俺の部屋に幼女の小学生警察官と美少女の高校生警察官と美人の大学生警察官が訪問してきて驚いている件
この物語の解釈は皆様のご自由に。
ビービービー!
「zzz、んが?」
部屋に設置してあるアラームがけたたましく部屋中に鳴り響く。
俺は、布団からゆっくりと身を起こすが、昨日の酒が回っているせいで頭が痛い......。
「もう朝か」
俺は、部屋の奥にある冷蔵庫を見ながら、机に置いていた煙草に火を点けようとした、その時だった。
ピーンポーン!
静粛だった部屋にチャイムの音が鳴り響く。
朝っぱらから誰だよ、と不快感を顕にしながら玄関の扉を開けると、扉の前には1人の幼女が立っていた。
「おはようございます! しょうがくせいけいさつかんです!」
「えっと、由奈ちゃん?」
このショートボブの髪型が良く似合う幼女は、近所に住む小学1年生の白河由奈ちゃん。
俺が大学に行く時間には、母親と一緒に登校しているのを良く見掛ける。
彼女は、俺を見掛けるとお母さんと一緒に挨拶してくれる良く出来た女の子だ。
そんな彼女が、今は紺色の警察官の制服を着て俺の前に立っている。
どうやら制服のサイズが合っていないみたいで制服の袖からちょこんと手が出ている姿を見ていると、それがまた愛らしく感じてしまう。
「えっと、由奈ちゃん、どうしたの、こんな朝早くに?」
いやいや、そうじゃなくて。
何でこの子が俺の家を知っているのかが謎すぎる。
どうやら由奈ちゃんのお母さんと一緒に来たみたいではないようだけど......。
「えっとね、おにいちゃんにごあいさつしたくてきました!」
「え? 俺に? 挨拶? 何の?」
「こうえんのー」
「も、もしかして、この前の公園の時のことかな!?」
「うん! ゆな、おにいちゃんにぎゅーってされてビックリしちゃったもん」
「や、やっぱりあの時のか、あははは……」
そう、あれは昨日の事、公園で1人で遊ぶ由奈ちゃんを見掛けた俺は彼女にお菓子を渡してあげたのだ。
その時の彼女の純粋な笑顔に、俺は遂に我慢が出来なくなり手を出してしまった。
おっと、勘違いされては困るが、手を出したといっても本当にただ手でギュッとしただけだ。
今では幼女に対して頭を撫でても、声を掛けただけでも都条例に引っ掛かるのではないかと思う程に世間の目は厳しい。
もし他人様が俺のしていたことを見ていたら、俺の貴重なキャンパスライフは確実に豚箱で過ごすことなになっていたはずだ。
衝動的にやってしまったが、あの時の出来事を誰にも見られなかった事は幸運としか言い様がなかった。
「あのね、ゆなねー、おにいちゃんにぎゅーってされて、おかおがまっかになっちゃったんだよ!」
「そ、そうだったね、ハハっ......」
確かに、彼女は俺がギュってしてあげたら顔を真っ赤にしていたなー。
今、思い出してもあの時の顔は何とも唆られる。あっ、いやいや何を考えているんだ俺は!
「でもね? でもね? しょうがくせいにてをだすのは、はんざいなんだよー? はんせいしてる?」
「も、もちろんだよ! 今でもすっごく後悔してる! あの時は、ごめん!」
俺は動揺しながらも自分の行いを悔いて、由奈ちゃんに謝罪する。
衝動的にやってしまったが、もっと時と場合を考えないとな。
由奈ちゃんは、虫に刺されたのか風邪でも引いているのか、俺を見上げながら首の辺りを触っていたみたいだけど、俺の謝罪を聞いてニッコリと笑っている。
「うそつきー!」
「えぇ!?」
まさか嘘付き呼ばわりされるとは。
あの愛らしい由奈ちゃんが俺の言う事を信じてくれていないのは悲しくなってしまう。
「おにいちゃんいけないんだー! しょうがくせいにてをだした、おにいちゃんはわるいひとです! だから、わるいひとはたいほします!」
「ええ? ちょっと待って待って!」
「たー! ゆなをギューとしたわるいおにいちゃんは、たいほです!」
いきなりの事で困惑している俺に対して、彼女は叫ぶと俺の腰に両手を回して勢い良く抱き着いてきた。
一方の俺は、彼女の言葉に背筋がゾクゾクしてしまう。
由奈ちゃんは俺を抱きしめる力を強めてくるので、とうとう観念した俺は彼女に手を出そうとした、その時だった。
ビービービー!
