ある日の日記・94回
九十四回
二月二四日
1、
あんまり音がうるさいから
僕は、機械の音の中に入っていきます
ダンダン機械の音が僕の背中から遠ざかっていき
ダンダン、ダンダン
僕は前へ進みます
すると、とても美しい夕日の海が見えてきました
僕はいつもその風景を見つめながら心を癒します
あまりにも機械の音がウルサイので
僕は、その機械の音の中に入っていき
そして、いつも夕日の海を眺めています
アァ~、早く本当の海を眺めてみたいと、僕の心は機械の音の中に入っていきます
2、
あんまり音がうるさいから
僕はパチンコの音の中に入っていきます
ダンダン、パチンコの音が僕の背中から遠ざかっていき
ダンダン、ダンダン
僕は前へ進みます
するとそこには、凧揚げをしている子供の頃の僕が見えます
僕はいつもその頃の僕を見つめながら
昔を懐かしく思い出します
あまりにもパチンコの音がうるさいので
僕はそのパチンコの音の中に入っていきます
そしていつも凧揚げをしている僕を見ています
アァ~、早くあの頃の僕のように
生きている喜びを味わいたいと
僕の心は、パチンコの音の中に入っていきます
3、
あんまり周囲がうるさいから
僕は雑踏の騒音の中に入っていきます
ダンダン、雑踏の騒音が僕の背中から遠ざかっていきます
ダンダン、ダンダン
前へ進みます
すると、そこには二人で手をつないではしゃぎ回っているあの時の僕達が見えます
僕はいつもいつも、その二人連れを見ながらあの頃のことを思い出します
あまりにも雑踏の騒音がうるさいから
僕は雑踏の騒音の中に入っていきます
そして、いつも二人で手をつないではしゃぎ回っている、あの時の僕達を見ています
アァ~、早くあの時の恋がもう一度戻ってくるようにと
僕の心は、雑踏の騒音の中に入っていきます
自由詩『音の中へ』より
お粗末しごくです。
ハイ!
僕は別に彼氏のことを踏みにじろうとゆう気は無かったのです。
先の日記にも記しているように、さんざん彼氏の事は気を使っていたのです。
しかしこうゆうことをしてしまって、
「やっぱりあの人は冷たい人間だから、こうゆうことが出来たのね! まったく他人の悲しみも思いやらないでねぇ!」
――と言う、批難を受けて、また僕の心はグラついてしまいました。
もし僕さえこのようなことをしなければ、彼はあんなにもしょげることはなかったのに、
僕がこんなことをしたばっかりに……
アァ~、僕はどうしたらいいのでしょうか?
君達が言うように、
「彼のことは彼として付き合っていきたいし、藤田さんとの事にしても別に振りたいとゆう気持ちはないの。だからねぇ~、あの人とのことに関しては、ウチ達の兄貴とゆう間柄になってもらうことにしたの!」
「でも兄貴になってもらって、いったいどうするの?」
「どうするの? って、別にねぇ~、ただ兄貴になってもらうだけよ!」
「そうねっ、あの人は好きなのよ! そんな風にして、他人の娘を自分の姉妹のように世話するのが。
ちっともあの人は男として女の娘を誘ったりしようとしないのよ! それで良いんじゃないの。あの人にとってはそれでも嬉しいんじゃないの?」
「そうね! だからウチ達もそう決めたの」
マァ~、そうゆうことになってしまったのでしたら仕方ないでしょうね!
チョッピり物足りなくはありますが、僕にとっては、そうゆう風に思われるだけでも喜ばなければならないのでしょうねっ!
それに、ちっともしゃべりませんし、彼氏という立場で彼女を楽しませるということも出来ないと思いますし。
その事を思えば、こうして君達の兄貴とゆうことにしてもらうだけでも喜ばなければならないのでしょうね。
それでもいいんです、それでも……
とにかくさあ、手紙だけとゆうんじゃなくて、何かしたり、買い物したりする時でも、付き添い人として、僕を君達のそばに置いてくれませんか?
何でもしますよ!
なんでも言うことをききますよ!
だからまったく関係を切るということはなさらないで下さい。
とにかく、僕は君や君の友達と、友達やら付き合い人やらになりたいのです。
ただそれだけなんです。
何も男として君達を引っかけるようなことはしませんから……
そうでもしないと僕はいつまでたっても君達(会社の娘達)と仲良くできるようになれませんし、
今の僕には、ささやかながらでも、そういったきっかけが必要なんです。
だからこのままほうむりさるような事はなさらないで下さい。
お願いします!
せっかく精魂込めて書いたとゆうのに、そんな冷たい仕打ちをされたら、本当に僕は涙が出てきますよ!
とにかく彼氏のことも、僕のことも、あまり悲しませないように、うまく計らって下さいよ!
本当のことを言えば、君と……
アァ~、今日のところは本心を言わないでおくことにしましょう
お休みなさい。




