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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
27/41

花火と女装と

夜までにお祭りで浴衣を着る為にレンタルへと赴いていた。

そこではしゃいでいたのは主に女子2人だった。


 春花 「あー。コレ可愛い!」

 美桜 「こっちもいい!えーどうしよう?」

 春花 「この3着で迷うよね〜。」 

 美桜 「分かる〜。いっそ3着借りる?」

 隆盛 「おい、誰が着るんだよ!」

 美桜 「んー裕之くんでいいんじゃない?」

 裕之 「へっ…!?」

 春花 「確かに、身長も私と変わらないし、いけるわ。」

 裕之 「無理!絶対に無理だって!」

 晴翔 「あー。似合いそう…」

 隆盛 「確かに…」

 裕之 「な…な、、、裏切りもの!!」


姉の押し切りにより、女性物の浴衣を着付けられた。

係の人は少し笑いながら着せていたが、着てみると意外と似合っていて、

少し怖くなった。


 春花 「ウイッグ借りれますか?」

 店員 「いいですよ。どれにします?」

 春花 「ちょっと裕之来て!う〜ん。明るい色がいいかな?コレで、

     結ってもらっていいですか?」

 店員 「分かりました〜。とってもお似合いですよ!」


そうして出来上がったのが、金髪の髪を後ろで結い上げた裕之の女装姿

だった。

晴翔も隆盛も裕之が女顔だとは思っていたが、これほどまでに化るとは

思っても見なかった。

少し揶揄ってやろうと思っていただけに、見惚れて言葉を失ってしまった。


 春花 「うん、ちょー似合う!裕之可愛いよ!」

 美桜 「わー、マジで美人じゃん。隆盛どうよ!化粧は私がしたのよ。な

     んとか言いなさいよ。襲いたいくらい綺麗だとか、脱がしたくな

     っちゃうとか、なんかあるでしょ?」

 隆盛 「本当に、ムード壊すなよ!」

 裕之 「どうかな?おかしいよね?」

 隆盛 「そんな事ねーよ、マジで綺麗だ」


春花も、美桜もスマホを構えるとカシャカシャと撮り始めた。


 美桜 「ほら、隆盛も横に立ちなさいよ!」


無理やり立たされると、写真を撮られた。

あとで送ってもらおうと考えていた。

お祭りといってもそこまで大きくはなく、出店がすこしあるだけのもの

だった。


 美桜 「もうすぐ花火も上がるって!境内の方に行けば結構観れるら     

     しいから早く行こう!」

 春花 「うん、裕之と隆盛くんは好きに行動していいからね」

 晴翔 「俺達は境内に行ってくるな!」

 美桜 「ちゃんとエスコートすんのよ!」


そう言うと隆盛と裕之を残して行ってしまった。


 隆盛 「どうする?」

 裕之 「ごめん、ちょっと足が痛いかも。」


よくみると下駄が擦れて皮膚が捲れていた。

  

 隆盛 「ちょっと待ってな?」


そう言うと、出店の方へと走って行ってしまった。


 裕之 「ちょっと休めば平気なのに…」


側のベンチに腰かけると、お腹が窮屈だった。

男性の浴衣と違って帯がしっかり締まっていて食べすぎると苦しくなる

のを知らなかったので、少し休めてよかった。

すると見知らぬ二人組に話しかけられた。


 男1 「こんなところでどうしたの?あー。下駄で擦れちゃった?家近

    いし一緒に行こうよ!」

 男2 「こんなところで彼氏にでも振られちゃった?慰めてあげよっか?」

 裕之 「結構です。人を待ってるんで!」

 男1 「そんな事言わずにさ、行こうよ」


今度は無理やり腕を引かれると連れて行かれそうになった。


 裕之 「いいって言ってるだろ!離せよ!」

 男1 「あんまり我儘言うと、ここで脱がすぞ?」

 男2 「それでもいいなら俺らは構わないが…それとも外のがいいのか?」

 裕之 「違っ!僕男だからっ!」

 男1 「嘘はいけねーよ。脱がせばすぐにバレるんだからな〜」


言っても全く通じなかった。

ため息を吐くと男の手を自分の股間に当てた。


 男1 「おっ!積極的じゃねーか…!?」

 男2 「ん?どうした?」

 男1 「俺らと同じもんが付いてる…」


一瞬言葉に詰まったのか、男だと理解したらしい。


 裕之 「だから、僕男だって言ったじゃん。」

 男1 「いや、これだけ可愛ければイケるかも」

 男2 「でも、アレがついてるんだろ?…まぁ、顔はいいよな…」

 男1 「やっぱり脱がせて見てから考えるか!」

 男2 「そうだな!」

 裕之 「はぁ〜!?ちょっと、いやっ!!誰か助けて!」


力ずくで引っ張られると近くに茂みに連れ込まれた。


 男1 「もうすぐ花火が上がるからな。みんな上の境内へ行っててここ

    なら声を出し放題だぜ?」


襟首から男の手が入って来て前をはだけさせる。

しっかり縛られている帯が邪魔してそれ以上は無理と知ると、両腕を掴ま

れたまま、もう一人の男が帯を解き始めた。


 裕之 「やだぁ!いやっ!やめてっーー!!」

 男1 「女じゃあるめーし騒ぐなよ!」

 男2 「静かにしろよ!気持ちよくしてやるからよ!」

 裕之 「助けて!嫌だぁっぁーー!!うぐっ…んんっ!!」


口を押せられ、いつのまにか帯は緩められ、前もはだけさせられていた。


 男2 「本当に男だな…まぁ、いいか」

 裕之 「んーーんんっっーーー!!」


前のレイプされそうになった時の事を思い出して真っ青になった。

下半身を触られ、気持ち悪かった。


 男1 「パンツくらい女ものにしろよ!」


何度も暴れる裕之の頬に痛みが走った。

一瞬何事かと思うと、殴られていたのだった。

すると、上から影が落ちいて来て、いつに間にか裕之を押さえつ

けていて男が吹き飛ばされていた。


 隆盛 「誰のモノに手を出してるんだ?」

 男1 「誰だ!お前は?」

 隆盛 「俺の女に手を出しておいてどうしてくれるんだ?」


隆盛の低い声がキレているのを感じさせた。

すぐに鳩尾に蹴りを入れると、男の大事な股間を思いっきり蹴り上げて

いた。

悶絶し地面をのたうち回っていた。


 隆盛 「ごめんな?一人にして…」

 裕之 「りゅう…りゅ…う…怖かった…」

 隆盛 「あぁ、もう大丈夫だ」


隆盛は裕之を立たせると器用に着せてくれた。

帯は少し難しく上手く結べなかったがなんとか留めれればいいかという事

になり、なんとかカイ結びに似たような形に結ってくれた。

乱れたままみんなに会う訳にはいなかったので、そのまま宿泊所に帰る事

にした。

帰り道、花火が上がってとても綺麗だった。


 隆盛 「綺麗だな…」

 裕之 「うん、そうだね」


どちらかともなく目が合うと、唇を合わせていた。





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