】

「お空ってば、また大きくなったんじゃない?」


【空】

「ほえ?何が?」


【燐】

「決まってるでしょ!うりゃ!」


【空】

「うにゅっ!?」


 アタイは後ろから抱き着くようにして、お空の胸に手を回した。


【空】

「やぁっ!ちょっと、お燐!くすぐったいよ!」


【燐】

「フムフム…この感触!間違いない!前の時より○○㎝は大きくなっている!」


【空】

「そんな事ないよ~!やめて~!」


【燐】

「えぇい!大人しくしろぉ!ほれほれ~♪(←悪ノリ)」


【空】

「きゃあああーーっ!」


 …なんて、お空と戯れていたら…


 ビィーーッ  ビィーーッ


【燐】

「にゃっ!?」


【空】

「うにゅ?」


 突然の警報音に、思わず固まってしまった…っていうか、これ何の警報?


【燐】

「何か、ヤバそう?」


【空】

「たぶん…」


 …アタイらはお互い顔を見合わせると、すぐにお風呂から上がった。




 さとりside


【さとり】

「…何事?」


 突然の警報に、動物たちがざわめき出した…


【さとり】

「落ち着いて、大丈夫よ、みんな。」


 怯え、騒ぎ回るその子たちを落ち着かせて、私は地下へ向かった。

 私が住むこの地霊殿は、焦熱地獄跡の真上に位置している。警報装置が作動するような事があるとしたら、地下の焦熱地獄跡…まぁ、今は温泉の熱源なんだけど…そこしか考えられない。

 でも、一体何が?

 この時間、お燐もお空も仕事を終えているハズ…仕事中に、お空が何かやらかしてたのかしら?


【さとり】

「……ふぅー、暑いわね…」


 地下に下りると、肌を焼くような熱が私を包んだ…跡地とは言っても、今なお焦熱地獄の業火は燃え続けている。その熱気は、並の妖怪では耐えられないだろう。私も、ここには長居出来ない。


【さとり】

「一体、何が起きたというの?……え?」


 ドッ


 しまっ……




 映姫side


【獄卒A】

「映姫様ぁっ!緊急事態です!」


 獄卒の一人が、私の執務室に慌てた様子で駆け込んできた!


【映姫】

「何です?」


 確か、前にも似たような事があった気が…あれは、確か夏の…いや、そんな事はいいか。


【獄卒A】

「はぁ…はぁ……旧都、焦熱地獄跡こと、地霊殿が…襲撃を受け壊滅したとの報告が!」


【映姫】

「地霊殿が!?して、古明地 さとりは?」


【獄卒A】

「現在、意識不明の重体…尚、焦熱地獄跡の管理を直接行っていたという、火焔猫 燐、並びに霊烏路 空の両名も、重傷を負い、永遠亭にて治療を受けているとの事です!」


【映姫】

「……分かりました…至急、小町を呼んで下さい。」


【獄卒A】

「は、はいっ!」


 …地霊殿が襲撃されるなんて…しかも、古明地 さとりを筆頭に、火焔猫 燐、さらには霊烏路 空まで不覚をとるなんて、相手は只者じゃない。少なくとも、地底の住人たちの中に、古明地の首を狙おうとする輩がいるとは思えない。

 だとしたら?地上から?いや、それもない…地上と地底は不可侵条約を結んでいる。数年前の地底の異変調査に博麗の巫女が動いただけで、それ以降も互いの不可侵関係は鉄の掟として残っている。破れば、地上・地底双方のトップ…八雲 紫や、古明地、星熊 勇儀らが制裁行為に出るのは目に見えているのだから。

 …となると…考えられるのは……


【映姫】

「…マズい事になりましたね…」


 私と小町で、事を済ませられればいいのですが…




 ミネルバside


【ミネルバ】

「……」


 …まだ夜中だというのに、ハッと目が覚めた…この感覚は、ここを襲撃されたあの夜に似ている。あの時は、力を失っていたし、何で目が覚めちまったのかと不安も覚えたが…今は確信をもって言える。これは…


【ミネルバ】

「何かあったな…」


 幸いここじゃないようだが…所謂、異変の予兆めいたものだろう。博麗の巫女である霊夢と長らく暮らす内に、俺も異変とやらに敏感に反応できるようになったみたいだ。元々、順応力には自信があるからな。

 俺は霊夢を起こしに行こうと、布団を剥いで起き上がろうとした…


【霊夢】

「…ん……寒い……」


【ミネルバ】

「……」


 ……。…………。


 ボカッ


【霊夢】

「イタイっ!」


【ミネルバ】

「何でここにいる?」


 何故こいつが、俺の布団の中に居るんだ!?


