第3話 デート? いやレベル上げです!
私はレベルアップしても、ほとんどステータスが上がらないらしい。
そして、最終目標は魔王討伐、強くなるには、美女達と関係値を深めて、ステータスをあげるしかない。
(どうしたら、私男の人が好きなのに……)
そんなことを考えているとアリシアさんから話しかけられる。
「それで、これからどうするんだ?冒険者は無理だとしても、……私の恋び……いや! ちがう、秘書として、雇うこともできるが」
「いえ、それはありがたいのですが、私にはやるべき事があるので」
訝しんだような顔で、アリシアさんは私に聞いてきた。
「ほう、それは何かな?」
「魔王退治です!!」
「「!?」」
私がそういうと、2人は凄い顔で迫ってくる。
「何を言ってる貴様は死ぬ気か!」
「そうですぞ、スライムも勝てないステータスクソ雑魚お嬢さんが、魔王退治など、スライムが砂漠を横断するような、自殺行為ですぞ」
何か私アリシアさんにも、神官さんにも、ボロクソに言われてる。
でも大丈夫私にはこのスキルがあるから。
「アリシアさん、私と友達になってくれませんか?」
「えっ! べ、別に構わないが、魔王退治などはやめて、私の秘書に」
アリシアとの関係値と好感度が上がりました
それにより、ステータス上昇。
【HP】 30→60
【MP】 20→50
【力】 12→65
【素早さ】8→40
【防御】 5→45
【魔力】 35→60
に上がりました
あれ? 賢さは上がらないんだ。
「賢さはIQみたいな物で、知識量や経験によって上がる物だからね」
女神が解説を入れてきた、周りの二人の反応を見るに、私にしかこの声は聞こえないみたいだ。
「なんと!! なぜステータスが一気に上がりましたぞ!?」
「アリシアさん、これが私が神様から貰ったスキル【愛】です。
人の関係値や好感度を上げるほど、強くなれるんです。これなら魔王退治もできるでしょ?」
「確かに強いスキルだ、それなら心配は……」
そう答えようとしたが、その時アリシアの脳裏に最悪の未来が浮かんだ。
(待て、よくよく考えれば、関係値、好感度それは由里が恋人をつければ、すぐに強くなる、それはつまり……)
「由里、今日も可愛いね」
「ありがとう、ーーー君」
「愛してるよ、由里♡」
「私もだよ♡」
そうして二人の唇が近づき。
(あぁーーー!!それは絶対嫌だ、それなら)
「わかった、私もパーティに加えてくれ!」
「急にどうして!? ありがたいのですが、騎士のお仕事とか平気ですか?」
「クッ、確かにそうだが……わかったなら、一時的でいいからパーティに加えてくれ。
それならこの街で多少の融通も効くから便利だろう」
騎士アリシアがパーティに加わった。
その直後に、また女神が話しかけてきた。
「ちなみに、一回教会に来れば、いつでもステータスは見れるし。
パーティメンバーはいつでもステータス確認できるわよ」
何それ便利!
てことで、ちょうど仲間になったアリシアさんのステータスを確認っと。
名前 アリシア
Lv 8
種族 人間(騎士)
年齢 20
身長 171
固有スキル【カリスマ】
無条件で話す人に信用される、人を統率する事ができる。
通常スキル【騎士の号令】
パーティーに指示を出せる、ド○クエのガンガン行こうぜ的なあれ。
声に出さずに、一斉に命令を出せるから、敵に作戦がバレないというメリットがある
通常ステータス
【HP】200
【MP】80
【力】120
【素早さ】20
【防御】100
【魔力】30
【賢さ】50
(強い、平均ステータス高いな)
当たり前だけど、流石騎士だな。
それにスキルもかなり集団行動向きのスキルだし、私と違って社交性高そう。
「それで、これからどうするんだ?魔王討伐といっても、旅の準備や諸々やることはあるぞ。
後冒険者ギルドに登録しないと、クエストも受けられないし、入れない地域もあるし」
「そうですね、まずはお決まりの、冒険者ギルドに登録からしましょう」
数分後
「では、登録料500ゴールドお支払いください」
「……へ?」
なんとも、間抜けな声が私から出た、そうだなんでも無料なわけがない。
だがこの世界に来たばかりの私は、当たり前だがお金なんて持ってない。
てかあの女神、最初の身分証とかもそうだけど、諸々適当すぎじゃない?
