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一滴の波紋【原文】1巻の2  作者: 藤田 ユキト
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ある日の日記・90回


九十回



 僕が君のことを思いつめて苦しんでいることは、風の便りに少しは聞いているのでわないでしようか……?



だからとにかく、しばらくの間だけでも僕の我がままな愚痴を聞いてもらいたいのです。


それで今回は、今まで君に寄せて書いてきた愛の告白の日記の中から、一部分を抜き取って記載させてもらおうと思います。



それをお読みになって、少しでも何か言いたい気持ちが起こりましたら、返事をもらいたいのです。


では、今日のところは、この辺にしておきます。


また逢う日までさようなら……



 こんなことをするなんて「気が狂ってるんじゃないか?」とゆう批難を受けるかもしれません。


確かに今の僕は気が狂っているのです。


イエ、気が狂っているからこそ、その病を治したいために、このようなことをするしかないのです。



アァ~、どうかこの僕の真心を君が素直に受け止めてくれることを神に祈ろう!


そして待っています。


君の返事を……。



もう半年も一年も待たせるような冷たい仕打ちはなさらないで下さい。



・・・・・・・・・・・・


 とうとう君との約束を破ってしまいましたね。


このまま打ち明け合わずに、永遠に闇の中に葬り去ろうとゆう誓を破ってしまいました。



僕にはもうこれ以上、とても我慢が出来なかったのです。


そして確かに君に僕の気持ちが通じているとゆうことを確かめたかったのです。


たとえ今回のように、手紙を出して現実の上で、実際何か事が起ころうとも――


僕は相変わらず君を思って、君に対しての愛の告白を書き綴っていくものと思います。


ただひたすらね……


 だからもしこの日記に書いてきたことが本当だとしたら――


これまでのように、日記の中だけで語り合い、友達としていってもいいのです。


君さえその気があったらね!



 しかし、それはそれとして構わないことだとしても――


やはり実際に、この日記に綴ってきた僕の気持ちとゆうものが、確かに君の方へ届いているという確信が欲しかったのです。


それさえ得られれば別に僕は、何もこの日記に綴っていくことをやめる必要もないのです。


それに面倒臭がり屋ですからね!


いちいちこの下書きを清書して手紙として君に出すことも大変な作業ですので。


君は相変わらず、暇があったらこの日記を読んでも構わないのです。


ただそれでも、今までのことにおいて物足りなかったことは――


やはりいくら自分から君(君達)に語りかけても、君(君達)からは、チットもそれに対する返事をもらえないということ――


その事が、もう今までのやり方では、とても続けていけないとゆう、苦しい境遇に追いつめられたのです。


本当にもうかれこれ五、六ケ月ですからね!


君(君達)から何の返事ももらえないながらも、毎日毎日書いてきた、この大変な作業というものは――


もしこのままの交際を続けていくにしろ、今度からは、たまに君(君達)から暖かい返事(何でもいいんです)をもらえるようになりたい。


そうでなければとても……

耐えられないんです!


「そんなら止めたらいいじゃないの!」とおっしゃっても――


アァ~、何と冷たい言葉なんでしょうか。


僕がこの作業を止められないという苦しみは分かっているくせに――


そのような冷たい言葉は、吐かないで下さい。


とにかく僕は相変わらず、暇をぬってこの日記を綴っていくだろうと思います。


そしてまた君(君達)とも相変わらず、とぼけ合っていくだろうと思います。


 しかしとにかく、ただ一言、僕に言って下さい。


「今やっている作業を、このままづっと続けていって」とか――


「日記に書いている通りの事が起こっているのよ!」とか――


何か、この日記を通して君(君達)とかかわりあっているとゆうことを信じられるようにして下さい。


それさえ聞くことが出来れば、僕は安心して、また今まで通りにこの日記の中で、君達と語り合い、友達でいることが出来るんです。



 とは言え、君も、もうそろそろ婚期が近ずいていることでしょうし――


いつまでもただこの日記を読みに足を運ばせ、読むということも出来なくなるだろうという時期も来ると思います。


それでもとにかく、今の……


これから続けられるしこ、続けていきましょうよ、ねっ!



 僕という人間は、皆が言っているように――


話ししても、チットも面白くないとゆうような――


退屈極まりない男なんです。


だからもし実際現実に会って話ししたら、今までのイメージというものが壊れて、幻滅するのではないか? とも思うのです。


だから本当は会わないで、このままづっと文通友達という間柄で通すのが一番良いのかも知れません。


 しかし、まぁ……


それもハッキリしたものではありませんし――


とにかく、君(君達)から返事が来るのを待っています。


何でも良いんです、ただの一行でも、何行かでも――



とにかく君(君達)の言葉が聞けたら安心できるんです、気が楽になるんです。


だから必ずよこして下さい。


僕は相変わらず、暇をみてはこの日記に君(君達)との愛のドラマを展開していこうと思っています。



 しかし、もし君の方に一緒になってもいいという気持ちのひとかけらでもあったら、その事を決行しても構わないのです。


イヤ、僕もそれを一番願っていることなんです。


しかしこのように何の取り柄も、力も持ち合わせていない僕にとって、君にそういう大それた言葉を吐くほどの勇気が出せないのです。


しかしもし……


本当に君にその気持ちがあったら、僕は我が人生最大の勇気を奮い立たせて、事に臨まなければならないと思います。






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