第三十話 狂いし夢の中の一日(中編)
藍side
【藍】
「この辺りまで来れば、二人の邪魔にはならないでしょう。」
屋敷から少し離れた位置に橙を連れて降り立つと、後をついて来ていた妖夢とジーク殿も続けて降りて来た。
妖夢は、まだ事態があまり呑み込めていないのか、一人だけ臨戦態勢も取れずおろおろしている。何故、紫様と幽々子様がいきなり戦闘を開始したのか分かっていないのだろう。
【藍】
「…出来ればこのまま、幽々子様が紫様を止めてくれるのを待ちたいのだが…立場上そうも言っていられない。」
【妖夢】
「あの、藍さん?これは一体…」
【藍】
「…今の紫様は、正気ではない。あの幻術師、藤堂に受けた三度に渡る、敗北という名の屈辱…それを晴らすために、紫様はとんでもない過ちを犯した。幻想郷に今起きている混乱も、それが原因…」
【妖夢】
「混乱…昨夜の、鳥肌が立つような感覚…あれと何か関係が?」
【藍】
「えぇ。そしてその全ては、紫様の藤堂に対する個人的な憎悪が引き起こした事。」
【ジーク】
「ならば、何故…貴様は主を止めようとしなかった?主が過ちを犯そうとしているなら、それを止めるのも配下の務めだ。」
ジーク殿の仰る通りだ。私は、少なからずこうなる事を予見していた…しかし、
【藍】
「私は紫様の式…私の意志は、紫様の意志に委ねられている。主が過ちを犯すなら、共に堕ちるしかないのだ。」
【妖夢】
「藍さん…」
【藍】
「故に、私も…ここで戦うより他に無し!」
願わくば、どうか…私たちを止めて欲しい…。
【ジーク】
「下がっていろ、妖夢。」
【妖夢】
「ジーク殿!?ですが、藍さんは恐ろしく強いですよ!隻腕のジーク殿一人では…」
【藍】
「橙、妖夢と遊んでおいで。」
【橙】
「はい、藍しゃま!」
私が命じると、橙は嬉々として飛び掛かっていった。
【妖夢】
「え、ちょっ!橙さん!待って下さ…」
振り下ろされた橙の爪を、妖夢は辛うじて楼観剣を抜いて受け止めた。
さすがに、二人がかりで来られては私も辛いので、妖夢には悪いですが橙の相手をしていてもらうとしましょう。今の橙なら、妖夢とも渡り合えるでしょうし。
【藍】
「では、こちらも始めましょうか?」
そう言い、私は近場に転がっていた小石を二つ手に取った。一つを右手でポーンと上に放る。落ちて来たのを右手で取ると同時に、左手でも同じようにもう一つの石を投げる。
【ジーク】
「?」
私の行動を怪訝そうな表情で見つめるジーク殿…落ちて来た石を左手でキャッチし、今度は両手同時に放り投げる。
【ジーク】
「何の真似か知らんが、黙って待つほど悠長ではないぞ?」
痺れを切らしたジーク殿が仕掛けて来るとほぼ同時に、私は落ちて来た石を両手で掴み、そのままジーク殿に向かって振り下ろした。
【ジーク】
「っ!?」
ガキィーン
【ジーク】
「なっ、何だと?」
【藍】
「そんなに驚かないで下さい。石や木の葉を別の物に化けさせるなんて、私の術の中では初歩の初歩なんですから。」
私が振り下ろした二振りの青龍刀…並みの剣士なら油断を突かれてバッサリ斬られただろうところを、さすがはジーク殿…片腕でよく受け止められたものです。
【ジーク】
「そういえば…貴様は狐だったな。」
【藍】
「ただの狐と、侮るなかれ。」
ギィンッ
隻腕のジーク殿を力任せに押し切り、そのまま回転しながら激しく斬りつける。息つく暇も与えぬ、豪雨のような連撃を放ち、ジーク殿を追い詰める。
【ジーク】
「くっ…なるほど、確かに…ただの狐ではないな…荒々しいが、よく出来た剣よ…」
【藍】
「長く生きてきましたから…ほんの手慰みですが、片腕で受け続けるのは辛いでしょう?」
【ジーク】
「…確かに…」
っ!
