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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
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どこまで許せる?

二人の関係が進展することもなく、未だに仲のいい友達でとまっている。

昼休みに屋上で弁当を食べながらのんびりしている。


 晴翔 「もうすぐ夏休みだよなー。どっか旅行に行かね〜?」

 裕之 「あ!いいね。海行きたい!」

 隆盛 「朝練あるから後半しか行けねーわ。」

 晴翔 「そっかぁ、大変だな〜。なら隆盛に合わせて海行こうぜ」

 裕之 「うん、楽しみだね。」

 晴翔 「そういえば水着見に行こうぜ!もちろんピチピチのがいいよな〜」


視線を隆盛と裕之の方へと向けた。

隆盛は裕之を見て赤くなっているのを見る限りは想像したのだろう。

裕之は海行くことの方が楽しみで何も深く考えていないようだった。


 (はぁ〜。前途多難だな〜。うちの推しカプはいつになったらもっと自覚

  を持ってくれるかな〜。)


 晴翔 「そういえばさ〜、家に例の見にくるって言ってたじゃん?ひろい

     つくる?」

 裕之 「えっ!あ〜やっぱりいいや。そういえば今日日直だったの忘れて

     た!先に教室戻るね。」

 晴翔 「おぉっ!」

 隆盛 「俺も行こうか?」

 裕之 「一人で平気!あとでね」

 

立ち去っていく裕之に一つの疑問を持った。

何やらよそよそしいのもあるが、それ以上にこの話題に触れようとしないのだ。


 晴翔 「おい、りゅう!ひろに何か言ったか?」

 隆盛 「いや…何も。」

 晴翔 「じゃー聞き方を変えよう、ひろに何かやったか?」

 隆盛 「手を繋いだくらいだが…それが?」

 晴翔 「はぁ〜キスくらい簡単だろ?ってかさ〜、いつになったらその先に

     進むんだよ」

 隆盛 「…それは…ひろがしたくなったらかな?」

 晴翔 「どんだけ待つ気だよ!もちろんヤりたいんだよな?まさかお前まで

     このままでいいって思ってるのか?」


隆盛は少し俯くと照れたように視線を逸らした。

男女のカップルと違ってなかなか両思いになっても先に進めないことは多々ある。

どっちかが強引にいかなければ、そのまま別れてしまう事だって考えられる。

現実は漫画と違って、運命の赤い糸などないのだ。


 晴翔 「なんか心配でもあるのか?」

 隆盛 「最近…ひろの下駄箱に手紙が入ってる事があって…」

 晴翔 「ははーん。さてはヤキモチか?りゅうだって結構貰ってるだろ?」

 隆盛 「そうだけど、ひろがなんだか嬉しそうで…」

 晴翔 「だったら尚更、ひろを自分のモノにしろよ」

 隆盛 「…うん。」


煮え切らない返事を残してチャイムが鳴った。

放課後になると、下校する生徒が大半で部活動をしている生徒の声がグラウンド

にこだましていた。


 晴翔 「ちょっと図書室よってくけどひろはどうする?」

 裕之 「あ!僕もいく〜もうすぐテストだし、勉強教えて〜」


晴翔と裕之は隆盛に手を振ると図書室へと向かった。

数学と化学をやろうと一色持って向かった。

今日は誰もおらず、司書さんも忙しく何やら仕事をしていた。

一番奥の席に陣取ると教科書を広げる。


 裕之 「今日のここってどうやったの?」

 晴翔 「えーっと、ここは、まずはこっちを計算してから、これに照らし合わ

     せてだな〜」

 裕之 「そっか、うんうん、解けた!えーっと、次は〜」

 晴翔 「少しは自分で解けよ!」

 裕之 「数学苦手なんだもん。」


膨れた顔をして見せる裕之を見ながら、平和だなっ〜と覗き見た。

柔らかそうな頬に手を伸ばすと自分の肌よりもっちりしていて肌荒れをしていない

せいかキメが細かくて触り心地がよかった。


 裕之 「なに〜はる?くすぐったいって〜」

 晴翔 「あぁ…そういえばさ、りゅうとはキスされたくないの?」

 裕之 「…なんでそんな事聞くの?」

 晴翔 「ひろはそうなのかなって。男同士でって結構リスクあるだろ?だからまずは

     そこが受け入れられなかったらおしまいじゃん。」

 裕之 「…したい。もちろん触れたいって思うけど…なんか怖いんだ」

 晴翔 「それは前の事があったからか?」

 裕之 「それもあるけど…それ以上に。りゅうが幻滅したらどうしようって」

 晴翔 「ふ〜ん、りゅうとはキスしたいって思うんだな〜。だったらそれ以上は?」

 

晴翔は踏み込んだ質問を投げかけた。

キスまではしたいと思っているのがわかれば、あとは隆盛をけしかければいい。

ただそれ以上をわかっているか、いないかでは対応が変わってくる。

ビクッと震えると苦笑いで誤魔化そうとする裕之を逃さないとばかりに責め立てた。


 晴翔 「もちろん知ってると思うけど、男同士でセックスする時って何がネックか

     知ってる?」

 裕之 「えっ…な、なにを言ってるの?」

 晴翔 「まずは聞けよ、女と違って入れるところが違うって事だ!それに、どっち

     が入れるかでまずは心構えが違う。」

 裕之 「入れるって…はるまずは勉強しよ!ここがね…」

 晴翔 「勉強は教える。でもな、大事な事なんだよ。入れる側は予習してちゃんと

     しないと入れられる側がすっげー痛い思いをするんだよ。どこ入れるかも 

     ちろん、わかるよな?」

 裕之 「…」


ゴクリッと唾を飲み込む。


 裕之 「冗談だよね?お尻に入れたりなんか…うん、無理だしね」

 晴翔 「いや、あってるよ。しっかりと解してやれば腕だって入るくらい柔軟性が

     あるんだ。」

 裕之 「無理無理!絶対に無理!嘘言って脅かしてるんだろ?はる性格悪いよ」

 晴翔 「ひろ!これは今すぐにとは言わないけど、覚悟はしておいた方がいいよ。

     体格差を考えても、りゅうは入れたがりそうだし…」

 裕之 「…いや……絶対に嫌だから!なんではるはそんな意地悪いうの?」


流石にめまいがしそうになった。

そこで拒絶されれば、隆盛は先には進めないだろう。

裕之の頑なな拒絶はなんとかしないといけない気がした。

いっそ、あの時強姦されてれば多少はよかったのか?

嫌ダメだ!何もされなかったから心の傷も最小限で済んだのだ。


 晴翔 「ひろ、少しは考えて見てくれよ。りゅうとそうなりたいのかって事

     をさ!さて、さっきの続きするか?どれどれ?」

 裕之 「もういい。今日は帰る!」


そう言ってそのまま片付けると出て行ってしまった。


 晴翔 「はぁ〜やっちまったかな?この事は知らせておこっと」


そう言っておねーさん達に知らせておくのだった。

グラウンドで部活に励んでいる隆盛は一人で校門を出ていく裕之の姿を見送

っていた。


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