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第二十四話 禊

ポッキー食べたい…。

 魔理沙side


 えー、コホン…前回までのあらすじ…霊夢を泣かせたミネルバのやつを探しに出た私は、寺子屋、永遠亭と各方面を回り、紅魔館前でやっとターゲットを見つけ出した。は、いいのだが…野郎、霊夢を泣かせただけじゃ飽き足らず、門番に手ぇ出そうとしてやがった。やっぱりこいつは女の敵だぜ!というわけで、マスパ一発ぶちかまして、説教してやってたんだが…


【ミネルバ】

「あああああああああああああああああっ!」


 ……どうやら、地雷を踏んじまったらしい…。

 突然、頭を抱えて絶叫し出したミネルバ…一体、何だっていうんだぜ?


【レミリア】

「バカ魔理沙!人の屋敷の前で何してくれてるのよ!」


【魔理沙】

「な、何だよ、レミリア?そんな怒る事な…え?」


 下からの怒鳴り声に、私が思わず視線を外した瞬間…迫ってきたのは巨大な氷の剣だった。真横から、私の胴体を真っ二つにしようと迫ってきていた。


【魔理沙】

「うわっ!」


 間一髪で避けたが、剣はそのまま振り切られ、紅魔館の大時計を切り裂いた。


【魔理沙】

「あっぶね…」


【レミリア】

「危なかったじゃないわよ!どうしてくれるのよ!」


【魔理沙】

「いや、犯人は私じゃ…」


 そう、犯人は私じゃない…こいつだ!


【ミネルバ】

「……」


 野郎…やっぱこれが本性かよ。


【レミリア】

「まったく!人の触れられたくない過去に、土足で踏み込んだりするから…美鈴!」


【美鈴】

「はいっ!」


 レミリアの一声で、門番のやつが飛び上がってきた。


【美鈴】

「はぁっ!」


 そのまま突き出した拳が、ミネルバの顎に入った。あれは痛い…というか、ノックアウトだろ。


【美鈴】

「!?」


 と思ったが、ミネルバはびくともしていない。


【美鈴】

「くっ!」


 反撃を警戒したのか、門番は慌てて距離をとるように後ずさった。


【魔理沙】

「こうなりゃ、たたみ掛けるしかねぇ!マジックミサイル!」


 ミネルバのやつ、マジで殺す気で攻撃してくるからな…反撃の隙なんか与えてやるもんか。

 弾幕戦が苦手なミネルバには、この攻撃で十分だ。ジリジリとダメージ与えて弱らせてやるぜ。


【ミネルバ】

「……温い…温ぃんだよ!」


【魔理沙】

「なっ!?」


 マジックミサイルが、かき消された?霊撃?いや、違う…今のは、ただの…気合い?


【ミネルバ】

「殺す気で来いよ…俺を、殺せよ!」


【魔理沙】

「チッ!だから、お前はどうしたいんだよ!?」


 こいつは、本当に何を考えているのかさっぱりだ。生きる為に戦って、生き抜く為に罪を犯して、そうまでして生きてきたくせに…自分を殺せだと?


【魔理沙】

「ふざけんなっ!」


【ミネルバ】

「フザケてんのはテメェだ!過去の自分を誇ってるかだと?んなわけ…んなわけねぇだろうがぁっ!」


 雄叫びのようにそう叫んで、ミネルバは猛スピードで突っ込んできた。慌てて正面に障壁を張ったが、一発のパンチで障壁にはヒビが入った。二発目はもたないな。


【ミネルバ】

「…戻りたくなんかねぇよ…泥啜って生きるのも、血に塗れて生きるのも、もうたくさんだっ!」


【魔理沙】

「だったらっ!」


【ミネルバ】

「過去なんか捨てて、のうのうとここで生きてけばいいか?そんな事、許せるはずねぇだろうが!」


 あぁ、そうか…やっと分かった。

 こいつは、過去の自分を誇ってるんじゃない…今の自分が嫌いなんじゃない……全部含めて、自分の事が、許せないでいる…ただ、それだけなんだな。




 霊夢side


【ミネルバ】

「……そんな事、許せるはずねぇだろうが!」


 魔理沙の後をつけてきた私は、初めてミネルバの本心を聞いた。

 私は、知った気になっていた…彼の事を、理解しているつもりになっていた…。彼は乱暴者で、口も悪くて、でも働き者で、義理堅くて、本当は頭も良くて、優しくて……それが彼、ミネルバなんだと、そう思っていた。


