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第5章 能力

第5章 能力


第1話 検出器


 鎮也達は、負の世界からムーへと戻っていた。


 アインは、相変わらず負の世界と行き来しているようだ。

アインは、画策していた。

「負の世界の検出器で、鎮也達の能力を測定できないだろうか?」


 式は、

『y=A(Pi+c)Q(2π×f)+B』

で、正しいようだ。

かなり、曖昧な部分があるが、それは負の世界でも解明できなかった。


 波には、1周期に極大値と極小値をとる時が一度ずつある。

中間値をとる時は、二度ある。

基本的には、「何らか」の関数の形態を持つ。

この「何らか」が、解らない。

 この波で攻撃する時、極大値で行えば効果100%だ。

 極小値で行えば、ほとんど効果ゼロだ。

極大値は、A(Pi+c)の部分だ。

Aは、物質の持つ宇宙定数だ。

iは、純虚数だ。

3次元座標軸の2つ以上の座標軸が正の時、

現出するエネルギーは「P+c×c」が予測される。

虚数世界では、「2×P×c」が予測される。

Pの詳細は、未だ不明だ。

「負の世界の検出器」では、「Pとc」の検出ができる。単位は、「p」だ。

「f」も検出ができる。単位は、「sHz」だ

「s」(波の固有速度¬)も検出ができる。単位は、「v」だ

「Q」は、近似解しかでない。

アインは、近似解を信じない。

精神と物質へ与える瞬間エネルギーは、y×sだ。


そして、測定は負の世界でしか行えない。


 アインは、一人一人を負の世界へ誘った。



第2話 測定値


 測定結果が出た。


「鎮也」 P=? p,c=? p,f=? sHz,s=? v

「未久」 P= 27p,c= 1p,f=? sHz,s=? v

「アイン」P=126p,c= 7p,f=? sHz,s=? v

「レオ」 P= 91p,c= 4p,f=? sHz,s=746v

「幸」 P= 26p,c= 1p,f=245sHz,s=445v

「新和」 P=422p,c=12p,f=? sHz,s=? v

「イワン」P=? p,c= 6p,f=127sHz,s= 45v

「サム」 P=787p,c= 3p,f=? sHz,s=? v

「ポセイ」P=578p,c= 7p,f=? sHz,s=? v

「マリヤ」P=311p,c= 3p,f=? sHz,s=? v

「アリス」P=264p,c= 5p,f=? sHz,s=? v


「サーラン」P=87p,c=1p,f=835sHz,s=621v


結果を見たアインは、がっかりした。

ほとんど測定不能だ。

メーターが降り切れてしまう。


 この世界の科学者達は、驚いた。

「ありえない」

この世界で、過去にこのメーターを振り切った者はいない。


 アインは、考えていた。

「この世界の測定器のメーターは1,000が最高だ。

もっと高い水準の測定器を作製しよう。

今、突然変異を起こしていないのは、鎮也・未久・レオ・幸だ。

突然変異を起こしていないのに、メーターを振り切る者がいるのは、何故だ」



第3話 再測定


 「未久」が、この虚数世界で能力が発揮できなかったのは、C=1のせいだ。

絶対的なパワーが、足りなかったのだ。

と、アインは推測した。


再測定の結果が出た。


「鎮也」 P=1,026p,c=11p,f= 3,246sHz,s= 3,426v

「未久」 P= 27p,c= 1p,f= 2,321sHz,s=10,423v

「アイン」P= 126p,c= 7p,f=34,876sHz,s= 2,754v

「レオ」 P= 91p,c= 4p,f= 1,876sHz,s= 746v

「幸」 P= 26p,c= 1p,f= 245sHz,s= 445v

「新和」 P= 422p,c=12p,f= 12,546sHz,s= 8,236v

「イワン」P=8,765p,c= 6p,f= 127sHz,s= 45v

「サム」 P= 787p,c= 3p,f= 9,423sHz,s= 7,623v

「ポセイ」P= 578p,c= 7p,f= 4,537sHz,s= 9,026v

「マリヤ」P= 311p,c= 3p,f= 3,625sHz,s= 1,234v

「アリス」P= 264p,c= 5p,f= 16,645sHz,s= 5,827v


「サーラン」P=87p,c=1p,f=835sHz,s=621v


測定できた事にアインは、満足していた。


アインの推測は続いた。



第4話 推測


 アインは、それぞれのパラメーターの意味付けをしていた。


物質世界で現出するエネルギー=「P+c×c」

虚数世界で現出するエネルギー=「2×P×c」


それぞれに、「v」を乗じたものが、エネルギーの極大絶対値だ。


 「v」は、攻撃のヒット率にも影響する。

 「f」は、素早さだ。

速度は、対象者によって変じられる。

素早さは、固有速度だ。

もちろん、それも対象者があれば変じられる。


 アインの興味を引いたのは、鎮也・未久・レオだ。

幸の数値が低いのは、納得できる。

彼女は、未だ、突然変異を起こしていないからだ。

他の3人は、突然変異を起こしていないのに、異常に数値が高い。

「謎だ」


 「f」の数値が高いのは、思考・感知・空間系統の者達だ。

これも納得できる。



第5話 系統(1)


 精神エネルギーには、系統があるようだ。

関数が、明らかになれば、それを証明できる。

だが、今その技術は、近似解止まりだ。

近似解を信じる事はできない。


 アインは、一人一人を考察した。


鎮也は、判断者だ。

思考系に属する。

だが、何故、思考系以外のパラメーターも異常に高いのだ?

