第2話 Sランクスキル 獲得?
目が覚める、私は見知らぬ土地にいた。そっか私、転生したんだ。
私は急いで、近くの湖の水面に写った、自分の姿を見た。
「び……美少女! 素晴らしい、自分で惚れそうなくらい、可愛い」
水面に写った私は、少し髪にはねがある金髪のショートボブに瑠璃色の瞳。
張りのある肌、シンプルながら、誰からも愛されそうな可愛い見た目だ。
でも何処かあの女神にも似てるような……まっ、いっか私が転生する前に貰ったスキルとこの美貌で異世界を謳歌してやる。
しばらく歩いて、ふと気づいた。
「待って! 私この世界の土地勘ないし、何処に行けばいいか、わかんないんだけど」
やばい、やばい、こんな草原うろうろしてたら、野良モンスターにすぐやられる、どうすれば、スタートから詰みなんて最悪だよ。
「大丈夫よ」
「その声は女神様!!」
「この世界のシステムや、向かう場所は、私が案内するわ、とりあえずこのマーカーに沿って進んみなさい。
そしたら教会があるからそこで自分ステータスとスキルを鑑定して貰えるわよ。後仕事とかもギルドで受注できるし」
女神がそういうと、私の目の前にゲームとかでよく出てくるマーカーが現れた。
本当にゲームの世界みたいだ。
マーカーに沿って歩いていると街道に出た、街の入り口には、衛兵が立っていた。
「そこの方、身分証や通行許可証をお持ちですか?」
勿論、私はそんな物持ってるわけない。
でも大丈夫、なぜなら私には固有スキルの「美女でモテモテ」があるから。
幸い衛兵は男、私の可愛さなら通して貰えるはずだ。
「あの〜すいません、私ここのことよく知らなくて。どっちも持ってないんですよ、でもどうしても、中に入らないといけないんですよ。お願いします通して貰えませんか〜?」
私はぶりっ子100%可愛さあざとさマシマシで挑む。
(どうだこの可愛さなら、通れるでしょ)
「何を言ってる貴様は、来い怪しいやつめ、牢にぶち込んでやる」
(えぇ〜!なんで、なんで効かないの!?)
モテモテスキルは?まずい、スタートから牢屋生活とかやだよ。
「全く、なんの騒ぎだ」
低く、それでいて透き通った力強い女性の声が聞こえた。
「アリシア殿、怪しい者がいたので牢に入れようかと」
(なんか騎士みたいな、怖いお姉さんも出てきたんだけど)
どうしよう大事になってきた。
「おい、そこの女顔を見せろ……」
アリシアと呼ばれた騎士さんは、私を睨みつけるように見ると。私の目をみて数秒フリーズしたのち。
ハッとしたような顔をして、こう言い放った。
「この者はわたしが預かろう」
「アリシア殿が監視しているなら安心ですな、では頼みます」
えっ?なんで、正直衛兵さんよりもこういう、宝塚系の厳しそうな女性の方が苦手なんだけど。
「ついてこい、名前は?」
「由里です」
私が名乗ると、アリシアと呼ばれた女性は爽やかな笑顔で応えた。
「由里か、いい名前だな。私はアリシアよろしく頼む。
通行許可証と身分証なら、私が作るのを手伝ってやろう」
さっきまでの、厳しそうな表情と声とは裏腹に、今はとても優しい表情と声をしている。
まるで恋人にするような。てか、なんで見ず知らずの私をここまで、助けてくれるんだ?
普通なら私、怪しいやつ判定で、なんの確認もせず身分証なんて作らせないでしょ。
いくらなんでも都合が良すぎる。
「ここが役所だ、この紙を見せれば手続きには時間はかからん、わたしは外で待っている」
「アリシアさん、何から何までありがとう、ございます」
役所の中に入るとすごい行列だ。あっちのカウンターは8時間待ちとか書いてるし。
「あのー? すいません身分証と、通行許可証を作る手続きしたいですが」
私は明らかに機嫌が悪そうな職員に話しかける。
でも仕方ないこの人しか手が空いてそうな人がいないから。
「あんたさぁ、この混み具合見えないの? こっちも暇じゃないの待ってて」
女は爪をヤスリで削りながら悪態をつく。
「でも、これ」
露骨に態度が悪い職員に、私はアリシアさんから貰った紙を見せると。
役所の女職員は、だんだん青い顔になっていき。
「申し訳ございませんでした!! すぐに手続きさせて貰います、だからアリシア様にはどうか、このことは内密に」
よくわからないまま、手続きは10分ちょっとで終わった。
アリシアさん、あなた一体、何を私に渡したんだ。
外に出ると、アリシアさんがすぐに寄ってきた。
「終わったか……そうだ、お腹は減ってないか?何かご馳走しよう」
「いえ、そんな! ここまでして貰ったのに、ご飯まで貰うなんて悪いですよ。
それよりも教会に行きたいんです、何処にあるかしりませんか?」
「教会か……ああ、ならちょうどいい。私も用があったから案内してやろう。街の中心部にある」
アリシアさんはそれだけ言うと、さりげなく私の腕を取ってきた。
「えっ?手を……」
「人混みで迷子になるといけないからな」
「え、あ、はい……」
さっきまで騎士らしくキリッとしてたくせに、今は何この優しさと距離感!?