ガギィンッ
【藍】
「うっ…」
右手の青龍刀を弾き飛ばされたと思ったら、ジーク殿の剣の切っ先が私の喉元に突き付けられていた。先ほどまで、防戦一方だったハズ…
【ジーク】
「よく出来ている、及第点はやろう。ただ確かに…手慰み程度だ。剣に生き続けた者に対し、振るうレベルではない。隻腕の剣士などと、侮ってくれるなよ。」
嶺矢side
【新太郎】
「…先生、何があったんですか?」
【嶺矢】
「ん?何がって、別に何もないぞ。」
クラスの優等生、新太郎の質問に、俺はなるべく平静を装って返した。授業時間の終了まで、十分を切った…このまま何事もなく、無事に終わってくれと祈るばかりだ。
【新太郎】
「だって、慧音先生が所用で不在という事だって珍しいし…それに、ミネルバ先生も、何だか様子が変ですよ?」
うぐっ…こ、こいつ、俺の不安と緊張を読み取っていただと?で、出来るっ!
いやいやいや、感心してる場合じゃない!俺は今やこいつらの先生なんだ…落ち着け、不安が伝染するのは、闇の五大将時代に嫌というほど学んだじゃねぇか!塾長が不在だからって、俺がこんなに緊張してて、不安がっててどうするんだ!
【嶺矢】
「そんな事はないぞ。さ、気にせず続けなさい。それとも、もう出来たか?」
【新太郎】
「俺だけじゃないんです。みんな気づいてます!昨夜から、何かおかしいって…」
【大吉】
「…新兄ぃの言うとおりだよ…」
【嶺矢】
「大吉…」
悪戯好きで、クラスでも一番元気な大吉が、いつになくしょんぼりした声でそう呟いた。
【大吉】
「…昨日まで、寺子屋に来るの、すげぇ楽しみだったはずなのに…それが何か、何か足りない気がする…でも、何だったのか思い出せないんだ…」
大吉のその言葉に、他の生徒たちも頷いている…皆、一様に元気がない。というか、スッキリしない表情だ。言おうとしている言葉が喉元まで来てるのに、何故か思い出せない…そんな感じだ。
【新太郎】
「先生、何か異変が起きてるんじゃないんですか?それで、巫女様が異変解決に行ってるから、先生もずっと様子がおかしいんじゃ?」
【嶺矢】
「っ!い、いや…霊夢は……」
…霊夢…無事なんだろうか?
ガラガラッ
突然、教室の戸を開ける音がした。まさか、霊夢?
いや、違った…入ってきたのは、
【妹紅】
「はぁ…はぁ……慧音は、いるか?」
塾長の友人である妹紅だった。見ると、体のあちこちが凍って、凍傷を負った箇所も見受けられる…って!
