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一滴の波紋【原文】1巻の2  作者: 藤田 ユキト
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ある日の日記・70回


七十回



 今後はただひたすら心を入れかえ、この気違いじみた妄想から脱し、まともな精神状態になれるように仏にすがっていこうと思っています。

心を入れかえさえすれば、まだまだ自分の生きのびていく道は開けてくるでしょうし、今の自分にはこの方法にすがるしかないのです。


 今までさんざん君達や彼等と語り合い、反発しあい、いがみ合った思い出を懐かしく心の奥底にしまい、これからは、ただ立ち直ることだけに精進していきたいと思っています。


 今までさいさん心をもてあそんできたことを深くお詫びして、ひとまずこれでお別れとします。



「「アッハッハ!」」


 実に愉快なことになりました。

信仰などと――

自分でもあきれるほど弱気になったもんだ!

もう皆の笑い者になるのは覚悟の上です。

とにかく長続きするのかどうかは分かりませんが、一度経験して何かが変化することをためしてからでも良いじゃないか!


とにかくねっ――


君達も、今後の自分の変わりようを記録していったら、きっと面白い喜劇が作れるでしょうねっ!


こうご期待を!



 今は頭の中はカラッポ!

何にも考えることなんかありゃ~しない。


何も煩うことなんかありゃ~しない。


今は全てが空無である。


彼女のことも。


会社のことも。


同僚達のことも。


自分自身のことも。


何にも考えはしない。


何にもありゃ~しない。


 自分がこの世に生きている実感さえも感じられない。


今、俺はどうしているのか?


生きているのか?死んでいるのか?


今は何もかも忘れてしまった。



 人は今の自分の姿を見て、完全に気が触れていると思うだろう。


たしかに――


イヤ――、そのように気が触れてる自分自身の存在というものすら、もうこの世には存在していないのだ!


たしかに全てを捨ててしまった。


何もかも忘れてしまった。


そしてまた新たに生まれ変わる為に。


今は真空の空間を意味なくつっ走っている。


何も考えないで。


何も煩わないで。


そして息をしている。


ただそれだけさ!



この空無の世界から、何が生まれてくるというのか?


ただ、今は何もありゃ~しない。


全ての過去を忘れてしまった。


そして、また新たによみがえろうとする自我が生まれてくるのを待ち望んでいる。



今はただそれだけを待ち望んで息をしている。


ただそれだけさ!


気狂い(きちがい)?……


そんな自分自身なんて、この世には存在しないのさ!



今の自分には忘れることが必要なのだ!


捨て去ることが必要なのだ!


全ての憎しみを……


全ての悲しみを……


全ての……


退廃を……


そして自分自身を……



 何も心配しないでくれたまえ!

僕は何も気が触れてなんかいないのだよ!

たしかに人の目からは異常と思えるような言動をしているかもしれない。


 しかし今の自分には、たったこの二日間の休日でさえ、もてあそぶほどに目的がないのだ!


やることがないのだ!

何にもないからって、ボケ~ッとしているのも無意味なことだし、従っておそまきながら単純な詞を作り、そして曲をつけている。


その事については自分自身まったくヘタで、よくもこのようなものを作る為に時間を費やしているものだと呆れ果てます。


 しかし思ったより創作することは難しいものなんですよ!

聴くことは簡単なものだし、もう僕には飽きてしまった。

だからたとえ今ヘタであっても、この機会を生かして、この先チョボチョボと作っていこうかとも思います。



 ママさんの所にも行かなければならないのだけど、今はママさんの事さえ忘れてしまった。

これが一時的なものであったらいいのだけど、とにかく忘れてしまったのだ。


 君達のことも――ねっ!


また正気に戻ったら色々語り合っていくと思います。


イエイエ!


今は本当に気が狂いそうになっているのかもしれません。

前にこの日記で予言していたごとく、その日が刻々と近づいているような気がします。


しかし……


その解決法として、ただ一つ残っていることは信仰の道なんです。

 来週から本格的に身を乗り出そうと思っています。

そしてそれによって自分自身が生まれ変われることを期待しています。





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