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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
25/41

予選リーグ、決勝

裕之が席に帰ってきた時にはどこも埋まっていて、それだけ注目され

ているのが分かった。


 晴翔 「なんだったんだ?」

 裕之 「えっ…あ〜たいした事じゃ…なかった…」

 晴翔 「そっか。りゅうのやつ緊張してたのかー。やっぱりそうだ

     よな!ひろを個室に連れ込んでたんだしな〜」

 裕之 「な、なんで知って…」

 晴翔 「分かるよ。それで、今は落ち着いたって事か!いや、興奮さ

     せて紛らわせてるってところかな。」

 

裕之の顔を見れば何があったかくらい見当はついた。

それに呼び出されてから、後をつけてトイレの前に清掃中の看板を置

いたりと忙しかったのだ。

裕之を隣の席に座らせると、帽子を被せた。


 晴翔 「これでも被ってろ!今のひろ色気出すぎっ」


ボソッと言われた事に裕之はとっさに顔を覆った。

今自分がどんな顔をしているかなんて知らない。

今はまだ知りたくなかった。

きっと、見せられないのだろう。それで晴翔は帽子を被せたのだとお

もうと恥ずかしくて仕方なかった。

選手が入場し、そこには一年でレギュラーの隆盛の姿もあった。

試合は厳しい展開が続き、最後のラストゴールで決着が付いた。

見事地方大会優勝を飾ったのだ。あとは冬の全国大会の切符を手に入れ

たので、今日はメンバーで盛大に祝うらしい。

毎回のように打ち上げに出なかった隆盛も今日ばかりは抜けれないらし

かった。


 裕之 「やっぱり、りゅうかっこよかった〜」

 晴翔 「それは本人のいる時に言ってやれよ」

 裕之 「なにそれ〜。」

 晴翔 「きっとその方が喜ぶからさっ!」

 裕之 「うん、そうだね」


帰る電車の中で裕之は隆盛のラインに『おめでとう、今日はすっごく

かっこよかったよ』と書き加えておいたのだった。


打ち上げでは女子マネに囲まれる隆盛に他のメンバーからの帰れと

いう視線がひしひしと伝わってきていた。


 隆盛 「そろそろ、俺帰るわ。」

 女子 「えー。今日は隆盛くんが大活躍だったんだし、帰るなん   

     て、言わないで〜」

 女子 「そうだよ!一年でここまで活躍するのってなかなできな

     い事だよ、秘訣はなに?」

 隆盛 「えーっと、試合前に恋人がハグしてくれたからかな…はは」


一瞬女子の顔が凍ったのを全員が目撃した。

慌ただしい試合前になにやっとんじゃという男子ツッコミがどこから

ともなく囁かれていた。


 先輩 「今度ちゃんと紹介しろよ。」

    (このイケメンと付き合う女子ってどんなレベルだよ!見て

     みてーし)


 隆盛 「嫌です。誰にも見せませんから」


誰から告白されても『うん』と言わないと噂の隆盛がはっきりと言うの

だから、その場の全員が気になってしまう。

爆弾発言だけ残して帰った隆盛の恋人疑惑はしばらく詮索されることと 

なったのだった。


晴翔の部屋で話していた裕之に隆盛も合流して今日の試合について盛り

上がっていた。


 晴翔 「やっぱり最後にシュートは気持ちよかったか?」

 裕之 「見ててハラハラしたもん」

 隆盛 「まぁ、決まってよかったくらいかな。それに、外した時の為

     に、先輩が上がってたし」

 裕之 「そんなに周りの事も見えてるんだ〜」

 隆盛 「まぁ、なっ/////」

 晴翔 「試合前にトイレであんまりいちゃついてるとそのうちバレ

     るぞ」

 裕之 「ぶっ!!」

 隆盛 「あぁ、あの時は助かった。」

 晴翔 「まぁーな、サポートは任せろ!」

 裕之 「えっ!なに?なんなの!」


すると、実はトイレに裕之が入ってから誰も入ってこなかった訳を

晴翔が語った。

まさかそんな事だとは思ってもいなかった裕之は、誰かが入って

くるのではないかと、ドキドキしていたのだ。


 裕之 「ひどーい、ちゃんと教えてよ!」

 晴翔 「スリルがあってよかっただろ?でも、気をつけないと

     マジで声漏れてたし、聞かれた相手次第ではやばい

     からな!」

 裕之 「う…うん。」

 隆盛 「気をつける…」

 晴翔 「さーて、今日はどうする泊まってくか?もう時間も

     遅いし」

 裕之 「うーん、どうしよう」

 隆盛 「そうだな、疲れたからこのまま寝たいかも」

 晴翔 「おっけ、風呂沸かしてくるからそっから布団出し

     てろよ!」


晴翔の部屋の隣は薄い障子を挟んで客間になっている。そこを

二人に勧めた。


 晴翔 「風呂って二人で入るか?」

 裕之 「えっ!一人で入るよ!」

 隆盛 「俺はどっちでも」

 晴翔 「いっそこのまま銭湯にでも行くか!」

 隆盛 「久々に広いし伸び伸びできるな!」

 裕之 「銭湯かぁ、懐かしいかも」

 晴翔 「よし、決まり!すぐに行こうぜ!」


晴翔の口車に乗せられ、近くの銭湯へときた。

夜遅かったせいか誰もいなくて自分たちだけの貸切のようだった。


 裕之 「わーーー!ひろーい!」

 隆盛 「あんまりはしゃいで転ぶなよ」

 裕之 「子供じゃないんだからっ!」


少し離れた場所でさっさと体を洗うと晴翔は二人を眺める事に徹

していた。


 裕之 「りゅうはさ、銭湯っていつぶり?小学生の時に来た

     くらいだっけ」

 隆盛 「俺もそんくらいかな?それにしても…あんまり毛が

     生えてないんだな…」


じっくり眺めて不思議そうに言う隆盛に今全裸である事を思い

出した裕之が顔を染めるまで時間はかからなかった。


 裕之 「ど、どこ見てるんだよ!」

 隆盛 「脇くらいは生えてるだろ?…」


ひょいっと腕を上げさせるが綺麗に剃られているわけでない

ないのだが、うぶ毛程度で、胸板も綺麗なものだった。

体を洗ってる最中だったのでところどころ泡がついていたが、

隆盛は胸の泡をそっと掬い取ると、そーっとなどった。

 

 裕之 「ひゃっ…なっ!なに!」

 隆盛 「本当に毛を剃ったわけじゃねーよな?あ!でも、

     こっちはちゃんと生えてるな!」

 

そう言って下半身を見た。

濃い訳ではないが、ちゃんと毛は生えていた。

流石にまじまじと見られるとはずかしくなってくる。

言ってる隆盛でさえ、最初は揶揄うつもりで言ってただけだっ

たが、裕之も男だと意識して見ると今になって恥ずかしくなっ

てきた。


 隆盛 「おっ!そうだ洗ってやろうか?」

 裕之 「いい。自分で洗えるから…」


そう言いながら裕之は隆盛の下半身を見て少しショックを受

けていた。

さっさと洗い流すと晴翔のいる湯船へと入った。


 裕之 「もう、りゅうも早く洗ったら?」

    (りゅうって大きい!嘘でしょ。体を鍛えてるから?

     アレを…無理無理!デカすぎだって!)


真っ赤になりながら自問自答している姿は晴翔には萌え要素で

しかなかった。







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