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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
29/41

コミケと体育祭

楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、帰る時間がやって来て

しまった。

海に別れを告げて、帰りの電車に乗り込んだ。

目の前で眠る弟を眺め、感服の笑みを浮かべていた。


 美桜 「これってさ、もうちょっと肩に寄りかかってくれない

     かな?」

 春花 「そうよね〜、ヨイショっと。うん、上出来きじゃん」


眠る裕之の体勢を隆盛の方へと押しやってみる。

すると、隆盛の肩に顔を擦り付けるように倒れるとそのまますやすや

と眠っている。

写メを忘れずに構える3人は微笑ましくて、寝てしまうのはもったい

無いくらいだった。

いつまでもこのほのぼのとした空気を見ていたかった。


 春花 「やっぱり良いわね。」

 美桜 「チキンだけど、こうやって見てるともうヤっちゃってる感

     あるよね〜」

 晴翔 「先生方〜。来週のコミケどうですか?」

 春花 「もちろん間に合わせるわ」

 美桜 「原稿落としたりなんかしないわ」

 晴翔 「おーー!絶対に行きますね!」


コミックマーケット、通称コミケは来週にまで差し迫っていた。

サークル名『オヤジ』として二人は活動中である。

今はもっぱら恋愛学園の玉×清が中心で、今回はリアル清春の生写真を

つける予定である。

それはこの前撮った裕之のコスプレ写真だった。

あまりにもピッタリ役にあっていたので、大きく引き伸ばしてバックに

飾る予定だ。

裕之はそんな事知らないので、姉達の独断である。

最寄り駅に着くと、姉達は早々に先に帰ってしまった。


 裕之 「あれ?ねーちゃん何か慌てて行っちゃった…?」

 晴翔 「あー。忙しいからね。さーて俺たちも帰るか!りゅうはひろを

     送ってくんだろ?」

 隆盛 「あぁ、ひろ行くぞ」

 裕之 「りゅうも疲れてるでしょ?いいよ、自分で帰れるから…」

 隆盛 「いや、これは俺の自己満足だから気にするな!」

 晴翔 「まぁ、気をつけてな!じゃーまたな!」

 裕之 「うん。またね。」

 隆盛 「おう、じゃーな!」


のんびりと裕之の家の方に歩くと、すぐについてしまいそうで、まだ一緒

にいたい隆盛にとっては裕之を抱き寄せた。が、すぐに裕之によって止め

られた。

 

 裕之 「ここ、外だから…」

 隆盛 「あっ…そうだったな。じゃー。帰るわ」

 裕之 「りゅう…あのさ、上がってく?」

 隆盛 「いや、今日は遠慮しておくよ。なんかひろの事襲いそうだし」

 裕之 「なっ…襲うって…」

 

裕之の頭を撫でるとそのまま帰っていった。

隆盛が帰った後も裕之は部屋で隆盛の言葉を思い出しながら赤くなって

いた。


 裕之 「いっそ、襲ってくれた方がいいのに…」


まだ、隆盛を受け入れられるか不安だが、どうしても自分からおねだり

できなくて、いっそ隆盛になら襲われてもいいかもとさえ思って来てい

た。

あの時に見た本の中の清春みたいに気持ちいいのだろうか?

痛みはないのだろうか?

悶々と考えても答えは一向にでない。

また、明日会いに行けばいいと思いながら眠りについた。


晴翔と隆盛と裕之はその後も家にお邪魔しては宿題や課題を終わらせな

がら、ゲームをやったりと休みを堪能した。

あっという間にコミケ当日、姉達のブースは生清春をバックに貼ったおか

げか即座に完売した。

昼には売り切れて、撤収作業に入った。


 晴翔 「あーーー!もう終わってる!!」

 美桜 「遅かったな〜。今日はこれのおかげで早かったわ」

 春花 「今度も裕之にコスさせようかしらね」

 晴翔 「マジか〜!まだ買ってないのにー!」

 春花 「そう言うと思って一冊残しておいたよ!」

 晴翔 「マジっすか!アザーっす!買います!」

 美桜 「これからも学校での情報頼むぞ晴翔くん!」

 晴翔 「了解っす!」


こうして無事にコミケは終了した。

夏休みも終わり、新学期が始まった。

すぐにある行事は体育祭だった。


 隆盛 「100m走か…ひろはなんだった?」

 裕之 「障害物競走だって…走るの苦手なのに…」

 晴翔 「いいじゃん。ネット潜るやつだったら、めっちゃいいよな」

 隆盛 「なんでだ?」

 晴翔 「えー。ひろがネットに引っかかりながらもがくんだぜ?エロ

     いだろ?」

 隆盛 「…あーー。なるほど、いいな」

 裕之 「よくない!何を想像してるの!」


そう言いながら、結局ネットを潜る事になり、男子の一部と女子が喜ん

でいたとか、いないとか。

体育祭当日。

予想通りに隆盛は100m走を独走し、完全完封だった。

裕之はネットに手間取り、もがく姿を写メしようとする人が多数見受け

られた。

晴翔はというと、綱引きに参加しクラス対抗は優勝を果たした。


 裕之 「りゅうのおかげだね。」

 隆盛 「いや、その前の大縄飛びも結構みんなで頑張ってたもんな!」

 晴翔 「ちょいちょい、綱引きもよかったと思うよ!ひろは残念だっ

     たけど、相手が悪いよ。めっちゃ早く抜けて行ったもんな」

 裕之 「なんか絡まってて上手く抜けれなかったんだよな〜。」

 晴翔 「そうだな、でも気にすんなって」

    (わざと絡むようにしておいたなんて言えねーけど。なかなか

     いい写真が撮れたしマジで満足させてもらったかも)


 隆盛 「そうだぞ。気にする事はない」

 裕之 「うん…」

 晴翔 「大丈夫だよ。うちのクラスが勝ったんだし。文句なしでしょ」


無事、表彰式と閉会式が終わって、活躍した隆盛がクラス代表として表彰

台へと上がった。


 裕之 「本当はクラスリーダーが上がるんじゃない?」

 晴翔 「あぁ、でも、りゅうが一番目立ってたからな!」

 裕之 「なるほど…」

 晴翔 「そゆこと」


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