【嶺矢】
「おい、何があった?」
【妹紅】
「ちとドジっちまった…それより、慧音は?」
【嶺矢】
「塾長なら、所用で外してる…代理を頼むって、置き手紙だけ残ってたから、今朝からずっと見てない。」
【妹紅】
「マジか…ヤバいな……ぐっ!」
片膝をつく妹紅…生徒たちがざわめき出す。
【嶺矢】
「落ち着け、お前ら。おい、大丈夫か?」
【妹紅】
「あぁ、私はな。けど、全体的に見るとかなりマズい状況だ。霊夢の事が心配なのも分かるが、慧音もかなりヤバいと思う…」
【嶺矢】
「塾長が?」
【妹紅】
「…かなり無茶してるはずだ…ついでに、魔理沙も…日取りの関係もあって動けないはずだ。」
マジかよ…俺が戦えない今、頼みの綱はあいつだったってのに…一体、どうしたら…
【妹紅】
「ミネルバ…慧音から聞いたが、力を取り戻す方法があるみたいだな?」
【嶺矢】
「え?」
力を…取り戻す?そんな事…
【妹紅】
「お前は覚えてないだろうから、細かい説明は省くが…鍵を握るヤツが湖にいる。訳あって氷漬けになってるから、何とか助け出してやってくれ。力は無くても、氷に関しちゃ専門だろ?」
確かに…俺の力の属性は『氷』だが、それとこれとは…
【妹紅】
「早くしないと、慧音も…霊夢もヤバいぞ!」
【嶺矢】
「っ!け、けど…」
霊夢を助けに行きたいのは山々だ…けど、そんなヤバい状況で、塾長も不在なのに、生徒たちを残してく訳には…
【新太郎】
「行って下さい、先生!」
【嶺矢】
「新太郎…」
【新太郎】
「授業時間なら、さっき終わりました。午後からの授業は、自習でいいんですよね?だったら、俺たち上級生がきちんと見ておきます。」
【お銀】
「私たちなら大丈夫です。だからミネルバ先生は、慧音先生や、巫女様を助けに行って下さい。」
【嶺矢】
「お前ら…」
見ると、生徒たちは皆、強い眼差しで俺のことを見つめていた。これは…期待、信頼を込めた目だ…拓磨が、仲間たちから向けられていたもの…俺には、決して向けられるハズのなかった感情……まいったな。
【嶺矢】
「…分かった。頼んだぞ、お前ら。」
…今の俺には、どうする事も出来ない状況の筈なのに…何とかしてやりたくなるじゃねぇか!
【嶺矢】
「妹紅、何かあったら、生徒たちを頼む。」
【妹紅】
「あぁ、安心して行ってこい。そっちこそ、頼むぜ。」
【嶺矢】
「…任せろ。」
まさか、こんなに乗せられやすい性格だったとはな…けど、悪い気分じゃない。
俺は妹紅と上級生たちに寺子屋を任せ、湖へと向かって走り出した。
魔理沙side
【魔理沙】
「はぁーっ!マジックミサイル!」
右手に込めた魔力で魔力弾を連射するが、やっぱりアリスには当たらなかった。
【アリス】
「その程度?やっぱり、箒も八卦炉も無しじゃ辛いかしら?」
確かに、飛べない上に、私の代名詞でもあるマスパも撃てないんじゃな…マスパだけじゃない、八卦炉が無いと威力の高い魔法はほとんど使えない。決め手に、どうしても欠ける…このままじゃ…
【アリス】
「もう手は無いみたいね。なら、そろそろ…私の、私だけのモノにしてあげる!」
アリスが右手を大きく振った。と、同時に、魔法糸が私が立っていた場所に叩きつけられた。危なかった…逃げ遅れてたら…
【アリス】
「まだまだ行くわよ!」
っ!今度は両手でっ!?
【魔理沙】
「くっ!危ねっ!」
避けた糸が、私の後ろの木をいとも容易く斬り倒してしまった。一つでも避け損なえば、細切れにされちまうっ!
【アリス】
「さすがに避けるわね…でも、これで終わりよ!」
【魔理沙】
「ぐっ!」
しまった!避け方を間違えた…縦横無尽に張り巡らせて迫る魔法糸には、避けられるスペースが全くない。や、やられr…
ズバババババババッ
【魔理沙】
「っ!……あれ?」
何とも、ない?
【魔理沙】
「え?」
【魔琴】
「……くっ…」
な、何で…?
【魔琴】
「がはっ!」
【魔理沙】
「…お、親父ぃっ!」
何で?おい、何してんだよ!何、割って入ってきてんだよ!
【魔理沙】
「親父!しっかり…」
【魔琴】
「だ、大丈夫だ…耄碌しても、そこまで衰えてはおらん。」
【魔理沙】
「…バカ親父、無茶しやがって…」
昔は鍛えてたとはいえ、もういい年だってのに…
【アリス】
「あらあら、お義父サマ…酷いケガですね。すぐに、楽にしてあげますわ。」
【魔理沙】
「なっ!止めろ、アリス!一体、何のつもりだ!?」
【アリス】
「何の?決まっているでしょ?貴方を手に入れる為よ。」
…ゾッとするような笑みで、アリスは答えた…違う、こいつは……私の知ってるアリスじゃない!