彼は、未だ、突然変異を起こしていない。


 未久は、予知能力者だ。

感知系に属する。

彼女は、周波数と速度が異常に高い。

まず、納得の範囲だ。

彼女は、未だ、突然変異を起こしていない。


 アイン(自分だが)は、科学者だ。

思考系に属する。

彼は、突然変異を起こしている。

「物質の真理」を手に入れている。

思考系として周波数が高いのは、当然だ。


 レオは、立案者だ。

思考系に属する。

彼は、未だ、突然変異を起こしていない。

思考系として周波数が高いのは、当然かもしれない。


 幸は、浄化者だ。

感応系に属する。

彼女は、未だ、突然変異を起こしていない。

能力は未知数だ。


 新和は、結界者だ。

空間系に属する。

彼は、突然変異を起こしている。

強力で高速の結界を張る。

パワーではなく、周波数が高いのは、空間系の特質だろうか?



第6話 系統(2)


 イワンは、PKだ。

パワー系に属する。

彼は、未だ、突然変異を起こしていない。

能力は未知数だ。


 サムは、テレポーターだ。

空間系に属する。

彼は、突然変異を起こしている。

「異空間の通路」を記憶できる。


 ポセイは、裁定者だ。

彼の属する系が不明だ。

彼は、突然変異を起こしている。

高速で、『ケント』を操作する。

彼の速度が高いのは、実証済みだ。


 マリヤは、浄化者だ。

感応系に属する。

彼女は、突然変異を起こしている。

「妖精の力」を持っている。


 アリスは、感覚能力者だ。

感知系に属する。

彼女は、突然変異を起こしている。

「弱点検知」能力を得た。

威力を発揮した事はない。

予測では、極小値の位相値を読めるのだと思う。


サーランは、友だ。

彼は、一人で旅する覚醒者だった。

彼の仲間に覚醒者はいなかった。

彼は、突然変異を起こしていない。

彼は、指導者・科学者・テレポーター・強制暗示能力者と4つの能力を持っている。

思考系・空間系・感応系と多岐に渡る。

興味深いやつだ。

だが、数値は低い。



第7話 ブロック


 攻撃の能力値は、揃った。

関数は、当面「系統」で我慢しておこう。


 問題は、防御だった。

「全ての系統の攻撃に対処しなければならないのか?」

アインは、負の世界の科学者に訊ねた。

未だ、解明されていないと言う。

我々の本能と同じようなものなのか?

「えっ!

本能?」

 アインは、悩みだした。

隠れていた問題があった。

「本能」は、何に属するのだ。


 アインは、「本能」についての思考を止めた。

「今はブロックだ」


 同系統の者には、同系統の力で対処できるかもしれない。

だが、力に力で対応するのは危険だ。

それは、過去の経験で知っている。


 何か他の方法が、あるはずだ。



第8話 虚数発信器


 アインは、妨害波で対応してみる事にした。

そのためには、虚数を「正の世界」でも発信できる事が必要だ。

負の世界の科学者の協力で、「虚数発信器」ができた。


 実験するためには、人材が必要だ。

サムは逃げた。

「二度と嫌だ」


 マリヤが申し出た。

彼女は優しい。

とても優しい。

 マリヤが、「虚数発信器」を作動させ、アリスが感覚能力を使う。


 「虚数発信器」は、失敗だった。

威力が少ないのだ。(と思われる)

多少、アリスを困惑させたが、それは一瞬の事だった。


 『ケント』と「虚数発信器」を連動させて見た。

それも失敗だった。

ポセイが『ケント』を操作し出した。

『ケント』の能力が飛躍的に上がる。

「虚数発信器」が、期待通りに動いた。

アリスの能力を妨害できた。


 成功だ。


 しかし、それは『ケント』の力の及ぶ範囲でしか活用できない事を意味した。


 アインには、更なる探求が求められる。



第9話 ケント


 アインは、先日の実験で忘れている事に気付いた。

『ケント』を測定していない。

そして、この日から『ケント』の『』が外される。

一人の人格として認める事になった。

人工頭脳ではない。

友としてのケントがいた。


 測定結果が出た。

いや、出なかった。

測定器のメーターが振り切れた。

アインは、測定器の改造を行った。


 そして、驚くべき測定結果が出た。


P=8,765,316p

c=1817p

f= 5,483,116sHz

s= 425,196v


桁外れの数値だった。

そして、関数は厳密解を示した。

近似解ではない。

ほとんどcos()だった。


 やはり、アインの思っていた通りだった。

単純で、巨大。

誰かが導いてやらなければ、その巨大な能力を発揮できない。



第10話 命の泉


 誰かが言った。

「命の泉に行こう」


 反対する者はいなかった。


命の泉に行った。

「リーとロバートがいるかもしれない」

「感じれるかもしれない」


しかし、主は言う。

「彼らは、既に転生した」


 ムーに戻った。

アリスの能力が、皆の影響で上がっているようにさえ見える。

彼女は、探し当てた。

「中国と米国にいます」


 そこへ行った。

彼らは、未だ、目覚めていなかった。

未だ、1か月くらいの赤子だった。


その赤子達が言った。


「帰ってきたよ」


彼らには、そう聞こえた。



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