私は内心バクバクしながら、アリシアさんに連れられ、街の中を歩いていった。
教会に着くと神官らしい人が話しかけてきた。
「ようこそお越しくださいました。
みた所ここにくるのは初めてのようですね、ステータスの鑑定をご希望ですか?」
「そうです、お願いします」
私がそういうとすぐにステータス鑑定が始まった。
名前:由里
Lv 1
種族 人間(転生者)
年齢:18歳
固有スキル【美女にモテモテ】
・魅了効果を美女限定で発揮する。対象は所持者に対し、恋愛感情を抱きやすくなる。
・恋愛対象強制固定(副作用):自らの恋愛対象が女性に限定される。また、男性には異常なほど拒絶される
通常スキル 「なし」
基礎ステータス
【HP】30
【 MP 】:20
【力】12
【素早さ】8
【防御】5
【魔力】35
【賢さ】80
「なるほどこれが私のステータス、それで私のステータスって、強いんですか?」
「……言いにくいのですが、あなたのステータスは……平均よりかなり下です、スライムに小突かれれば瀕死になるレベルです」
まじか、ほんとにあの最初の野原でモンスターに遭遇してたら死んでたじゃん。
(あの女神適当すぎない!?)
「ならレベルアップすればなんとか」
「いえ、成長率もわかるのですが、なんとあなたはレベルを10上げて、やっとステータスが1上がるかどうかの成長率でした」
私が落ち込んでると思ったのか、神官は慰めるように話を続けた。
「まぁ、落ち込まないでください、冒険者は無理でも他に道はあります。そしてステータスとスキルについての説明をします」
神官から説明されたステータスは予想通り、ほぼド○クエと同じだった。
だが魔法の威力は賢さではなく、魔力に直結するらしく、魔力が高ければ高いほど、スキルの出力が上がるらしい。
攻撃以外のサポート系も含めて。
神官が言うには。
「MPが容器に入ってる水の量で、魔力がその水を出すための水圧の高さです。
いくら水が無限にあっても、その水圧が弱ければ水は消せません、逆もまたしかりです」
そしてこの世界には、固有スキルと通常スキルがあるらしい。
固有スキルは、生まれつき持ってる才能のような物。
通常スキルは努力で手に入れる後天性の物らしい。
またスキルはスキルポイントを使う事でより高められるらしい。
スキルポイントはレベルアップ時に手に入るそうだ。
まじか、でも大丈夫、なんたって私には
【美女でモテモテ】っていう能力がある戦えなくても、平気。
「あの〜すいません、」
(あっ!女神様どうかしました?)
「本当に悪いんだけど、言わないと行けない事がございまして」
「なにかありましたか? ステータスの事なら別に怒ってませんよ。なんたって私には【美女でモテモテ】がありますから」
女神は数秒黙ると罰が悪そうに言った。
「いや違くて、そのスキルよく見てください」
【美女”に“モテモテ】……?
美女“で”モテモテじゃなくて。
美女にモテモテ?
しかも恋愛対象、女性限定にされるって!?
「本当にごめん!! 間違って固有スキルの欄、美女にモテモテって書いちゃったの」
「え? 普通にどうしてくれるの!?
通りで、おかしいと思ったよ。アリシアさんいきなり、めちゃくちゃ優しくなったし。今からスキル修正できないの?」
「それができたら、とっくにやってるよ。
固有スキルは身体に刻まれた物、一度つけたら最後、外せないんだよ。
そうだ魔王討伐したら願い叶えるって言ったよね、その願いで、今度こそ夢を叶えなよ」
何を言ってるんだ、この駄女神は。
「スライムに小突かれたら死ぬ私に、魔王退治が出来ると? ただでさえ、今冒険者は諦めろって言われたのに?」
「わかった、じゃあ通常スキルはついてないから。ランダムでSランクスキル付与するよ。
もしかしたら、魔王も退治できるくらい、いいスキルが出るかも」
何処からか、ドラムロールとラッパのような音が鳴り響き、私の身体が光に包まれた。
「これはなんだ!?」
その音にアリシアさんは驚き腰の鞘に手を当てていた。
「神様が加護をくださったんだ、これは滅多に見れませんぞ!」
そして、光が収まると私のステータスに通常スキルが追加されていた。
Sランクスキル:【愛】
仲間の好感度が上がるほど、両者のステータスが上がり、相手をキュンとさせると、スキルポイントが手に入る。
また関係地が進めば進むほど、特殊効果与。
スキルレベル2で追加効果
【魅惑の囁き】を解放
確かに、強いでも待って。
恋愛対象女性限定で、このスキルってことはつまり。
私女の子とイチャイチャしないと強くなれないの〜!?