【霊夢】

「…バカみたい…」


 一ヶ月も一緒にいて、全然分からなかったなんて…私が知った気になっていた彼は、全部…どうしようもない彼の罪悪感と、後悔の念によって形作られたものだったんだ。

 罪を贖いたいと思いながら、贖って平穏な日常を手にする事が許せない…矛盾したその思いが、今のミネルバの人格を形成している…そういう事なんだ。


 バリンッ


【魔理沙】

「うわぁぁっ!」


 ミネルバの左拳が、魔理沙の魔法障壁を粉々にしてしまった。ガードブレークの反動で、魔理沙はしばらく魔法を使えない。このままじゃ…


【ミネルバ】

「うああああああああっ!」


 咆哮と共に、右手を魔理沙の方へ向けるミネルバ…その時には、既に私も動いていたんだけど、ダメ!間に合わないっ!


【美鈴】

「はぁっ!」


 鋭い美鈴の蹴りが、ミネルバの顎へと叩き込まれた。


【ミネルバ】

「ぐっ!」


【美鈴】

「彩光蓮華掌!」


 さらに、よろめくミネルバの体に、両の掌を打ち込んで気を爆発させた。美鈴の大技だ…あれなら、ミネルバも大人しく…


【ミネルバ】

「…ぬ…る…い……本気で来いよ、美鈴。」


【美鈴】

「くっ!」


 嘘!確かに極まったはずなのに…ミネルバ、全然堪えてない?


【ミネルバ】

「この程度じゃ…足りねぇんだよ…」


【美鈴】

「足りない?」


【ミネルバ】

「俺が奪ってきたものにだ…何をやっても、どうやっても、ちっとも届きそうにないんだ。」


 不意に、ミネルバが静かになった。あれほど放っていた殺意も、収まっていく…一体、


【ミネルバ】

「がふっ!」


【霊夢】

「み、ミネルバ!」


【ミネルバ】

「来るなっ!」


 急に血を吐いたミネルバに駆け寄ろうと思ったら、ミネルバが大声で私の動きを制した。というか、こっちに気付いてたの?


【ミネルバ】

「何で来やがった?もう俺に関わるなっ!俺がどういうヤツか分かってんだろ!これ以上、てめぇの評判下げるようなマネすんな!」


【霊夢】

「…ミネルバ…」


 分かってる…分かってるわよ…アンタが、本当はすっごく優しいんだって事くらい…。

 私の為に、私を遠ざけようとしてくれてる事くらい、分かってるわよ。

 でも、だとしたら…私は……私は、アンタの為に、何をしてあげたらいい?


【霊夢】

「……そうか…」


【ミネルバ】

「?」


 今までになく、心が澄んでいく感覚に、私は少しだけ理解した。幽香に言われた事を…


【幽香】

『今はまだ、グチャグチャで自分でも訳が分からないんでしょうけど、その感情の中から、貴方が自分自身の愛を見つけ出せた時…貴方は誰よりも美しく、強くなれるはずよ。』


 ミネルバが出て行くって言った時、胸が押し潰されそうになって、たまらず子供みたいに駄々をこねた。これは…ただの恋だ。ミネルバの真意も考えずに、自分の気持ちだけを押しつけようとしただけ。

 でも、今なら分かる…ミネルバの、不器用な優しさも、消えない罪悪感も、苦悩も、葛藤も……だから思う。


【霊夢】

「私は、アンタに何をしてあげればいい?」


【ミネルバ】

「あ?」


 アンタの為に、私に何が出来るだろう?