そんなことを考えているとアリシアさんが私の前に出た。
「ここは私がだそう」
「え?……いいです、悪いですよ!!」
そんな、身分証やら、教会のことやら、いろいろ面倒見てもらってその上、お金まで払って貰うなんて、いくらなんでも面の皮が厚すぎる。
「気にするな、仕事上金ならある」
「もってる、もってないの問題じゃないです。
私が嫌なんですよ、そんな頼ってばっかなんて、私は助けて貰うだけじゃなくて、アリシアさんと対等な関係になりたいんです」
(なんて謙虚な奴だ! それに私と対等な関係になりたいだなんて、そんなこと言われたら)
アリシアの好感度が上がりました。
アリシアとの好感度が上がりました
それにより、ステータス上昇。
【HP】60→70
【MP】50→60
【力】65→80
【素早さ】40→45
【防御】45→50
【魔力】60→70
【好感度】60→70
由里はスキルポイントを3獲得しました。
あっ、今アリシアさんキュンとしたな。
てかこんな簡単に好感度上がるって。
【美女にモテモテ】なんか人の心操ってるみたいで、なんかいやだな
「大丈夫よそのスキルは一目惚れされるだけで、そこから上がる好感度はあなたの実力よ。
だから逆に好感度が下がる場合あるから、気をつけてね」
なるほど、逆に嫌われれば、ステータスが下がって危険になる可能性もあるのか。
「わかった、なら私の元で働かないか? それで給料を出そう、それなら文句ないはずだ。
仕事内容は私の仕事のサポートでいい。
周辺の村の見回り、トラブルがないかを確認、あればそれを記録、そしたら私にそれを報告してくれ」
「勿論お願いします。一生懸命お仕事頑張ります」
アリシアさん、こんなに私を助けてくれるなんてなんていい人なんだろう。
それに顔もカッコよくてなんだかドキドキ……って! してない、してない私は男の人が好きでそんな気はないはず。
由里のアリシアに対しての好感度が上がりました。
それにより、アリシアのステータスが上がりました。
【HP】200→220
【MP】80→100
【力】120→135
【素早さ】20→20
【防御】100 →120
【魔力】30→30
【好感度】50→70
アリシアはスキルポイントを2獲得しました。
女神リリアンはその様子を見逃してはいなかった。
(めっちゃドキドキしとるんやんけ。
大体気持ちは、ステータスの上がり具合でわかっちゃうけど、これ言うと怒りそうだし、無自覚ぽくて面白いから、黙っとこ)
それから、しばらくして。
「最初の仕事は近くの村に大量に湧いた、スライムの退治だ。
今の由里のステータスなら、問題ないと思うが、何かあったらすぐ言ってくれ。
私のスキル【騎士の号令】で脳内に直接会話が出来る」
「わかりました、頑張ります」
その後は特に問題もなく、スライムを退治した。
この世界のスライムは可愛くなく、本当にただの動くスライムだ。
経験値も対して落とさないし、ひたすら体当たりをしてきて、正直痛くはないが、うざい。
しかも髪につくとなかなか取れないおまけつき。
ステータスの上がらない、虚しいレベルアップをし50匹ほど狩り終わり、レベル5に上がると、異変が訪れた。
おめでとうございます
由里のレベルが4→5に上がりました。
それにより魔法、【自己再生】を覚えました。
【自己再生】必要MP 20
自分のHPをジワジワと回復できる、また魔力が高いほど、回復速度が上がる。
*効果時間は一回の使用で1時間
[この魔法を解放するにはスキルポイント30必要です]
なにこれ?
魔法覚えてもすぐには使えないの?
そんな事を疑問に思っているとまた、女神が嬉々とした声で話しかけてくる。
「まってました!私の解説の出番ね。
そうこの世界はレベルを上げると、その人の個性に合った魔法を覚えるわ。
けどすぐには使えず、使えるようにするにはスキルポイントで解放するわ。
スキルポイントは基本レベルアップでしか貰えないけど、あなたのスキルなら、キュンとさせるたびに、手に入るわよ」
なるほど、ゲームみたいで面白い。
育成要素が好きな私にはうってつけな世界だな。そう考えていると、遠くからアリシアさんの声が聞こえてきた。
「由里そっちは終わったみたいだな、ほう、レベル5になったか。
ステータス変動が低い分、レベルアップに必要な経験値も少ないみたいだな。
さてこの仕事は終わりだな、次の仕事に行くか」
その後も、アリシアさんと、街のいろんな所を周り仕事した。
綺麗な川や、流行りのお店など、いろんな所をでもまるでこれって。
「デートみたいですね、」
女神がニヤニヤしてそうな声色で、茶々を入れてきた。
(いや、これは違くて、私はそんな気はないよ!!)
「その割にはアリシアちゃんのステータス上がってるよ。
このスキルって双方の好感度によってステータス変動するんだよね、つまり?」
「いや、違うからね!……そうこれは、デートじゃなくて、強くなる為のレベル上げだから。
決してドキドキしてなんか、ない……から」
「まぁそう思うことにしときますよ」
「ほっ、本当に違うからね〜!!」