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一滴の波紋【原文】1巻の2  作者: 藤田 ユキト
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ある日の日記・82回


八十二回



 ただ、確かにそのような兄弟(姉妹)じみた団結心を作ることはいい事ですが――


しかしそれもある程度、限度があるのでわないでしょうか?


見て下さい!


いくら身内が、寄り集まって幸福な家庭を築いているからって――


その中に同居している者同士は闘争することもせず、お互いを磨き高めようとゆう努力をはらいません。


 いわば家庭と会社との根本的に違う所は、その点にあるのだと思うのです。


家庭は憩いの場所、会社は自己と相手を磨き高める場所――


それだけのけじめがあってこそ、人間は幸福境涯にドッカと腰をすえて、しかもなお外へ出ては自己を磨き高める闘争の明け暮れに耐えて行くことが出来るのだと思います。



 もう時間がありませんので結論を先に出しておこうと思います。


いわば、今の加工課の連中に何か一つかけている物があると言ったのは、その事なんです。


自己(お互い)を敬い、磨き高めていこうという闘争心がないのです。


ただ、のんべんだらりと、刹那的快楽に浸り、馬の顔がもう一段伸びたような――

ヌポーとした白痴みたいな顔になるのです。

が、しかし――


たとえ自分がそのような、自己を鍛え、磨き高めようとすることに優れている(徹している)と言っても――


やはり微笑ましい身内同様の振る舞いが出来ていないことは、反省しなければならないと思っています。


「思っている、思っている」とばかり言っていても――


チッともなおそうとしていないじゃないかと、君達はおっしゃいますが――


僕はその努力を払っているのです!


イエ、最近それを直すために、徐々にでわありますが、ある活動を試みているのです。


確かにそれによって、少しずつ直せていけそうな気もしますし、今でも徐々にではありますが、その兆しが現れ始めているのです。


 それはまだ君達の目にはかからない、微々たるものですから分からないと思いますが――


確かに直りつつあるのです。


 だから今現在の自分の姿だけを見て、他愛のない嘲笑をする事などよして下さい!


そのように浅はかな愚行をしていたら、いつの間にか、とても自分にはおよばない、惨めな敗残者に陥らざるを得なくなりますよ!


以後気をつけてたもんせ!




 まだまだ今の自分には、そのような他愛のない愛情の安売りはしたくないのです。


本当の寛大なる愛情を自己の内に確立した時、初めて僕はその真の愛情を彼等の鼻っ先に突きつけて、見せびらかそうと思っています。


もしその日が訪れたなら、とてもとても彼等の愛情など、僕の高貴さに比べたら、恥ずかしく思い、コソコソと逃げ回らなければならなくなるのです。


 だから僕は、彼等の愚かな醜態を寛大に許して、当分は彼等の嘲笑を素直に受け止めていようと思っています。


それによって、自分の高貴な愛情も、着々と確立されることにもなりますからね。


 しかしなんと言いましても、もう少し人にかかわり合う努力を払わなければなりませんね。


とにかく今は、最高に気持ち(生命)が充実しています。

何せ、彼等からの冷酷な批難、嘲笑を受けて、自分は自己のいたらなさを省み、鍛え直して、すこぶる成長しつつあるのですからね。

彼等には、とてもこのような芸当など出来ないでしょう。


常時、楽な方へ楽な方へと流れている彼等には、とても自分のような、自己を高めていくやり方など、真似できないことでしょうね。


 それはそれとして仕方のないことだし――

やはり人間には持って生まれた天分というものがあります。

低い次元で甘んじ完結する低級の霊も居るでしょうし――


より高度な次元を求めて、あえて苦境のまっただ中に飛び込んでいく高級な霊もあります。


だから皆それぞれ自分に合った生き方をしていったらいいのでしょうね。




 マァ~、僕は僕なりのやり方で人生を充実したものにしていこうと思っています。


僕の生き方というものを彼等に押しつけたとして、彼等には出来るはずもありませんし――


また、それはそれとしていち人生の送り方として認めていますから。


僕は彼等の生き方に何も口をはさむ気はありません。


また、彼等にも自分の生き方に口をはさませはしないつもりです。


彼等から教わることは何一つとしてありはしませんし――


彼等から教わるくらいなら、み仏にすがってその道を指し示してもらった方が、よっぽどまともな教訓を授かることが出来るのです。



 だからもし彼等が僕のいたらなさを指摘して、改めさせようとしても――


僕は受け入れやしないのです。


第一、人に道を教えるのに、おしつけがましくすることなど、とんでもない事です!


こういうのを、小ざかしい凡人が自惚れ考えだす、傲慢な態度というのです。


ガキの集まりじゃないんだから、もっとましな闘争をしましょうよ!


ただお互いを、自己のちっぽけな思想でもって、けなしあっていても、ちっともうだつが上がらんのぞ!



 これからの自分には、み仏にすがる信仰が有りますから、まだ彼等より救われる確率は高いのです。


しかし彼等には、およそ今以上に成長することなど(真実の人間を目指しての成長)望まれないことでしょうね。


可哀そうに!……




 とにかく昨日の逆説めいたカラクリを彼女に見破られて、また彼女は――


「手紙出さないわ! もっと書かせるために、もうしばらく放っておくわ!」


――などと、冷たく笑いながら突っぱねて下さった。


そんならそれで良かたい!


書いて書いて、書きまくって――


さんざん彼女や、彼等に反発していくさ!


ということで、今日はひとまずお別れとします。



 しかしながら、このドラマはいつになったら完結するのでしょうかねぇ~。


もういい加減うんざりしているのですよ、僕は!


「「お休みなさい」」




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