【アリス】
「さて、今度こそ、終わりよ?動けないお義父様を置いて、逃げられるなら話は別だけど?」
【魔理沙】
「くっ!アリス……うおおおおっ!」
【アリス】
「あら?」
一か八か…八卦炉無しだが、やるしかない!
【アリス】
「その魔力と術式と魔法陣…マスタースパークね。いいわよ…八卦炉無しで、どの程度の威力になるかしら?避けずに撃ち合ってあげる。」
アリスも、両手を上に翳し、魔法糸に魔力を集め始めた。いや、それだけじゃない…あれは!
【アリス】
「縒って、束ねて、太く、強く……さぁ、行くわよ!」
【魔理沙】
「うおおおおっ!マスタースパーク!」
【アリス】
「フフ…大玉糸~ダイナマイト~」
そのネーミングはマズいだろ…いやでも、本当に巨大な毛玉みたいに、縒った魔法糸がギチギチに絡み合ってる。なんて、魔力密度だ!
【魔理沙】
「だけど…負けるわけにはいかねぇぜ!いっけぇっ!」
ドォォォンッ
【魔理沙】
「ぐっ、く……」
撃ち合った瞬間、どうしようもない威力の差を痛感した。押し切るどころか…拮抗さえ出来ない…アリスの大玉糸が直撃するまで、一分稼げるかどうかだ…。
【魔理沙】
「…親父、逃げろ…」
【魔琴】
「バカを言え!お前こそ、早く逃げるんだ!」
…分かっている…親父は動ける状態じゃない…私が、勝たないと!
【魔理沙】
「はぁぁぁぁぁっ!」
こうなったら、多少の無理をしてでも威力を上げるしかない!生身の人間の私じゃ、体がもたないかもだけど…
【魔理沙】
「右腕の一本ぐらいくれてやるぜ!」
限界以上の魔力で、マスパの威力を高めた…やっと、アリスの攻撃と拮抗したぜ。だけど…
【魔理沙】
「ぐ、ぎ…が…ぁ……」
体が……千切れそうだ……
【魔琴】
「止せ、魔理沙!死んでしまうぞ!」
【アリス】
「そんな無理な魔力の放出、あと何分もつの?」
くそ…くそっ!ここまでしても、打ち返せない…押し切れない………力が、欲しいよぅ…無力さを、嘆かずに済むだけの力が……守りたいものを、守れるだけの力が………思いを、貫くための力が……こーりん!
【アリス】
「辛いでしょ?そろそろ、終わりにしてあげる!」
ダメ…もう……
【霖之助】
「魔理沙っ!」
意識が…遠退いて……幻聴まで、聞こえて…
【霖之助】
「魔理沙ぁっ!」
【魔理沙】
「え?こ、こーりん!?」
ど、どうして?
【霖之助】
「受け取れっ!」
そう叫び、こーりんは何かを私に向かって放り投げてきた。あれは…
霖之助side
…今頃、魔理沙はお見合い相手の青年と会っている頃だろうか?
