どんと。
傾向/エロ無し。
「あ、あ…」
どう、して?
「ごめん。」
葵のお兄さんが?
先輩?
俺は、一生を賭けても償えない罪を
犯したのに、先輩が謝ってるの?
「もっと、ちゃんと知ってほしかった。
俺、兄貴なんだ。
2年前に、事故死した、谷川 葵の。」
やだ、聞きたくない。
でも、聞かないと。
俺が、しちゃった事なんだから。
逃げたら、いけない。
「ごめ、なさいっ…」
葵は、みんなから好かれていて、
将来も有望な、必要な人間なのに。
俺みたいな、不必要な人間が、生き残ってしまって。
あの日以降、俺は、いじめられなくなった
蔑む様な視線を浴びるだけ。
ひたすら、きつかった。
罰を与えて欲しかった。
手首を切れば、俺は死ねる。
そう、考えた。
でも、いつも、直前で躊躇ってしまい、
切ることは出来なかった。
だから、勇気のいらない、断食を思いついた。栄養失調で、死ねると思った。
だけど、栄養失調で倒れてしまうことが
先で、保健室の先生に気づかれ
両親に知られ、専属の医者がついてしまい、食事を強制された。
食べる事を拒否してしまう体は、
食べても吐いてしまい、60kgに安定するまでに、医者は1年以上ついていた。
結局、死ねないまま、高校生になった。
そして、仲がいい(?)先輩は、
殺してしまった同級生のお兄さんで…
「いいよ…とは、言いにくい。ケド、
俺、さ、長瀬のこと、好きなんだ。」
え…?
何で?
「自分でも、変だし、すげぇ後ろめたさがある。でも、好きなんだ、長瀬のこと。」
俺は、俺は…
「俺っ…」
「好きだ、誠。」
どう、すればいい?
めちゃくちゃにするの、やめて…