【霊夢】

「え、えーと…寒かったから?」


【ミネルバ】

「俺は湯たんぽじゃねぇ!」


 ったく、何でこいつは!


【ミネルバ】

「まぁいい、手間が省けた…それより霊夢、部屋で着替えてこい。何かあったぞ。」


【霊夢】

「んー…眠い…」


 そう言って、霊夢は再び布団にくるまった…っていうか、ここ俺の部屋で間違いないよな?


【ミネルバ】

「どっちにしろ起きろバカ!そして自分の部屋に行け!」


【霊夢】

「やーだー!寒いのー!」


【ミネルバ】

「ガキか!ワガママ言ってんじゃねぇ!」


 ……結局、霊夢を布団から引きずり出すまでに一時間を要した…。

 こういう時、紫の喝があればいいのにと思うが、今あいつは冬眠中との事だ。ってか、冬眠って何だよ?熊か?




 小町side


【小町】

「ふあああ~…」


 気持ちよく寝てたところを獄卒に起こされたおかげで、まだ眠気がとれないよ…


【映姫】

「しっかりなさい、小町。昼間も散々寝ていたでしょう。」


【小町】

「ギクッ!な、何でそれを!?」


【映姫】

「……」


 ギロリと睨まれ、カマをかけられた事に気づく…


【小町】

「や、ち、違うんです!映姫様っ!」


【映姫】

「…それだけ休んでいれば、全力で戦えますね。」


【小町】

「…へ?」


 あ、あれ?い、いつものお説教は?


【映姫】

「……」


 それ以上、映姫様は何も言わずに先に行ってしまった…。


【小町】

「あ、ちょ、待って下さいよ!」


 というか、ここは…?


【映姫】

「貴方が知らないのも無理はありません。本来、ここは封鎖された通路ですから。」


【小町】

「封鎖?」


【映姫】

「ここは、元は焦熱地獄へ通じていた道です。ただ、焦熱地獄が八熱地獄から隔離された事で、この通路も封鎖されたんです。」


【小町】

「あぁ、なるほど。」


【映姫】

「なので、閻魔とはいえ私も勝手には通行出来ないのですが、事態が急を要する上に、現世の地上から入るのも得策ではないと思いまして。」


【小町】

「…な、なんかさっきから聞いてると、すごく不穏な状況という気がしてくるんですけど…」


【映姫】

「気がするも何も、そういう事態なんですよ小町。いい加減、気を引き締めなさい。」


 うわー…やっぱりかー…帰りたいー……


【映姫】

「さ、着きましたよ。」


 そう言うと、映姫様は印を切って、目の前の門を開けた。

 大きな門扉が左右に開くと…


【小町】

「あっつ!」


 もの凄い熱気が迸ってきた。おかげで、全身から一気に汗が噴き出す…。

 しかし、映姫様は涼しい顔で、そのまま門を潜り先へ行ってしまった。慌てて追いかけると、ポタポタと汗が滴り落ちた…ひぃ~、早く帰りたい~!


 突き当り、欄干から身を乗り出して下を覗き込んでいる映姫様…私も横に立って、恐る恐る下を見てみた。

 グツグツと、マグマが沸いていた…ここが、焦熱地獄…こんな所に落とされたら、そう考えるだけでゾッとするね。いやそもそも、立っているだけで汗が止まる気配がないんだ…ここじゃ、ただ居るだけでも十分に拷問だよ。


【映姫】

「付いてきなさい、小町。」


【小町】

「え?ちょっ!?」


 言うなり、映姫様は焦熱地獄の上を飛んで行った…もう、勘弁しておくれよ~…。

 真上に来ると、熱気は一層温度を増したように感じる…焦熱地獄から立ち上る熱気が、ダイレクトに上がってきているのだから、まぁ無理もないよね…。全身の水分が無くなって、干乾びちゃいそうだよ…。


【映姫】

「……やはり…」


 やっと映姫様の所まで飛んでくると、そこには何やら岸壁に掘られた空洞があった。一体、ここは?


【映姫】

「…牢が破られている…上がりますよ、小町!」


【小町】

「へ、へ~い…」


 ようやっとここから離れられる!

