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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
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負け試合がどうした!

サッカーの試合が始まると、誰も観客の事など気にする事はなくなる。

全員の目線が眼前の試合に釘付けになった。

厳しい試合だとは聞いていたが、どちらもなかなか得点が入らない。

高校生の試合とは思えないくらい白熱した試合となって、誰もが注目

する事となった。


 晴翔 「なんかスッゲー悔しいよな〜」

 裕之 「まぁ、仕方ないんじゃない?」

 晴翔 「でもよ!りゅうのせっかくの得点がさ〜」

 裕之 「僕は、負けてないって思うけど?」

 晴翔 「来年は絶対勝ってくれるさ!」


1対1が続いて最後のコーナーキックからのゴールを決められてしまい

逆転を許してしまい最期、負けてしまったのだった。

反省会という事で、隆盛はチームメイトと一緒に帰ってしまった。


 晴翔 「ちゃんとりゅうの手綱握っておけよ!女子のファンがこれ

     から騒ぎたてると思うけど、りゅうはひろのモノなんだか

     らさ!」

 裕之 「モノって…。ただ付き合ってるってだけだし…僕達ってこ

     のままでいいのかな?結婚もできないし、子供だって…」

 晴翔 「自身持てって!ひろは誰より可愛いし、りゅうの心を掴ん

     でるんだから。それに、結婚なんて自分達ですればいい

     じゃん?俺やおねーさん達は認めてるんだし。それだけ

     じゃダメか?」

 裕之 「うんん。そんな事ない。今は、考えても仕方ないか…」

 晴翔 「自分の気持ちに素直に生きればいいんだよ!」

 裕之 「そうだね。はる、ありがとう。元気でた。」

 晴翔 「そりゃどーも。あとでりゅうにメッセージ送ってやれよ!」

 裕之 「うん、そうする。ここでいいよ。」

 晴翔 「いや、りゅうがいない時は俺が家まで送ってくよ。」

 裕之 「僕、これでも男だから〜平気だって」

 

反論しようにも数回拉致られた事で信じてもらえず、家まで晴翔が付いて

来てくれた。


 晴翔 「じゃーな!」

 裕之 「うん、ありがとう。またね!」


手を振って晴翔の後ろ姿を見送ると家へと入った。


 春花 「裕之おかえりー。試合どうだった?」

 裕之 「今回の相手って去年の優勝校だからね。一点差で負けちゃった。

     ラストまで同点だったんだよ!りゅうめっちゃ活躍したんだ〜」

 春花 「よかったわね。あとで電話してあげなよ!」

 裕之 「ねーちゃんまで…わかってるって。今は反省会してるはずだから

     夜にかけるよ」

 春花 「お風呂早く入っちゃいなさいね!」

 裕之 「うん、わかった〜」


姉の春花はいつも隆盛との仲を応援してくれる。

最初に同性に告られた事も、紹介した時も何気なくフォローしてくれて、決し

て反対などしなかった。

それは腐女子であるという理由を除いても人間として偏見を持たずに見てくれ

るからに過ぎなかった。

親にはまだ言えない。

もし、反対されたらどうしようという考えがよぎるとどうしても、言うことが

できなかった。

湯に浸かると目を閉じて考えても何も浮かばない。

今は、まだその時ではないと思うと、これ以上進展するのが怖くなってきた。

今でも隆盛のことが好きで、最初告白された時は驚いたけど。

それでも抱きしめられるとすっごくドキドキするし、キスでさえもっとしたい

と思ってしまう。

悩みながら浸かっていると、のぼせたのかふらふらしながら湯から上がった。

部屋へといくとベッドに寝転がった。


キッチンでは、母が夜食を用意していた。


 春花 「あ、お母さん珍しいね。」

 母  「裕之、なんだか疲れてそうだし、ご飯食べてないでしょ?」

 春花 「あー。そうね、持って行こうか?」

 母  「そう?じゃ、任せるわ。」

 春花 「そういえばこの前の新刊見る?」

 母  「見る見る。即完売したんでしょ?あんた絵は上手いからいいわよね」

 春花 「お母さんの持ってる小説結構グロいもんね。もしさ、裕之に恋人で

     きたら祝ってあげてね」

 母  「なに?恋人できたの?」

 春花 「それもかっこいい男性?」

 母  「あららーいいわね。お赤飯炊かなきゃ!」

 春花 「あははっ、さすが私のお母さんだわ。でも、本人が言うまで黙って

     てね。きっと言うのに勇気がいる事だから。」

 母  「わかったわ。でも、どうしましょ?お父さんは反対するかも…?」

 春花 「そこはうちらでねじ伏せよう!」

 母  「それもそうね。よく来る隆盛くんだったりしてね」

 

直感のいい母だった。

しかし、母も完全な腐女子であったので、偏見など微塵もなかった。

もちろん美桜の母も春花の母とは同級生だったため、腐女子である。


コンコンッ、コンコンッ。


 春花 「起きてる?」


声をかけて中に入ると、ベッドにうつ伏せで眠りこけていた。

揺すって起こすと、夜食を渡した。


 裕之 「んーーー?」

 春花 「夜食あるけど、食べれそう?」

 裕之 「んーーーいつ寝たんだろう…うん、食べる」

 春花 「机の上に置いておくわよ。片付けはいいからちゃんと食べ

     なさいね」


返事を返してさっさと平らげるとキッチンに置きに行った。

時間は12時を回っていた、流石に迷惑だろうかと悩みながら隆盛へと

電話をかけた。


 裕之 「りゅう?あのね…」

 隆盛 『家の前まで来たんだが…ごめん、帰るよ』

 裕之 「え!!ちょっとまってて、すぐ降りるから」

 隆盛 『ひろ…』


すぐに入り口にドアが開くと、裕之が出てきた。


 裕之 「入って。ここじゃ寒いでしょ?」

 隆盛 「うん、すっごく会いたかった…」

 裕之 「うん、僕も。」


親が寝ているという事で静かに入ると二階の裕之の部屋へと誘った。

もこもこの部屋着姿の裕之に少し戸惑ってしまう。

それから朝まで二人で過ごした。


隣の部屋では聞き耳を立ててすたんばっている春花がいたが、朝まで

ずっと聞いていて寝不足になっているとは今の彼等には知るよしもなかった。





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