【霊夢】

「…うん。決めた。」


【ミネルバ】

「だから、何がだ?さっきから、ごちゃごちゃと…」


【霊夢】

「禊いであげる。アンタを苦しめる、その罪とやらをね。」


【ミネルバ】

「…やってみろよ。」


 再び、膨れ上がっていくミネルバの殺気…だけど、大丈夫…もう、大丈夫…。




 魔理沙side


 ティンッ☆


【魔理沙】

「ふぅー…やっとガードブレークの反動が回復したぜ。」


【レミリア】

「そう。でも、貴方の出番はもうないわよ。」


 …どうやら、そうみたいだな。

 霊夢のやつ、ちゃっかり私の後をつけてたみたいだな。しかも、何を思ったのか、本気でミネルバとやり合うつもりらしい。

 けど、不思議とそんなに心配していない…今の霊夢なら、大丈夫だ。


【霊夢】

「博麗アミュレット!」


 追尾型の霊夢の札が左右からミネルバに迫る。が、ミネルバは素手でこれを叩き落とした。やはり、ミネルバには通常弾幕じゃまともにダメージを与えられそうにない。


【ミネルバ】

「ぬるいっ!敵一人殺したくねぇとかほざいてるてめぇなんかに、何が出来るっ!」


 今度はミネルバが仕掛けた。トップスピードで突っ込んで、霊夢に殴りかかる。しかし、霊夢はこれを躱した…躱した?いや、今の動きは…


【ミネルバ】

「チッ!このっ!」


【霊夢】

「……」


 まただ。ミネルバの拳を、霊夢は緩やかに躱す…ミネルバの拳より、明らかにゆったりした動きだ…何だ、この違和感は?


【美鈴】

「初動より早く動いているんです。」


【魔理沙】

「書道?」


【美鈴】

「初動!動き出しの事です。ミネルバさんが拳を放つより前に、霊夢はもう動き出している。次にどう打ってくるか、先んじて分かっているんでしょう。」


【魔理沙】

「巫女の直感…」


 確かに、霊夢は前々から、時々ありえない動きを見せたりしてたけど…弾幕戦だけじゃなくて、こんな鬼気迫る肉弾戦でも有効だったのか。


【美鈴】

「或いは…恋する乙女の観察眼、ってやつかも。」


 別にどっちでもいいのぜ…どっちにしろ…


【ミネルバ】

「くそっ!」


 ミネルバの攻撃は、霊夢に掠りもしていないんだからな。


【ミネルバ】

「はぁ…はぁ…はぁ……逃げ回ってねぇで、ちったぁ攻撃してこいっ!」


 そう言ったミネルバの右腕に魔力が集まる…


【ミネルバ】

「ギス・セイバー!」


 黒い氷の刃が霊夢を襲う、が…これも霊夢は、少し横に移動して体を傾けただけで避けた。そして、そのままミネルバに向って突っ込んで、お祓い棒でミネルバの胸を突いた。


【ミネルバ】

「がっ!ぐ、がはっ!」


 吐血…やっぱ、さっきの門番の彩光蓮華掌、効いてたみたいだな。


【ミネルバ】

「このっ!」


 今度は横薙ぎに右腕の刃を振るが、霊夢は鮮やかに前方宙返りをしながら躱し、ミネルバの後方へ回った。


【ミネルバ】

「なめんなっ!」


 再び横薙ぎで霊夢を斬りつけようとしたが、霊夢はミネルバを見ずにお祓い棒でその攻撃を受け止めた。霊力を込めたお祓い棒は、ミネルバの攻撃を受けてもビクともしていない。それどころか、霊夢が霊力を高めて弾くと、ミネルバの方がよろける始末…ダメージが蓄積してるのか、力任せに暴れるのが精一杯な感じだな。