店の窓から人里の方角を眺め、そんな事を考えた。
【霖之助】
「…何を考えているんだ、僕は…」
今さら、どうしようもない事なのに…
【にとり】
「やぁ、店主。盟友はいるかい?」
【霖之助】
「いらっしゃい…盟友、というのは魔理沙の事でいいのかい?」
訪ねて来たのはにとりだった。彼女はたまに、工具類を買いにウチに来てくれる。常連というほど頻繁にではないが、重要な固定客の一人だ。
【にとり】
「うん。いやぁ~、前々から頼まれていた品がやっと出来あがったんで、届けにね。」
【霖之助】
「頼まれていた品?」
【にとり】
「お?知りたい?知りたいよね?」
もの凄く嬉しそうに、ニヤニヤと笑うにとり…そして、リュックから伸びーるアームなる機械で取り出したのは、掌に納まるくらいの包みだった。
【にとり】
「じゃじゃーん!」
【霖之助】
「これは…」
大げさな掛け声と共に、包みを開けると…中から八卦炉が出て来た。
【にとり】
「これぞ!新型・八卦炉『改』VR2.04DX!略して新・八卦炉!」
【霖之助】
「従来のと、どう違うんだい?」
【にとり】
「基本的には変わらないように作ったよ。扱い難かったら困るし…ただ、違うとしたら、ここのボタンを押すと…」
ポチッ
【八卦炉】
『スペルカードをセットして下さい。』
【にとり】
「音声で操作案内が聞けるよ。」
【霖之助】
「その機能に何の意味が?ん、スペルカードをセット?」
【にとり】
「そ。この八卦炉の側面…そうそう、ココ。ココにカードを差し込んでも、スペカを発動出来るようにしたんだ。」
【霖之助】
「だから、その機能に何の意味があるんだい?」
【にとり】
「分かっていないなぁ、店主。こっちの方が…何かカッコイイじゃん?」
カッコイイ…のか?
【にとり】
「と、悪いんだけど、店主。これ、盟友に渡しておいてくれないかな?私この後、急ぎで仕上げなきゃいけない品が二、三あるんだ。今、留守みたいでさ…結構な危険物だから、無造作に玄関前に置いておくわけにいかないし…」
【霖之助】
「あぁ、分かった。と言っても、もう魔理沙には必要ないかもしれないけど。魔理沙、近々実家に帰って婿を取る事になるだろうから。」
【にとり】
「え?盟友、結婚するの?もしかして、店主と?やったじゃん、おめでとう♪式には呼んでよ。溜まってる仕事ズバババーンと片付けちゃうからさ。」
【霖之助】
「いや、僕じゃない。魔理沙の親父さんが気に入ったっていう丁稚の青年だよ。」
【にとり】
「…はぁ!?」
【霖之助】
「僕も一度会ったけど、中々の好青年だったよ。」
【にとり】
「いや、何を暢気な事を言ってるのさ、店主!そんな話があるかい?どこぞの馬の骨とも知れないぽっと出の丁稚坊やと、無理やり結婚させられる?盟友の気持ちはどうなるのさ!」
【霖之助】
「人聞きが悪いよ。別に、無理やりなんかじゃない。今は、ちょうどその青年とのお見合いの真っ最中だ。本当に、いい青年だよ。病弱な母親のために、厳しい親父さんの下で必死に働いてる。魔理沙もきっと気に入るさ。」
バンッ
【にとり】
「何を寝ぼけた事言ってんのさ、店主!まさか本気で、盟友の気持ちに気づいてないとでも?あんだけ露骨に、ラブアピールしてんのに?」
【霖之助】
「…っ!仕方ないだろ!彼女は人間で、僕は半妖だ。生きていく時間が違うんだよ…」
【にとり】
「それでいいのかい?店主自身は、それで納得出来るのかい?」
【霖之助】
「それは…」
納得なんて…出来るわけがない…どうして彼女は人間なのか…どうして僕は半妖なのか…どうして、種族的にも、立場的にも、許されない相手に、惹かれてしまったのか……
【にとり】
「何を後悔先に立たせてるのさ!まだ始まってもいない、始めてもいないくせに、何を後悔する事がある?後悔するのは、失敗した後だけでいいっ!」
後悔するのは、失敗の後だけ…そうか、確かにそうだな…人よりか長いこの先の人生、ずっとこんな後悔ばかり重ねて生きていくのか?そんな人生、御免だね!
