しゃもじ×炊飯器
ふっくらとした己のナカに彼が、辛抱出来ないというように掻き分けてくる。
温かい中は無理やりほぐされて、白いそれがちょっと僕の中から出てしまった。
「……炊きあがりはすぐこれだよね。しゃもじ君は僕とコレするの好き?」
一心不乱に僕の中を舐る彼に僕は甘い嬌声を出したくなるのを我慢しながら誘った。
彼はその顔に僕の白いそれをべとべとになるほどつけながらも応えてくれる。
「ん、んん、ぷはぁ……好きだ。お前の温かさ。お前の乱れた姿。お前の中を乱すこと専用の存在として俺が生まれてきたと思うと、興奮する」
まさぐりながらそんなこと言われちゃうと必要以上に熱くなっちゃうじゃん、もう。
ほーんとしゃもじ君って気持ち悪ーい!
表面まで熱くなるのを感じても、またすぐにしゃもじ君は僕の秘部を咲かせようとするから、内側の方が火傷するほど熱いんだと自覚させられる。
「んあっ、ほーんと、しゃもじ君って真顔で変態みたいなこと言うよね、っ! んんんっ! いいーよ。もっと来て、僕の可愛いベイビー」
受け入れたい。彼の全てを。僕の中に空焚きしたまま閉じ込めてしまいたい。
これがきっと僕なりの歪んだ性愛なんだろう。歪んでいたとしても、彼は僕の愛を受けいざる負えないけど。だって彼は僕の彼なんだもん。
弄られる。遊ばれる。しゃもじ君を握って米をかき混ぜるご主人様の手に遊びが出始めていた。
「もっとオクも! 底までほじって! あぁっ!」
焦らされるように表面だけを撫でるように掬われる。
もっとアツいところがあるよ。もっとかたまったスポットがあるよ。
僕は恥ずかしげもなくソコを晒す。
「最高だ。最高だぞ、炊飯器! お前のたっぷり炊いた子種が俺をこんなにこびり付いてくれる!」
「ちょー、喋ってないでもっとほぐしてよ♡」
「そろそろッ、よそうぞッ!」
茶碗がご主人様の片手に持たれる。
あ。僕が丹精込めて育ててきた可愛い子たち、ご主人様にとられちゃうんだ。
しゃもじ君が有無を言わさずベイビーたちを掬い上げ連れ去っていく。
絶頂と渇き、喪失の波がバラバラに揺れる。
こんなに激しく僕の育んだ結晶ちゃんたちをとっちゃうんだね……
「っがぁぁっ! い、いきなりそんなに、いやぁぁ、そんなにもって、ちゃったら! ダメダメダメ! あっぁぁああ!!!」
絶頂の後の余韻。腹の中の熱の冷め具合、重さの喪失具合から奪われたことを知る。
悲しいし、苦しいし、でも僕には彼が与えてくれる快楽があるからいいんだ。しゃもじ君は僕を見捨てない。僕から離れない。ずっと一緒。彼さえいれば、僕の中の白濁が幾ら奪われても構わない。
あぁ、いっそ彼に全部掻き捨てられてしまいたい。
「あはっ……いっぱい取られちゃった。僕の子種。ちゃんと、ご主人様……たべてくれるかな? もし、美味しくなかったら……」
「馬鹿を言うな。お前の子種が不味いわけないだろ」
大好き。大好き。君のそう言ってくれるところも、その姿も、その優しさも、大好きだよ。
「……しゃもじ君。大好き、愛してる」
「俺も、誰よりも愛しているぞ。炊飯器」
僕の秘部が閉じられる前に彼はちゃんと言ってくれた。
だから早く、僕のことを掬ってよ。
しゃもじと炊飯器の正しい性描写を教えて(哲学)
基本的にわりと校閲せずにやってきていたので、次回はもっとキネマティックに? ちょいお耽美勝グロテスクに? カオスティックに相応しい作品にしたいです。
現在無機物BLカップリング募集中。