【霊夢】

「…そろそろ終わりね。」


【ミネルバ】

「ぬかせよ…てめぇみたいな甘ちゃんが、俺を殺せるとでm…ぐっ、がはぁっ!」


 再びの吐血、しかもミネルバはそのまま咽て蹲ってしまった。


【ミネルバ】

「ゴホッ、ゲホッ…が、くそ…っ!?」


 …ミネルバが顔を上げた時、霊夢の姿は視線の先になかった。何故なら…


【霊夢】

「幻想空想穴。」


【ミネルバ】

「しまっ…」


 すでに霊夢はミネルバの背後に回っていたからだ。そして、そこから霊力を込めた蹴りでミネルバを蹴り飛ばす。


【ミネルバ】

「ぐっ!」


 辛うじて片腕でガードはしたが、すでに…ミネルバのやつは詰んでいた。


【ミネルバ】

「なっ!」


 体勢を立て直したミネルバの周囲は、連なる護符の鎖によって包囲されていた。


【霊夢】

「封魔陣。」


【ミネルバ】

「くっ!こんなもんで…」


 確かに、これだけなら普段のミネルバにとってどうという事もないだろう。しかし、満身創痍のやつに、これを抜ける事は出来ない。しかも…


【霊夢】

「……祓へ給へ…清め給へ……」


 霊夢が、お祓い棒を空に掲げて、霊力を込めている…肉眼では見えないが、霊夢の霊力が剣になって、空に届いているのが分かるぜ。


【霊夢】

「……守り給へ…幸へ給へ!」


【ミネルバ】

「っ!?」


 その巨大な、目に見えない霊力の剣を、ミネルバに向けて振り下ろす霊夢…


 ズガァンッ


 その一撃を受けて、ミネルバの纏う黒い鎧が粉々に砕け散った。


【霊夢】

「…禊・巫女ノ祓ヘ~天つ罪。」


 霊夢の攻撃で変身が強制解除されたミネルバは、そのまま真っ逆さまに地面に落下した。




 normal side


【藤堂】

「…ふぅ~…これは、やはりミネルバ先生は欠勤ですな。」


【慧音】

「そのようですね…」


 紅魔館前で起きていた事を、私のダミーから受信した映像で見ていた私たちは、揃って溜息を吐いた。午後の授業は彼が担当する事になっていたのだが、あの様子では授業はもう無理だろう。ちなみに、始業時間は五分後だ。


【藤堂】

「仕方ありません。ここは私が代理で授業をしましょう。」


【慧音】

「え?ですが藤堂先生、専門外では?」


【藤堂】

「えぇ、そうですが…まぁ、上手く凌ぎますよ。」


 何より、他に方法がない。


【慧音】

「…では、お願いします。」


【藤堂】

「はい。」


 昼休憩を終え、私は再び教室へと向かった。…生徒たちがどんな反応をするか楽しみだ。

 なんて、暢気な事を考えてる場合じゃない…書の方は、全くの専門外だというのに…さて、どうしたものか?




 慧音side


 ふぅー…一時はどうなるかと思ったが、藤堂先生が居てくれて本当に助かった。

 これで私は、事務作業を進められる。何しろ、暦はもう長月…ボーっとしていたらあっと言う間に新年だ。時が経つのは早いと、つくづく思う。

 なので、今から動かないと間に合わないのだ。今年で卒業する生徒は、五人…四ヶ月後、冬の終わりには、ここを巣立っていく事になる。となれば当然、彼らはこれから里の中で働いていく事になる。家業を継ぐ者はいいが、丁稚に出る者には職場を斡旋して、紹介状も書いてやらねば。

 新年から入る新入生の受付も始めたから、そっちの願書も整理して…。


【慧音】

「はぁ…忙しい…」


 晩秋に 痛む頭を 抱え伏す…


【慧音】

「本当に…この時期は頭が痛む…」


【妹紅】

「頭突きのし過ぎじゃねぇ?」


【慧音】

「うわっ!?妹紅!いつの間に?」


【妹紅】

「ついさっき。って、何だ?この書類の山は?」


【慧音】

「卒業生と新入生に関わる書類だ。本当は、藤堂先生にも手伝って貰うはずだったんだが、欠勤しているミネルバ先生に代わり、臨時授業をしてくれてる。」


【妹紅】

「なるほど。せっかく二人の時間を作ろうとしたのに、あてが外れたわけだ。」


【慧音】

「なっ!?」


 な、な、何を言い出すんだ!?


