第2の試練
「さて…諸君!昨日はよく眠れたかね?本日は第二の試練を行いたいと思う。試練の内容は…」
「この大草原の中で、この青い宝石を見つけることだ!!!」
なんだ?あの宝石?ちょっと調べてみるか。
「第2位階魔法 ジャッチメント(鑑定)」
周りに聞こえないように小さい声でそう言うと、説明が見えた。
…魔物の体内から産出される魔石。
…まじかよ。これ…死人出るんじゃね?
「…少なくとも1時間経つまでは教えるんじゃないぞ?」
Xの声が耳元で聞こえた。
Xの方へ視線をやるとこちらを見つめ、口だけを動かしてこう言った。
わ・す・れ・る・な
昨日の約束を忘れるなってことね。
心配しなくても忘れねぇよ。
「勿論ここには、モンスターもいる。死なないようにここに各自の装備品を置いておく。あぁ、それと大輝くんの分はない。こんなもの要らないだろうからな。」
「どうやって探すって…」
「それじゃ、スタートー!」
けたたましいサイレンの音と共に第二の試練が始まった。其々自分に合った装備品と武器を持って、出かけていった。
確かにさっきの魔石は魔物の体内にあるけど、そいつらは弱い魔物だが、それでも魔物だ。そこいらの野生動物とはわけが違う。
それに全ての魔物から同じ魔石がでてくるとは限らないそうだ。
すると直ぐに死亡確認の連絡が響いた。それからも次々にその連絡が響いていく。
俺は予定されている1時間が経過するまで、草原の上をゴロゴロしながらのんびりしていた。
「なぁ…?冴島、この試練とうすれば良いのかな?」
そんな俺に話しかけてきたのは、俺が唯一と言っていいほど仲の良い友人、山本大輝だ。
「闇雲に探してたら殺されまくって終わりだろうな。まぁ、制限時間があるわけでもないし、それはそれで良いかもだけど。」
「お前のことだ。どうすればクリアできるかもう知ってんじゃないのか?」
「知ってるけど?」
「なら…」
「お前に教えるのは別にいいけど。その代わりに俺に何してくれんの?」
「なら…俺達はお前の指示に従う。お前の指揮下に入るってのはどうだ?」
「俺達?」
俺は寝転んだ状態から体を起こすとそこには山本の仲の良い男子友達が8人いた。
「契約魔法を交わすってんならいいぜ?」
「なんだそれ?」
「俺を裏切ったら死ぬ契約。ただし、契約を交わしたら、お前らも俺のそばでのんびりできる。俺はおそらくチートキャラだからな。苦労することなく、試練を突破できる。」
「裏切るって?」
「俺の指示を無視したり、俺に無断で情報を他の奴らにリークしたりすることだな。それをしないって約束できるなら仲間に入れてやるよ。」
「お前ら…良いよな?よし、その条件飲むぜ。」
「なら…契約を行うか。」