「んが?」
部屋に設置しているアラームがけたたましく鳴り響く。
俺は布団からゆっくりと体を起こすが、昨日の酒が回っているせいで頭が痛い......。
「由奈ちゃん?」
俺は先程まで目の前に居た幼女の警察官の名前を呼ぶが、部屋を見渡しても彼女は影も形も無かった。
「あーあ、夢かよ」
先程までのことが夢で、現実ではなかったことが分かり安堵してしまう。
流石に部屋に小学生の幼女を連れ込むなんて危険すぎる。
仮に、来たとしても絶対に追い返していただろう。
まあ、あの子はこれからも、この部屋に一生来ることはないけど。
俺は部屋の奥にある冷蔵庫を見ながら、机に置いていた煙草に火を点けようとした、その時だった。
ピンポーン!
またか。
朝っぱらから誰だよと不快感を顕にしながら部屋の扉を開けてみると、扉の前には1人の美少女が立っていた。
「こんにちは、高校生警察官です♪」
「えっ!? 恵美ちゃん!?」
このポニーテールの似合う可愛らしい美少女の名前は山川恵美ちゃん。
俺の中学の同級生だった山川君の妹で、今年に高校生になったばかりの女の子だ。
山川君とは卒業以来疎遠だったけど、妹の恵美ちゃんの方は大学からの帰りに良く見掛けることがあった。
とはいえ、彼女とは特に親しくもなく見掛けたら挨拶する程度の仲だけど。
そんな彼女がどうして俺の部屋なんかに......、いや、そうではなくて!
「恵美ちゃん!? どうしたの、その格好?」
「えへへ、似合ってますか?」
俺は彼女の服装に疑問を持ってしまった。
彼女も由奈ちゃんと同じく、紺色の警察官の制服を着ている。
真面目な彼女らしくピッチリとした着こなし方は見事としか言い様がない。
ただ、そのスタイルの良さから、つい彼女の頭からつま先まで、まじまじと見てしまう。
特に、彼女の首から下の盛り上がっている部分を中心に―。
「お兄さん? ちょっと目付きがいやらしいですよ?」
「え? ええ? いやー、そのー」
しまった!
ジロジロ見過ぎたのがバレたのか、彼女は非難の目を俺に向けてくる。
「前から思っていましたが......、お兄さんって毎回、私をいやらしく見ていましたよね?」
「そ、そ、そんなことないって!」
俺は情けなくも必死に弁解に努めようとするが、彼女の方は全てお見通しという視線を俺に投げかけてきている。
「嘘ですね、女の子はそういう視線に敏感なんですよ? 特に、お兄さんなんかはスカートのあたりを―」
「わー!わー!わー!」
それ以上は止めてくれ、ご近所に聞かれると俺が死ぬ!社会的に色々と!
「ふふ、冗談ですよ」
彼女はいたずらっぽく笑うが、言われた俺は冷や汗もんだ。
でも、まぁ、両隣は誰も住んではいないので余計な心配はしなくても良いんだけど、もし通りすがりでも誰かに聞かれたら、流石にヤバイ!