【慧音】

「ち、違うぞ!断じて、そんな…」


【妹紅】

「ほぅ~…」


 ぐっ、何だ?その目は…。

 いやらしい、ニヤけた目でこっちを見つめてくる妹紅…。


【慧音】

「本当に違うんだからな!」


【妹紅】

「全く?これっぽっちも?」


【慧音】

「……」


【妹紅】

「詰まったな?」


 今度はドヤ顔で詰め寄ってくる…くそ、卑怯だ…。


【慧音】

「そんな意地の悪い言い方されたら、否定出来ないじゃないか…」


【妹紅】

「だって慧音、こうでもしないと素直にならないだろう?」


 私はいつでも素直なつもりなんだが…


【妹紅】

「まぁ正直、親友としては何でよりによってあんな男…子持ちで、自称:人でなし、な男に惚れ込んじまうかなぁって思うよ。」


 あんな男…妹紅の言うとおりだ。藤堂先生がここで働き始めてから、何度食事の誘いを断られたか…。夏の異変でチルノを失っていた間、私がどれだけ心配したか…。


【慧音】

「こっちの気も知らないで、あの鈍感ニブチン唐変木男めぇっ!」


【妹紅】

「落ち着け、慧音。」


【慧音】

「…でも、いざという時には、頼りになる人なんだ。優しい人なんだ。」


【妹紅】

「…そっか…そこまで惚れちまってるんなら、いっそまどろっこしいマネしてないで、さっさと伝えちまえよ。」


【慧音】

「なっ!?」


 そ、そんな、いきなり!だいたい、まどろっこしいマネなんてしてないぞ!


【妹紅】

「コブ付きなのも、人でなしなのも、唐変木なのも…全部まとめて受け入れて、受け止めた上でぶつかってけ。そんぐらいしないと、あの鈍感野郎の心には届かねぇよ。」


 た、確かにそうかも…いや、しかし……


【妹紅】

「じゃあ、忙しいみたいだから今日は帰るよ。」


【慧音】

「なっ、妹紅!?」


 言いたい事だけ言って、妹紅はさっさと帰ってしまった。まったく、何をしに来たんだ!


【慧音】

「と、いかん!早く作業を進めないと!藤堂先生が授業を終えるまでに、ある程度…」


 …そうだ…授業が済んだら、藤堂先生戻ってきて手伝ってもらう事になるんじゃないか…


【妹紅】

『そこまで惚れちまってるんなら、いっそまどろっこしいマネしてないで、さっさと伝えちまえよ。』


【慧音】

「~~~っ!」


 ぬああああっ!

 違う!違うっ!違うぅっ!別に、別に断じて、そういうつもりじゃあぁぁぁっ!

 くそぅっ!妹紅のバカぁっ!変な事言うから、変に意識してしまうじゃないかぁっ!


【慧音】

「お、落ち着け。落ち着くんだ、上白沢 慧音…そうだ!仕事だ!作業に集中していれば、余計な事を考えず済む!そうだ、そうだぞ…よーし……」


 幸いにも、やらなければならない事は山積みなんだ。うむ、労働とは素晴らしい!

 さて、まずは卒業を控えた生徒たちの進路について…親御さんたちとの面談の日程も組んで……それから………




 ミネルバside


【ミネルバ】

「……っ!ぐ…」


 目が覚めると、何故か全身が痛かった…どうなってんだ?


【レミリア】

「気がついたようね?」


【ミネルバ】

「お前は、紅魔館のガキ当主…」


 何で、こいつが?つーか、ここは?


【レミリア】

「誰がガキよ?これでも五百年生きてる人生の大先輩なんだから、口の利き方ぐらい気をつけなさい。」


【ミネルバ】

「ならババアじゃねぇ、がっ!あああああっ!」


【レミリア】

「気をつけろと言わなかったかしら、坊や?」


 あ、アイアンクロー!?止めっ!頭が、割れる!脳みそブチ撒ける!


【レミリア】

「フン。で、少しは落ち着いたかしら?」


【ミネルバ】

「が…あ……ぐっ!落ち着いた、って…何がだ?そもそも、ここ何処だ?何でお前が…」


【レミリア】

「霊夢じゃなくて悪かったわね。彼女なら、妹の様子を見に行ってもらったわ。再封印について考えたいし。」


【ミネルバ】

「べ、別にんな事は聞いてねぇよ…」


 俺がそう言い返すと、ガキ当主…いやレミリアは、赤い瞳でじっと俺の目を覗きこんできた。その眼力に、なるほど俺も納得した。確かに、こいつはガキじゃねぇ…五百年が事実かは知らないが、そのぐらいの凄みはある。


【レミリア】

「…気分は?」


【ミネルバ】

「あ?」


 いきなりそう聞かれても…正直、頭はまだ割れるように痛いが?


