表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
38/41

愛してる

中の男達の下に組み敷かれるように裕之を見つけると男の顔を蹴り付けていた。

不意打ちのように蹴り付けられた男はそのまま昏倒し、もう一人も逃げよう

とする前に殴りつけていた。


縛られた縄を解くと泣き腫らして震える裕之を強く抱きしめると衣服を整え

すぐにそこを離れた。

とにかく安全な場所へと思い保健室へときた。


手首には縄で縛られた跡がくっきりと残っており、何をされそうになってい

たのかが容易に想像できた。


 隆盛 「ひろ…もう大丈夫だから」

 裕之 「…りゅ…う…」

 隆盛 「大丈夫、大丈夫だから。落ち着くまでここにいるから」

 裕之 「うん…」


保健室は先生が留守なのか誰もいなかった。

傷の処置をすると、落ち着くまで抱きしめていたのだった。


裕之の鞄を取ってくると言うと、保健室のベッドに横に寝かせた。

きっと体に無理をさせたのだろう。そっと揺すって起こそうとすると目を

覚ました裕之が隆盛を見て抱きついてきた。


 隆盛 「ひろ、送ってくから帰ろうか?」

 裕之 「怖かった…痛くて気持ち悪くて…もうだめかと思った…」


涙が自然と流れ出す。

怖かったのだろう?やはり男に迫られ、犯されるというのはそれほど屈辱的な

事なのだ。それを隆盛は裕之に迫ろうとしている事を思い返すと、後ろめたく

感じた。


 隆盛 「俺さ、ひろが嫌なら付き合うのやめるか?」

 裕之 「違うっ!りゅうなら平気だから…キスしてても身体に触れられた時

     もいつもドキドキしてて…やっぱり僕はりゅうが好きなんだなって

     思った…りゅうだけだから…!」

 隆盛 「ひろ…本当に?なんか…嬉しい…キスしてもいいよな?」

 裕之 「聞くなよ…ばかっ…」


照れ隠しのようにそっぽ向く裕之を自分の方へと向かせると唇を重ねた。

舌を挿し入れそのままゆっくりと蹂躙する。


 裕之 「ふぁっ…んっ!んんっ…っ…」


くぐもった甘い吐息に混じって声が漏れる。

麻薬のような甘い声に夢中になっていた。


 裕之 「帰りたくない…」

 隆盛 「じゃ〜家来るか?」

 裕之 「うん。今日は一緒に寝よう」


裕之の言葉にそのままここで、襲いたくなってしまう。

本人はわかっていってるのかが、不安ではあるが今日はちゃんと寝れるだ

ろうかという不安に駆られた。


部活の方はあれから帰ってこない隆盛を心配はしていたが、帰りに荷物が

なくなっていた事で先に帰ったのだと判断したらしい。

先生からの着信も電源を切って無視した。

家に着くと一緒にお風呂に入ってベッドに潜り込んだ。


隣に温かい温もりを感じながら眠るのが、こんなに心地よいモノだとは思わ

なかった。

朝起きると、隆盛の顔を見ていられなくて恥ずかしくなった。


 隆盛 「おはよう」

 裕之 「お…おはよっ。」

 隆盛 「平気?昨日は…あんな事があったし…やっぱり傷になってる?」

 裕之 「このくらい平気…ちょっと擦りむいただけだし。それに…りゅう

     が来てくれたから…」

 隆盛 「ひろ…いいか?」


起きたはなからベッドへと縫いつけた。

縄で擦れて赤くなっている腕にキスを落とすと首筋にも痕を残していく。


 裕之 「目立つところはちょっと…」

 隆盛 「大丈夫。誰も見ないって…俺のだって印付けさせて…」

 裕之 「りゅ…うっ…まってっ!…あっ…んあっ…くすぐったい」

 隆盛 「昨日は倉庫でひろを見つけた時、すっげー痛かった。もう、

     絶対にあんな事させないから。」

 裕之 「うん…でも、無理しないで…僕は平気だから…」


あんなに震えていた裕之をほっとけなかった。


 隆盛 「高校卒業したらさ、一緒に暮らさないか?」

 裕之 「えっ…それって…」

 隆盛 「うん、同棲しよう。ペアリングも買ってさ。絶対にスポーツ

     推薦取るからさ。そうすれば奨学金も出るしずっと一緒にい

     られるからさ」


返事がない裕之を覗き込むと耳まで真っ赤になって驚いていた。

まだ早かったかと思ったが、この反応には嬉しかった。

昼には裕之を家に送ると、春花が出てきて家に招かれて今、裕之の部屋

にいる。


 春花 「あら、隆盛くん、上がっていきなさいよ!あとでお菓子と

     ジュース持ってくわね。」

 隆盛 「いえ、送ってきただけなんで…」

 春花 「遠慮しないで。ほらっ!裕之も誘いなさいよ!」

 裕之 「えーっと…りゅう上がってく?」

 隆盛 「あ、うん。」


さっきまで戯れあっていたのもあってか、少し恥ずかしくてぎくしゃく

していた。

本気なのか、後一年して卒業したら同棲なんて、考えてもいなかった。

ずっと一緒にいられる。ずっと一緒に寝てお風呂も入って…。

と想像すると、余計に恥ずかしくてなにも言えなくなってしまった。


 (なんで、僕こんな想像してんるんだよ!朝からおかしいかも…

  りゅうはどこまで本気なんだろう?)


 隆盛 「来週さ〜、なにか欲しいものあるか?」

 裕之 「なんで?何かあったっけ?」

 隆盛 「俺達が付き合う事になって一年記念日」

 裕之 「あーそっか、そんなになるんだ〜。友達としてもう何年だっけ?」

 隆盛 「小学校からだから、10年くらいになるのか〜懐かしいな〜。最初

     に可愛い子がいるなって思って話しかけたんだけどな!」

 裕之 「そうなの?隣にはるもいたじゃん。」

 隆盛 「そうそう、はると仲良さそうなのが嫌でさ。俺もって思って…」

 裕之 「初めて聞いたかも…」

 隆盛 「うん、初めて話したかも?でも、一目惚れは事実だ。」


照れ隠しで裕之は隆盛にキスをした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