【にとり】
「いい顔になったじゃん。んじゃ、盟友の事、頼んだよ?」
【霖之助】
「あぁ。ありがとう。」
店を出た僕は、魔理沙の元へ向かった。この時、にとりが作ってきた新型の八卦炉を手にしてきたのは、何かしら予感というか、虫の知らせ的なものがあったのかもしれない。
魔理沙side
こーりんが投げてよこした物を、左手でしっかりキャッチした。これは…
【霖之助】
「にとりが作った新型の八卦炉だ!従来の物と使い方はほぼ同じでいいらしい!」
新型の八卦炉…そういえば、前ににとりに頼んだ事があったっけ…。
【魔理沙】
「サンキュー、こーりん!これで、イケる!はぁぁぁぁっ!」
新・八卦炉に全魔力を注ぎ、迫りくるアリスの大玉糸めがけ最大出力で撃ち放った。
【魔理沙】
「ファイナルスパーク!」
ドゴォォォンッ
【アリス】
「なっ!何ですって!?」
大玉糸は、見る間に押し返されていく…
【アリス】
「くっ!こ、こんな事が…ぐっ!」
【魔理沙】
「いっけぇぇぇっ!」
【アリス】
「み、認めない!認めないっ!魔理沙は、魔理沙は私の…ぎっ!きゃあああああっ!」
ピッチューン……
嶺矢side
【嶺矢】
「…な、何だ?今の爆発…あの光線は、確か魔理沙の…」
お見合い会場で何やらかしてんだ、あいつ…いや、今はそんな事はどうでもいい!急いで、湖に向かわないと…何とかして力を取り戻して、早く霊夢を助けに行かないと!
【嶺矢】
「霊夢、待っててくれ!」
~おまけ1・あややの突撃インタビュー~
【文】
「ふぅ~…危ないところでした。さて、何とか逃げてこれましたね。そして、やっと…お目当ての場所に辿り着けました。地霊殿…今回はこちらの方々にインタビューしていきますよ!では早速…」
【さとり】
「ねぇ、そこの烏天狗さん?」
【文】
「って、うぇあっ!?い、いきなりですか?」
【さとり】
「…あぁ、ごめんなさい。段取りに添えなくて…」
【文】
「いえいえ、いいんです。では、今回は…」
【さとり】
「地霊殿の主の、古明地 さとりです。」
【文】
「はい、どーもよろしくお願いします。では早速…」
【さとり】
「パンツの色は教えられません。」
【文】
「…えっと、では…」
【さとり】
「…何故って、穿いてないから。これでいい?」
【文】
「無理に言わなくていいですから!ごめんなさい、邪な事ばかり考えててごめんなさい!」
【さとり】
「好きな男性のタイプですか…浮気をしない、出来ない人ですね。すぐに分かってしまいますから。私の場合。」
【文】
「ですよね~。」
【さとり】
「やっぱり、そんな人はいませんか…そうですか。」
【文】
「い、いえ、探せばきっと何処かに…」
【さとり】
「まぁ、確かにいたとして、私とお付き合いして下さるとは思えませんが…」
【文】
「中止!インタビュー、中止!」
古明地 さとり~怨霊も恐れ怯む少女~
身長:140㎝
能力:心を読む程度の能力
~おまけ2・ミネルバ先生の相談窓口~
【嶺矢】
「さぁ、今回も張り切っていくぜ。まずはラジオネーム、大食いクイーンさんから。『おなか空いた…』との事だが…食え。とりあえず何か食え。白米が無いなら煎餅を食べればいい。うん。次だ…ラジオネーム、月の姫さんから。『旦那の為に、日夜料理の練習をしているのですが、中々上手くいきません。料理下手でお椀より重たい物が持てない私にも作れる、簡単で美味しいお料理レシピを教えて下さい。○こ○ちさん、お願いします。』との事だが…宛先、間違えてるから。うん、俺が知りたい…俺にも作れる料理を誰か教えてくれ!じゃ、次でラストな。ラジオネーム、日の目を見たい土蜘蛛さんから。『先日、地上の新聞の取材(?)でインタビューを受けたのですが、慣れない事だったのでキャラがおかしくなってしまいました。どうすれば、キャラがブレる事なく、人前に出られますか?』との事だ。いいじゃないか、ブレたって。自分の中に一本スジ通しておけば、どんなキャラでも自分は自分だ。胸張ってけ!と、もう時間か。ミネルバ先生の相談窓口、今日はここまで。次回もよろしくな。」