「そ、それで、今日はどうしたの?」
「えっとですね、今日は改めて、あの時のご挨拶をしたくて」
「あの時って?」
「ほら、私の兄が事故に遭ったと車で駆け付けてきて、私を車に乗せてくれた時です」
「あー......、あの時はごめん」
そう、あれは4日前のことだ。
俺は、彼女の兄が事故に遭って病院に運ばれたのを伝える為に下校途中の彼女を無理矢理、自分の車に乗せたのだ。
だが、急いでいたとはいえ、やり方は少し強引過ぎたと今では反省している。
本当に反省せねば......、あの時は夕方で、人通りが少なかったせいなのもあって大丈夫だったが、下手をしたら警察に通報されてしまい俺の二十代の慶福な人生が豚箱な人生に早変わりしていたのだから。
「あの時は、頭が痛くなってあんまり覚えていないんですが、車内では私がパニックになって気を失っちゃったんですよね? 本当に何から何までご迷惑をお掛けしてしまって……」
「いやいや、あの時は、パニックで意識が飛んだんだろうね。それに、あの時は仕方なかったと思うよ」
彼女は目を伏しながら謝ってくるが俺は、もう終わった事だと思いあまり気にはしていない。
そう、いきなりのことでパニックになってしまうのは仕方のないことだ。
まぁ、あの時の車内での彼女の暴れようは尋常では無かった……。
焦った俺は何とか落ち着かせようとして色々とやって大変だったことを思い出す時はあるけど……。
「でも、お兄さん? いくら緊急だからといって女の子を車に引っ張り込むなんて酷いとは思いませんでした?」
「うぅっ、それは......」
確かに......、本来ならもっと良いやり方を思い付ければ良かったと思う。
今更だが、己の浅はかさに嫌気が差してしまう。
「反省してますか?」
「し、してるよ! 本当に反省してる! 本当に、ごめん!」
彼女には申し訳ないことをしてしまった、今でも十分に反省している。
もっと要領よく出来れば良かったのだが、なかなか難しい......。
恵美ちゃんは、この前の意識を失った後遺症のせいなのか後頭部を軽く手で押さえてたみたいだけど、俺の謝罪を聞いた彼女はニッコリと笑っている。
「嘘付きですね」
「えっ?」
まさか、恵美ちゃんからも嘘付き呼ばわりされるとは。
あの真面目な恵美ちゃんが俺の言う事を信じてくれていないのは悲しくなってしまう。
「ふふっ、いくら急いでたからって女子高生を車に連れ込むなんて犯罪ですよ? そんな悪い人はー、えいっ!」
「うわっ!」
彼女は手を伸ばしたかと思うと、俺に抱き着いてきた。
俺といえば、いきなり抱き着かれて困惑するが、俺を気にせず、彼女は腕の力を強めていく。
密着した彼女の髪からは、ほんのりと甘い香りがする。
それに制服越しにだが、彼女の成長した双丘が体に当たり、俺は顔が赤くなりそうだった。
そんな俺がおかしいのか、彼女はニッコリと笑い抱き着いたまま俺を見上げてくる。
「お兄さん? あの時の事は絶対に忘れないでくださいね? 絶対に、ですよ? 悪いことをしたならちゃーんと反省して、お兄さんは責任を取って大人しく逮捕されてくださいね♪」
彼女の言葉を聞いた俺は、背筋から項にかけてゾクゾクした感覚に陥ってしまう。
俺は遂に我慢が出来なくなり彼女に手を出そうとした、その時だった。
ビービービー!
「んが?」
部屋に設置してあるアラームがけたたましく部屋中に鳴り響く。
俺は布団からゆっくりと体を起こすが、昨日の酒が回っているせいで頭が痛い......。
「あ、あれ? 恵美ちゃん!?」
俺は、先程まで目の前に居た美少女の警察官の名前を呼ぶが、部屋を見渡しても彼女の影も形も無かった。
「あーあ、夢だったかー」
先程までのことが夢で現実ではないことが分かり安堵する。
そりゃそうだ、現実の彼女とはあまり話したこともないし、そう都合良く家になんか来ないよな。
いや、まあ、もう来れないだろうけど。
俺は部屋の奥にある冷蔵庫を見ながら、机に置いていた煙草に火を点けようとした、その時だった。
ピンポーン!