【レミリア】

「心の闇を祓われた気分はどうか、って聞いてるの。」


【ミネルバ】

「心の…闇……っ!?」


 そうだ!俺は霊夢に負けて…なのに、何でまだ生きて…


【レミリア】

「まだ、生きてる事が許せない?バカバカしい…それだけ死ぬ目に遭ってきたなら、いい加減に気付きなさい。それを許すかどうか決めるのは、貴方じゃない。」


【ミネルバ】

「…俺は…生かされてるのか?」


 何故?俺に、生かされる価値なんか…


【レミリア】

「さぁね。運命なんて、個人から見れば理不尽で、残酷なものよ。知ってるでしょ?」


【ミネルバ】

「……」


【レミリア】

「だから諦めなさい。いくら死にたがっても、運命がそれを許さない限り、人は死ねないのだから。」


 罪を背負って、生き続けろって事か…全く、救いようのない人生だな…。


【レミリア】

「そうでもないでしょう?少なくとも、貴方はもう救われたと思うけど?」


【ミネルバ】

「?」


【レミリア】

「霊夢のあの一撃は、貴方の心の闇を祓った。貴方の心に棲み付き、根を張り、暗い影を落としていたものを。罪悪感、怒りや憎しみといった負の感情、そして…闇の力。」


 っ!まさか…まさかっ!


【ミネルバ】

「ま、魔獣変化!」


 ……。


【ミネルバ】

「魔獣変化!変化…あ…」


 変身できない…魔獣ゲルビオスに植えつけられた、闇の力が…消えた?




 ~おまけ1・キャラ設定~


 マズい…気づけば今月も新登場のキャラがいない…どうする?このままではこのコーナーも打ち切りに…


【??】

「お困りのようですね。」


 お、お前は!?


【文】

「どうも~♪清く正しい射命丸でぇす。ここは私にお任せを。」


 いや、いい。


【文】

「あややや!?何故ですか?私の取材力を持ってすれば、未登場の方々にもインタビューし放題ですよ。」


 お前に任せたらトラブルしか起きない。


【文】

「そ、そんな事ないですよ?この清く正しい射命丸に限って、そのような失態…」


 今回もお休みです。


【文】

「次回からは『あややの突撃インタビュー』をどうぞよろしk…」


 帰れ。




 ~おまけ2・ミネルバ先生の相談窓口~


【ミネルバ】

「続いたっ!?」


 カンペ:タイトルコールお願いします。


【ミネルバ】

「えーっと…第二回、ミネルバ先生の相談窓口。というわけで、早速一枚目のお便りだ。ペンネーム、飽くまで悪魔さんから。『私の契約主は本の虫で、まるで外に出ようとしません。一年の大半を、日の差さない地下の図書室に籠っています。主を外に連れ出す、いい方法を教えてください。』って事だが…最近流行りの引き籠もりってやつか?力づくで表に引き出すか、それがダメなら…天の岩戸作戦だろうな。そいつに、外がどんだけ楽しいモンに溢れてるか教えてやれ。」


 カンペ:二枚目お願いします。


【ミネルバ】

「続いてのお便りはハンドルネーム、氷結スパーキングさんから。」


 カンペ:それ飛ばして別の行って下さい!


【ミネルバ】

「?…『アタイのウチは父子家庭なのですが、この間パパにママが欲しいとおねだりしました。でもパパは困った顔で首を横に振るだけ…誰かアタイのママになってくれる人居ませんか?』

との事だが…この氷結スパーキングさんは、意味分かってるのか?それとも遠回しに、パパに早く再婚しろって発破かけてんのか?まぁとりあえず、氷結スパーキングさんのパパさん、ファイト!」


 カンペ:…三枚目行って下さい…


【ミネルバ】

「ラストのお便りはハンドルネーム、春爛漫さんから。『…出番が欲しいです…』と……だ、大丈夫だ!出番やチャンスはきっとある!諦めるな!諦めなければ、そのウチきっといい事あるから!と、いうわけで、今回の相談窓口はこれにて閉店!また次回~。」


来月は年末スペシャルを予定しています。w


…誰得?

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