 地霊殿の内部へ来ると、もう熱気は感じられなかった。いい断熱材を使っているんだねぇ。


【小町】

「ふぅ~…死ぬかと思った…」


【映姫】

「……?」


【小町】

「どうしました?映姫様?」


 何かを訝しむように、映姫様は首を傾げて辺りを見ている…。


【映姫】

「…かつて、ここが建てられた際に来た時と、この通路の様子が違っています。」


【小町】

「え?それって…リフォームしたって事ですか?」


【映姫】

「…少なくとも、ここに扉なんて無かったはずです。それに…」


 そう言い、映姫様は何の躊躇もなくそのドアを開けた…そこには…


【映姫】

「ここに、こんな広い空間も無かった…」


 一面、白塗りの何もない広間があった。

 本来、光の射さない地底世界において、その広間は異様なほどに明るく、その明るさがかえって不気味に感じられた。


【映姫】

「……」


 しかし、全くたじろぐ様子も見せずに、映姫様は扉を潜って広間の中へ入っていった。そうなると、アタイも後に続くしかなかった…。


【映姫】

「……やはり、貴方でしたか。」


【小町】

「え?」


 不意に言葉を発した映姫様…一瞬、誰に向けられた言葉か分からなかったけど、よく見ると映姫様の視線の先に、何者かが立っていた。白く長い髪が保護色になっていて、ここに来るまで姿がよく見えなかったみたいだ。


【??】

「これはこれは…映姫様、ご機嫌麗しゅう。」


 振り返ったそいつは、映姫様に恭しくお辞儀をした。

 立ち居振る舞いからみて、そんなに悪い奴は見えないね…一体、こいつは?


【映姫】

「心ない挨拶など不要です。一度だけ警告します…大人しく、牢に戻りなさい。」


【??】

「フフフ…映姫様はお優しい…」


【小町】

「!?」


 下げていた頭を上げ、初めてアタイはそいつの顔を見た…そいつは、両目も、口も、太い糸で乱雑に縫われ、塞がれていた…。


【??】

「その警告が無意味である事…貴方はご存知のハズ…」


【映姫】

「ですから、一度だけです。拒むなら…」


【??】

「拒むなら…?」


【小町】

「っ!?映姫様っ!」


 こいつ!一瞬で映姫様の目の前に!


【??】

「やはり、映姫様はお優しi…」


 ズガンッ


【??】

「いっ!?」


【映姫】

「…その先は、皆まで言わずとも、よく分かっているハズだ。共喰い妖怪…ザルバ。」


 映姫様の一撃で、ザルバというらしいそいつは床に叩きつけられた。さすが、映姫様!


【ザルバ】

「…フフフ…流石、映姫様…凄まじい一撃…」


【小町】

「なっ!?」


 こいつ!映姫様の一撃を受けて、すぐさま起き上がって飛び退った?どれだけタフなんだ!?


【映姫】

「いつまで呆けているんですか、小町…畳み掛けますよ!」


【小町】

「っ!はいっ!」


【ザルバ】

「!?」


 アタイは能力で、ザルバとの距離を一気に縮めた!突然の距離操作に驚き、反応できないザルバを鎌で切り付け、再びヤツとの距離を開ける。


【ザルバ】

「不思議な能力ですね…ん?」


 そして、すかさず映姫様の一撃がザルバに振り下ろされる!


 ドガァンッ


 閻魔天である映姫様の一撃だ…強大な通力を込めたその攻撃は、見た目より遥かに巨大で重い。ザルバ自身には、巨大な悔悟の棒が振り下ろされたように見えただろう。

 さすがに、これで終わりかと思ったが、映姫様が目でまだ続けろと合図している…まぁ、得体の知れない相手ではあるけど、この調子で押し切れば案外楽に済みそうだし…


【小町】

「一気に型付けて、帰って寝かせてもらうよ!」


 再び一気に距離を縮めて、立ち上がってきたザルバを滅多切りにする。


 ズバッ ズバズバズバッ


【ザルバ】

「ぐっ!…く、ハハハ…」


 こいつ!?これだけ斬りつけられてんのに、塞がれた口を歪ませて笑ってやがる!


【ザルバ】

「…楽しいなぁ…」


【小町】

「な、何を言ってんだい!?それだけボロボロに切り刻まれて、何が…」


【ザルバ】

「…斬られる痛みさえ…」


 ブチッ


 小さな音を立て、ザルバの目や口を縫い付けていた糸が切れた…


【映姫】

「小町っ!」


【ザルバ】

「…愉快だ♪」


 ドゴッ


【小町】

「かっ、は……」


 ……な?い、しき、g……




 映姫side


 ドサッ


 …ザルバの拳を喰らい、倒れ伏す小町…


【映姫】

「くっ!ザルバぁっ!」


【ザルバ】

「…あぁ、映姫様…貴方はやはり、閻魔にしては優しすぎる。」


 マズい!ザルバの、封が!