またか。
朝っぱらから誰だよ、と不快感を顕にしながら部屋の扉を開けてみると、扉の前には1人の美人が立っていた。
「どもー、大学生警察官でーす」
「さ、斎藤さん!?」
このセミロングの似合う薄く化粧をした美人な女性の名前は斎藤理恵さん。
彼女とは同じ大学で同じゼミに所属する同級生だ。
とはいえ、休日はほぼネトゲが趣味の根暗な俺とは違い、彼女はいつも明るい、いわゆる陽キャという部類に入る人間なのだが。
本来なら、ゼミの用事でしか話さないような高嶺の花な存在が今、俺の目の前に居る。
しかも、他の2人のように紺色の警察官の制服を着て俺の目の前に......。
「ゴクッ」
思わず生唾を飲み込んでしまうほどに、制服を身に纒った彼女はいつも以上に魅力的に見える。
ただ、警察官の制服なのに何故かミニスカなのか気になるが、それでも俺の視線は段々と下がり気味になり、斉藤さんの履いているタイトなミニスカートから伸びる健康的な太ももに目が釘付けになりそうだった。
だが、そこはなんとか我慢して斉藤さんの顔に視線を合わせて話しを続ける。
「その服、似合ってるね......」
「そう? ありがと」
「あっ! いやいや、そうじゃなくて! 何で俺の家に?」
嫌な予感がする......。
俺は心の中で予感は外れてくれと願うのだが、彼女は含みのある笑顔をこちらに向けてくるので、俺の予感は的中するだろうなと思ってしまう。
「今日はね、前の飲み会の時の挨拶がしたくて」
「え? あっ、前の飲み会ね、あはは」
ああ、やっぱり!
あの時のことか!
「そういえば高田君ってさー、意外と大胆だよね?」
「へっ、え? へ? な、何が?」
無理だとは思いつつ、何とかとぼけようとするが、俺の背中からは、じんわりと嫌な汗が流れてくる。
「前の飲み会の後さ、家に送ってくれる振りして私を家に連れ込んだじゃん? ホントにビックリしちゃった」
「えぁっ!? あの、その……」
やっぱりか......。
そうだ。あれは二週間前の飲み会の帰りでの事、家への帰り道が近いということで、俺は斉藤さんを近くまで送ることになってしまった。
その時の斉藤さんは相当酔っていて足取りもおぼつかなく、俺が肩を貸しながら歩くのがやっとだった。
「そうだ、あの時に俺はやっちまったんだよな......」
斉藤さんに聞こえたかは分からないが、俺はあの時の事を思い出しながら小さく呟いていた。
そう、俺は斉藤さんを送り届ける道中で遂に我慢が出来なくなり、泥酔していた彼女を俺の家に連れ込んで事に及ぼうとしたのだ。
勿論、酔っていたとはいえ彼女からは多少の抵抗はあったが、それでも俺は諦めずに彼女に手を出してしまった。
今更だが、我ながら大胆なことをしたと思っている。
下手をしたら警察を呼ばれて、確実に豚箱行きだったろう。
「あの時はさー、乱暴にしてきて私が何回も痛いって言っても、なかなか止めてくれなかったよね?」
「うっ」
切れ長の瞳で、少しジト目で見つめられては居た堪れなくなってしまう。
そうだ。あの時の俺は、途中で止めたら全てが台無しになると思い、泣き喚く彼女に構うことなく必死だったのだ。多分、酒に酔って気が大きくなってしまっていたのだろう、とにかくやりたかったのだ。
俺にとっては初めての経験で興奮してたのもあると思う。
俺のが体に入った時の彼女のくぐもった声と流れ出した血を見た俺は理性というタガが外れてしまっていたのだろう。
理性の失われた獣のように俺は、彼女の懇願も無視して彼女に覆いかぶさり、自分の気が済むまで何度も何度も彼女に硬い鋭利な凶器を突き刺した。
あれはまさしく、彼女からしても凶器としか言い様がなかっただろう、手で持ちながら先端を見せた時の彼女の騒ぎ声は今でも耳から離れそうにない。
「分かってる? ほんっとに最悪だったんだよ!? とっても痛くて泣いて、血も止まらなかったし……」
「ご、ごめん! あの時は興奮してて頭に血が上って、その、止められなくて、必死だったからさ......」
言い訳にしかならないのは分かっている。
