突然の告白
中学から高校へと仲良しで遊びにいくのも、いつも3人でつるんでいた。
高校に入ってすぐに高橋隆盛は人気のない体育館裏に来ていた。
高橋隆盛はサッカー部に入り期待の新人だった。
そんな彼がそわそわしながら、誰かを待っていた。
裕之 「りゅう〜。なんだよこんなとこに呼び出して〜。はるが待っ
てるから早く帰ろう!」
隆盛の元に呼び出された張本人、結城裕之が現れた。
何か取り柄がある訳でもない、平凡な男子生徒だ。
隆盛 「ひろ!どうしても話したい事があるんだ。」
裕之 「はるがいちゃダメなの?」
隆盛 「ひろに伝えてたくて…俺さ、ひろの事好きなんだ!」
裕之 「ん?何言ってんだよ〜。僕もりゅうの事好きだよ!
はるも好きだし〜。だからいつも一緒にいるんじゃん。」
裕之の言葉を否定する様に隆盛は真剣な眼差しで裕之の肩を掴んだ。
隆盛 「そう言うんじゃなくて…男としてって事で…。ずっと好き
だったんだ。でも、なかなか言えなくて…でもどうしても
伝えとこうと思って…。俺はひろの事がマジで恋愛の対象
として好きなんだ。もし、嫌なら断ってくれていい。」
裕之 「え…えーっと。僕は…」
隆盛 「すぐに答えを出さなくていい。考えて欲しいんだ。それだ
けだから…。はるが待ってるんだろ?行こうか?」
裕之 「う…うん。」
下駄箱で待っていた白川晴翔は2人を見るけると駆け寄ってきた。
晴翔 「遅いぞ!ってひろどうしたんだ?顔赤いぞ?」
裕之 「えっ!なんでもないよ」
隆盛 「…」
晴翔 「そっかぁ、じゃーさーマック寄ってこうぜ!」
裕之は隆盛から言われた言葉を思い出すと、顔を合わせるのも恥ずか
しくて、つい避けてしまった。
隆盛ははっきり言ってスポーツができて身長が高くて、女子から結構
モテる。そんな隆盛がいきなり男の裕之に告白するなんて信じがたか
ったし、今までの関係を壊したくなくて、何も言えなかった。
その日の夜、裕之の様子がおかしかったので、白川晴翔から電話がか
かってきた。
裕之 「はい、もしもし」
晴翔 『お!起きてた?今日なんかお前ら変だぞ?何かあったのか?』
裕之 「えっと…何もないよ」
晴翔 『嘘つくなよ!わかんねーと思ったのかよ?何があったんだよ』
晴翔の言葉に諦めて今日言われた事を話した。
晴翔 『それってひろはどうなんだよ?嫌なのか?』
裕之 「そんな事ないよ。でも…恋愛対象として好きかって言われると
わからない…」
晴翔 『まぁ〜そうだよな〜。じゃーさ。一回お試しで付き合ってみれ
ばいいじゃん』
裕之 「はぁ?なんか騙してるみたいじゃん。」
晴翔 『でも、わかんねーならそういえばいいじゃん。付き合ってみれ
ばわかる事もあるだろ?』
裕之 「そうかもだけど…僕、男だよ?おかしくない?」
晴翔 『おかしくない!恋愛に年齢や性別なんて関係ねーよ。先生と生徒
って事もあるんだぜ』
(まぁ、これはBL展開行くんじゃね?しかも可愛い系とスポーツマン
ってすっげー萌える)
裕之 「そうかもね…明日りゅうに言ってみる。なんかはるに聞いてもら
ってスッキリしたかも」
晴翔 『いいっていいって!』
(うわーー。マジでくっついたら近くで生BL見えるじゃん)
裕之 「ありがとう、おやすみ」
晴翔 『おう、いつでも聞いてこいよ、相談ならのるぜ!』
携帯を切ると外でノックする音がしてきた。
春花 「裕之〜風呂空いたわよ〜」
裕之 「はーい」
呼んできたのは2つ年の離れた結城春花。裕之の姉だった。
ドアの外から立ち聞きしていた春花はさっきの会話に興奮する様に友達に
報告とばかりに携帯を掴んだ。
春花「ねーねー聞いて!うちの裕之がね!」
電話の相手は春花のクラスメイトで、同じサークル活動をしている高橋
美桜だ。
美桜 『こんな時間になに?あんた興奮しすぎ〜。』
春花 「なんかうちの弟いるじゃ?今日告白されたっぽいのよ〜。
しかも相手の事嫌いじゃないから明日返事するって〜。
いやー若いよね〜。」
美桜 『へーって春花の弟って裕之くんだっけ?可愛いもんね〜。
相手はどんな男よ?』
春花 「それが、同じクラスらしいのよ〜。きゃーーー。なんか
青春って感じだよね〜。そう言えば今度の新刊って玉×清
でいいよね?」
美桜 『うんうん。こっちも玉×清で進めてる。そっちはいいね〜。
こっちの隆盛なんてめっちゃ暗い顔して帰ってきたわ。あい
つなんかやらかしたっぽいわ。あとでとっちめてやらない
と…。』
春花 「そっとしといてやりなよ。部活で何かあったんじゃないの?」
美桜 『あのヘタレがね〜。まぁ、裕之くんの情報も教えて。もしくは
彼氏連れてくる日にち教えて分かったら教えて!参考にみとき
たいわ』
春花 「おっけ〜。生でBL展開なんてなかなかないもんね。断らないと
いいなぁ〜。」
美桜 『じゃー。報告はまたね。なんかテンション上がって来たから作業
に取り掛かるわ。』
春花 「うん。期待してる〜。またねー』
スマホを置くと隣の部屋に聞き耳を立てる。
まだ戻ってきていないようだった。
(そろそろいい年頃だし…オナニーの一回や二回はしないのかしら?)
ガチャっと音がして部屋に入ると、ガサゴソと音がして電気が消される…。
(そのまま寝るのかよ!!)
隣の部屋で春花の盛大なツッコミがあった事などつゆ知らず、布団の中で
ぐっすり眠る裕之だった。