 封魔の呪をかけて編んだ糸で縫い付けられていた、ザルバの目と口が…徐々に、開かれていく…封魔の糸が、スルスルと抜けて、解けていく…


【映姫】

「断罪っ!」


 渾身の力を込めた一撃…お願いです、間に合って下さい!ザルバの封が完全に解けてしまったら、もう…


 ズガァァァンッ




 ミネルバside


 っ!?


【霊夢】

「どうしたの、ミネルバ?」


 やっとの思いで霊夢を起こし、準備を整え神社を後にした俺たち…だが飛行中、突如として全身に迸った悪寒…こいつは……


【ミネルバ】

「かなり、ヤバいな…」


【霊夢】

「え?」


 全身が、俺の本能が…先へ進む事を拒絶してやがる…。

 恥を忍んで敢えて言わせてもらうなら、怖気づいてるんだ…この俺が、だ。

 今まで、ここまでビビった事ってあったか?この感覚…初めてルーミアに会った時と似てるが、度合いで言えばあの時以上だ…。

 いや、そもそも、強いだけのヤツにここまでビビったりはしねぇ…俺が感じているのは、ヤバさだ。つまり…


【ミネルバ】

「…おい、霊夢…」


【霊夢】

「え?何?」


 今回の敵は、強い以上に、まともなヤツじゃない…完全に、イカれた野郎だ。


【ミネルバ】

「…一つ約束しろ…戦況がヤバくなったら、俺を置き去りにして逃げろ。」


【霊夢】

「…は?」




 ~おまけ1・あややの突撃インタビュー~


【文】

「ふぅ~、お茶が美味しい。人里に新しいお茶屋さんが出来たと聞いて来てみましたが…」


【華扇】

「はむ…もぐもぐ…」


【文】

「お団子も美味しいですし…」


【華扇】

「もきゅもきゅ…」


【文】

「…あのー、華扇さん?食べてばかりいないでそろそろ…」


【華扇】

「パクパク…」


【文】

「インタビューをですね…」


【華扇】

「もぐもぐ…」


【文】

「3サイズとか…」


【華扇】

「もきゅもきゅ…」


【文】

「せめてカップのサイズくらい教えていただけると、私の新聞も大幅に売り上げが…」


【華扇】

「…パク…」


【文】

「……はぁ~…今回は収穫なさそうですね…」


【華扇】

「すいません、遅くなって。」


【文】

「え?か、華扇さん!?そんな、だって華扇さんは…あれ?二人?」


【華扇】

「…何をしているんですか、マミゾウ?」


華扇マミゾウ

「…ゴックン…フム、バレたか♪」


 ドロンッ


【文】

「え?ちょっ!マミゾウさん!?」


【マミゾウ】

「うむ、美味であったぞ。ではな♪」


【文】

「あ、ちょっと!」


【華扇】

「やれやれ、マミゾウにも困ったものです。あ、すいませ~ん。お団子、とりあえず十串♪」


【文】

「…はは…取材費用ということで、経費落ちないかなぁ……はぁ~…(泣)」




 二ツ岩 マミゾウ~佐渡の二ツ岩~

 能力:化けさせる程度の能力

 身長:153㎝


 茨木 華扇~片腕有角の仙人~

 能力:???

 身長:162㎝




 ~おまけ2・ミネルバ先生の相談窓口~


【ミネルバ】

「よっ!元気かてめぇら。ミネルバ先生の相談窓口、今日も張り切ってくぜ。まず一通目のお便り。ラジオネーム、元・月のウサギさんから…『ミネルバ先生、こんにちは。単刀直入にお伺いしますが、ミネルバ先生はどんな女性が好みなんですか?』いや、質問じゃねぇか!相談窓口だろ、ここ?つーか、俺の好み聞いてどうすんだよ!」


 カンペ:一応、解答を。放送出来る範囲で。


【ミネルバ】

「えーと…料理が美味い、とか……い、いや!あれだ!スタイルのいい女だ!」


 カンペ:女性視聴者多いので、そういう発言は…


【ミネルバ】

『…クソ…もろアイツを連想して喋るとこだった……』


 カンペ:2枚目お願いします。


【ミネルバ】

「つ、次はラジオネーム……」


 ポイッ


 カンペ:捨てないで下さい!


【ミネルバ】

「今日のハガキ選んだやつ誰だよ!ったく…ラジオネーム、コンビニ戦隊ルーソンレッドさんから…『よぅ、元気にやってるか、ミネルバ。なぁ、今度そっちにみんなで旅行したいんだけど、いい宿とか無いかな?』ねぇよ!何を気軽に観光しに来ようとしてんだよ!そもそも旅行者なんて来ないのに宿屋なんかあるわけねぇだろうが!もういい!今日のミネルバ先生の相談窓口はこれまで!じゃあな!」


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