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その恋、応援します!!  作者: 秋元智也
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薄い本

薄い本を閉じた隆盛にニヤニヤした顔で晴翔は言い寄って来る。

 

 晴翔 「どうだった?ここで出てくる清春ってさっきの裕之に

     似てるとか思わねーか?」

 隆盛 「そりゃ、この軍服着てりゃそう見えるだろ!」

 晴翔 「そうじゃなくて〜。最初は脱がされるけど、途中から

     自分で脱ぎ去っていくのって萌えねー!!」

 隆盛 「ただの男の着替えなんて教室で見飽きてるだろ?」

 晴翔 「分かってないな〜。さっきひろの着替え見てたんだろ?」

 隆盛 「えっ!…あ〜…」

 晴翔 「まさか…見なかったの?見慣れてるのに?それとも恥ずか

     しかった?下着も変えてたって事は全部脱いだんだんだよ

     なぁ〜?」

 

おちょくるように言ってみると予想外な反応が返ってきた。

真っ赤に顔を赤らめた隆盛など初めて見た気がした。


 晴翔 「マジか…」


裕之のこととなると、面白いくらい反応がいい!

その上、さっき見せた薄い本を見ている隆盛はコロコロと表情が変

わっていくのが面白かった。

最後に晴翔の視線を受けて、すぐに閉じてしまうあたりかなりウブ

なのかもしれなかった。

それ以上にピュアすぎる裕之をどうしたものかと悩みどころだった。


 美桜 「あんた、私の弟なんだからそんなに照れてんじゃないわよ。

     いざ本番になった時どうすんのよ!」

 隆盛 「本番ってなんだよ!」

 

一斉にため息が漏れた気がした。


 美桜 「そこに描いてあるような事をするときって事よ。」

 春花 「ごめんね。なんかノリで描いてたから〜。」

 美桜 「こういうものってノリが大事よね。」

 晴翔 「はい!素敵です!新刊はもっと期待してます」

 隆盛 「お前らな〜。こんなの実際には無理だろ?」

 美桜 「はぁ〜。あんた舐めてんの?今すぐ尻出しなさい!慣ら

     してやるわ!」

 春花 「美桜まずは落ち着いて!そう言うことは家でやって!」

 晴翔 「えーー!?止めるわけじゃないの?」

 隆盛 「誰が出すか!姉貴やっぱりおかしいつーの!」

 春花 「素股もいいけど、ちゃんと解して前立腺刺激してあげれば

     痛みもないはずだよ!」

 隆盛 「おねーさん!そこは否定してよ!なぁ〜?はる?」

 晴翔 「いや〜。いけるっしょ?でもこの場合、入れるのはりゅう

     だろ?ちゃんと勉強してからヤれよ!ひろがかわいそうだ

     からさ、上手くないと二度目はねーぞ!」

 

ここでは否定する人間は皆無だった。

色々と資料と言われ見せられた画像はどれも色々な体位でのシーンで

見やすいのだが、恥ずかしいものばかりであった。

絵が上手いせいか、全て裕之に見えてしまうあたりかなり重症だった。


 隆盛 「もう、帰る!」

 春花 「帰る前に、チュウはしなくていいの?」

 美桜 「そうよ!ヘタレ。やるなら今よ。春花の許可も降りてるわ」

 晴翔 「よかったな!行ってこい!」

 隆盛 「付き合うのに賛同してくれたのは嬉しけど、何をさせたいん

     だ何を!」

 美桜 「ナニに決まってんでしょ!」

 隆盛 「はっきり言うなぁぁぁーー!!」


隆盛は立ち上がると、玄関に向かった。

そのまま外へ出ると本当に帰ってしまった。


 美桜 「本当にうちの隆盛はヘタレね」

 春花 「いいチャンスだったのに〜」

 晴翔 「全くだよ。学校では人の目があるからだめでも、屋上で3人

     だけの時もなかなか手を出さないんですよ!俺に遠慮なんて

     しなくていいのに。こっちはイチャコラしているのを見るの

     が楽しみだって言うのに…」

 春花 「分かるわ〜。隣の部屋から電話の声が聞こえてきた時なんか

     壁に耳ついちゃってたもん。」

 美桜 「いいよね〜。こっちなんて電話する時どっか行っちゃうんだ

     もん。もっとさぁ〜、強引に行って欲しいのよね〜。」

 春花 「わかる〜。私だったら、もうすぐに脱がせてるね」

 美桜 「だよね〜。付き合った当日にはキスと繋がりを持ってる自信

     しかないわ」

 晴翔 「先生!それは…大胆。」


話題はそのまま盛り上がっていった。

夜も更けて晴翔は帰って行き、美桜はそのまま春花の部屋に泊まる事に

なった。


小腹が空いてきて目を覚ました裕之はキッチンに降りて来ると冷蔵庫か

ら飲み物を出して飲んでいると机に薄い本が置き去りにされていた。


 裕之 「何これ?さっき着た軍服のやつって事は今回コスプレした

     アニメの清春だっけ?」


ペラペラとページをめくっていくと、しばらくして手が止まった。

ズボンを下ろすとそこには見慣れたモノがついていて、さっきの

自分と同じシュチュエーションの場面があった。

といっても違うのはスカートとズボンの違いだけで、上のキッチリ

した服は一緒だった。


 裕之 「えっ…えっ…なんで、男の上に跨ってるの!なっ!どこに

     入れてるの!これ…」


すぐに閉じたが、気になってまた遠巻きにページを捲る。

横目で見ていく、怖いモノ見たさのような感覚だった。

今、キッチンにいるのは自分だけなのを確認して次を見てみる。

清春というキャラが乱れていく姿を鮮明に描写していた。

見間違いかと思う場所に男のモノが突き刺さっていくのは信じ難

い事で、なぜこんな事を描くのかが分からなかった。

見終わって閉じると、体温が上がってしまった気がする。


 裕之 「これは想像だよね!うん、そうじゃないとおかしいも

     んね。お尻にあんな太いモノが入るわけないしね!」


自分に言い聞かせるように部屋へと戻った。

戻ったのだが、最近気になる事を聞いた気がする。

拉致された時に言われた事を思い出す。


 裕之 「そんな訳ないよね…うん、用を足す時だって結構痛い時

     あるわけだし…うんうん、ないない!」


考えないようにしながらベッド入った。

その夜、夢にさっきの映像が頭の中をめぐるように流れてきて、コス

プレした裕之を脱がせる隆盛の手つきが怪しく、火照った顔で隆盛を

見上げ、シーツにしがみつき触れられる感覚に身悶えていた。


ハッとして目を覚ますと夢に反応したのか元気な自分に赤面した。


 (なにこれ…僕ってそんなに欲求不満だったっけ…)



 




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