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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
28/41

シルエット

先に宿泊先にたどりついた裕之と隆盛は着替えると衣装だけ返し

に来ていた。


 裕之 「はぁー苦しかった〜」

 隆盛 「結構腰ってか腹のあたり絞られてたもんな!でも、

     もう、人前ではあんな格好させられねーな。」

 裕之 「りゅうが来てくれてよかった〜。あのままだった

     らって思うと…見つけてくれてありがとう」

 隆盛 「絶対ひろの事は見つけるよ。ひろの処女が守れて

     ほっとした。いつか俺がもらうんだから大事にし

     ててくれよ!」

 裕之 「処女って…//////」


衣装を返して歩いていても誰ともすれ違わないので、いつのまにか

隆盛の手を取っていた。


 隆盛 「地元でも、こうやって堂々と手を繋いで歩きたいよな…」

 裕之 「それは無理だよ。流石に知り合いには見られちゃダメで

     しょ?それに隆盛は有名になった時、きっと困るからさ」

 隆盛 「困らねーよ。今はひろが嫌がるからしねーけど。俺はいつ

     カミングアウトしてもいいって思ってるんだぞ!」

 裕之 「え…僕は、まだちょっと言えない…かな」

 隆盛 「うん、知ってる。でも、いつか堂々とできる時が来るとい

     いなって思ってるんだ。」

 裕之 「…」

    (僕はそんな風に思えるだろうか?それにりゅうと最後まで

     ヤる日が来るのかな…今は怖くて逃げちゃってるけど…

     ちゃんと受け入れれるかな…)


 隆盛 「なに考えてるんだ?俺はいつまでだって待つよ。ひろが

     真剣に俺を受け入れてくれるまで。」

 裕之 「ずっと逃げちゃうかもよ?それでも待っててくれるの?」

 隆盛 「あぁ、俺はひろが大好きなんだ。キスは嫌じゃないのなら

     期待して待ってるから。決心がついたら教えてくれよ」

 裕之 「うん…」


隆盛は宿泊先に着くと入り口に入る前に塀の影にひろを引っ張ると

抱きしめた。

暖かい温もりが伝わって来て、心臓の音が早鐘のように伝わってくる。


 隆盛 「抱きしめてると落ち着くから。ずっとこうしていたい気分

     だよ」

 裕之 「りゅう…うん、僕も…」

 隆盛 「中に入るか?」

 裕之 「うん、そうだね。ここ外だし、見られたら…」


隆盛は裕之の肩を抱き寄せると、フロントへと声をかけた。

鍵を貰い部屋へと入った。

先にお風呂に入ると、みんなを待った。


その頃、花火を見終わった一行は衣装を返して宿泊先へと向かっていた。

 

 春花 「もう、先に返してるっていつのまに来たのよ!」

 美桜 「そうよね。好きに行動していいとは言ったけど、本当にする

     とは思わなかったわ。」

 晴翔 「どうなったか気になる〜。って、あれ?待って!」

 美桜 「ん?あれは隆盛じゃん。お!!隠れるわよ!」


そう言うと、宿泊先の塀の影を見つめた。

抱き合っている裕之と隆盛の姿がうっすらっと見えた。

重なり合うシルエットが重なり合っていた。


 春花 「やるじゃん、今日は寝る場所2人きりにしたいから隣の部屋に

     晴翔くん、来なさいね。」

 晴翔 「分かってるっす。」

 美桜 「もの分かりがよくて好きよ!」


宿泊先に帰ってから、部屋分けは春花と美桜で一部屋使う予定だったのが

急遽晴翔も混ざることになり、裕之と隆盛を部屋に残して3人は出て行っ

てしまった。

 

 裕之 「なんか…気を使われてる気がするけど…」

 隆盛 「あいつら〜。全く…」

 裕之 「もう、明日遊んだら帰っちゃうんだよね。なんか寂しいなっ!」

 隆盛 「夏休みはまだあるだろ?うちにも来いよ。」

 裕之 「うん」


チュッと軽い音を立ててキスをするとお互い布団に入った。

すぐ側にひかれたニ対の布団の中で手を握ると眠りについた。

朝から海へと出かけると、思いっきり遊ぶ事にした。


 晴翔 「そういえば夏休み終わったらすぐに体育祭だった

     よな〜。」

 裕之 「運動苦手なんだよな〜」

 隆盛 「リレーがいいな。走るだけで楽じゃん」

 裕之 「それは足が速い人が言うセリフだし…」

 晴翔 「確かにな…借り物競走とかのがマシかな」

 裕之 「へー。それはおもしろそう。」

 晴翔 「だろ?恋人って書いてあったら笑うけどな」

 裕之 「まっさか〜」

 隆盛 「一個上の先輩の時にあったらしいぞ」

 3人 「…」

 晴翔 「そろそろ、ビーチバレーでもしようぜ!おねーさん方も混ぜ

     てさ」

 裕之 「そうだね。」

 隆盛 「あっちはあっちで、楽しんでたっぽいけどな」


弟達が泳いでいる間、春花と美桜はパラソルの下で周りを見ては楽し

んでいたのだった。


 春花 「ちょっと美桜、あれめっちゃイケメンじゃない?しかも…

     一緒にいる男子って…」

 美桜 「いや〜、間違い無いっしょ、デキてるでしょ。」

 春花 「他の女を見てるんじゃねーよ。俺だけ見てろって…なーん

     て言ってたりして…」

 美桜 「やっぱり。夜はベッドの上で遊ぶ分の体力残しておけよっ!

     ってきな事じゃ無い?」

 春花 「あー。それもいい!」


きゃっきゃと続く会話に誰も近寄ってはこなかった。

遠巻きから注がれる視線をものともせず、妄想へとふけっていった。


 美桜 「そういえば、そろそろ出来上がった?」

 春花 「もちろん。帰ったら印刷所行こう!」

 美桜 「そうだね。今年は良い出来栄えだと思う!実際には隆盛が

     めでたいおかげで、ネタがどんどん出て来たし」

 春花 「分かる〜。コスやポージングのおかげで結構スムーズにで

     きたもん」

 美桜 「あいつらには感謝だねー。創作意欲が湧くのもリアル萌え

     カプのおかげやしね。」

 春花 「そうだね、まさかって最初は思ったけど。案外結構二人が

     幸せになってほしいって思えてきちゃうしね。妄想が現実

     になるってこんなに嬉しい事なんだね」


改めて二人の姉は幸せな環境に浸っていた。

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