俺は自分勝手な行いで彼女に痛い思いをさせたのを申し訳なく感じながら、自然と右頬に手を当ててしまっていた。
俺の右頬には彼女が抵抗した際に出来た傷がある。
二週間経っても未だこの傷の痛みは引きそうにない、この傷は最低な事をした俺への罰だろうと思う。
「ほんとに俺、とんでもないことをやっちまったんだよな......」
事が終わった後には、自分のしでかした過ちに俺は放心してしまい、彼女の方を見ると彼女は何も言わずに目を見開いて横たわっていた。
俺は、その時は何も出来ず、何も言えなかったが、布団に付着した彼女の血を見ると、遂に俺も初めての経験を迎えたという実感が湧いてきてしまい暫くの間は興奮が冷めやらなかった。
もちろん後になって後悔はしたし、後日には警察が来るんじゃないかとも怯えていた。
だが、ここ二週間は何の音沙汰もないので、ようやく気分も落ち着いた日常を過ごしかけていたのだった。
「そういえば、あの後さ、片付けるのも大変だったんじゃない?」
「ま、まぁね。ははっ……」
うっ、お見通しか。
なにぶん俺も初めての経験だったし、まさか家でするとは思わなかったので、あの後は部屋の処理とかが大変だった。布団にも臭いとかついたりしたので、結局は買い替えるしかなかったのだ。
「ねえ? 高田君ってさ、あの時の事は本当に悪いと思ってる?」
「うん......、今も悪いと思ってるよ。その......、償っても償いきれない......」
飲み会の後、俺の部屋に連れて行かなければ良かったと今でも後悔は大きいし、俺にもっと経験があれば上手くできたのではないかと思ってしまう。
「ふーん? 本当に反省してるんだ?」
「本当だよ! 本当に、ごめん!」
斎藤さんは、俺の話を聞いている間、自身の腹部の辺りを手で優しく撫でていたけど、俺の謝罪を聞いた彼女はニッコリと笑っている。
「嘘付き」
「えっ?」
まさか、斎藤さんからも嘘付き呼ばわりされるとは。
でも彼女の場合は仕方ない部分もあるかもしれない、なにせ俺の初めての相手なのだから。
「ねぇ、酔った女の子を無理矢理に連れ込んでやるなんて、とんでもない犯罪と思わなかった?」
「うっ、事実だから否定はしないよ」
「ふーん、じゃあさ、 あの日のことは忘れないでよ? あんな経験させられて……、ううん、もう二度と私とは経験出来ないから......」
彼女は俺の唇に右手の人差し指を這わせながら、そっと耳元へ囁いてくる。
その甘美な声から発せられた言葉が俺の中にある神経を高ぶらせて、俺の呼吸は次第に荒くなる。
「ねえ? 責任……、取って、逮捕されてね?」
彼女の言葉一つで俺の全身がゾクゾクしてしまう。
もうそれ以上の言葉は必要ない。
俺は遂に我慢が出来なくなり彼女に手を出そうとした、そんな時だった。
ビービービー!
「んが?」
部屋に設置してあるアラームがけたたましく部屋中に鳴り響く。
ゆっくりと起き上がるが昨日の酒のせいか頭が痛い。
「斎藤さん?」
俺はつい先程まで居た美人の警察官の名前を呼ぶが、部屋を見渡しても彼女の影も形も無かった。
「あーあ、また夢か」
先程までのことが夢で、現実ではないことが分かり安堵する。
まあ、そりゃそうだよな。
斉藤さんなんか俺にとっては高嶺の花で、普段なら声さえ掛けてもらえないだろうし。
いや、もう声は掛けては来れないか。
俺は部屋の奥にある冷蔵庫を見ながら、机に置いていた煙草に火を点けようとした、その時だった。
ピンポーン
まただよ。
朝っぱらから誰だよ、と不快感を顕にしながら部屋の扉を開けてみる。
そこには、紺色の警察官の制服を身に纏った数人の男達が扉の前に立っていた。
今度も夢か。
だが、俺には野郎の趣味なんか無いんだけどな。
「警察だ。高田祐也だな? 殺人の容疑で逮捕する」
1人の警察官が、何か文字の書かれた白い紙を俺の前に突き出してくる。
銀色に光る手錠を腕にかけられ、外に連れ出された俺はすっきりとした顔で空を仰ぎながら叫んだ。
「あーあ! 今度は現実か!」