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一滴の波紋【原文】1巻の2  作者: 藤田 ユキト
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ある日の日記・63回


六十三回



 (ナニ)のことで言うなれば、正常位だの

なん? だのといった

ごくありふれたことでは満足できなくなり、サド、マゾ的行為をしなければ気がすまないといった所です。

そのパターンが、今の我が生き方にアリアリと現れている訳です。


 つまり普通一般の人なら、余暇を利用してレジャーやドライブやスキー、スケート、山登りなどといった

幸せ一杯の楽しみ事を求めるのに夢中になっていますが。

僕は、……マァ~、……ネェ~――

僕は別にそのような楽しみ事――

幸せを味わってはいませんが。

今の所、返ってそれと反対のこと。つまり――

これは決して強がりやなんかじゃありませんよ!

あまりにも人生に余裕がありすぎて、今は遊んでいるのです。


 失恋劇に没頭し、人から憎まれ、孤独の部屋に閉じ込もって

その辛さ、苦しさ、寂しさ、空しさ等を受けて、返ってオルガ〇〇〇に達しているような気がするのです。

それに浸っている内は、表面上、苦の一字を味わいっぱなしでいますが

本当は自分の意識の奥に潜む自我という我欲を心ゆくまで満足させているような気がするのです。


 それがいつ終わりを告げるのかは分かりません。

ただ――

ネェ~――


 もし仏門に入って、そのような邪心を払い除けたなら

もうこんな今世紀最大の喜劇など創作出来ませんし。

そのことを思うと、やはり苦しくはありますが、仏門に入らずこのままの生活をしていたいという未練も残っているのです。

そのことが、こうも自分を仏門に入る意志の足を引っ張ってどうしようもないのです。


 とにかくまだ白紙、白紙、白紙。

この先、どのような行動をとるか?

何が生まれてくるのか?

見当もつかないのです!


 このような年にこそ、返って思いもよらないような出来事が繰り返し繰り返し起こって

予定外の素晴らしい喜劇のドラマが展開されるかも分かりません。だからとにかく様子を見てみましょうか?

僕と一緒に君達も……


 何せ、本当に自分は何にも事を起こそうという腹はないのです。

しかし昨年のことを例に取り上げてみましても、自分がやりもしないのに自分の手でやったかのように仕向けて、色々な旋風を巻き起こしました。

このようなことが今年も相変わらず続きそうな気がするのです。


 この――


 本当に愛想もこそも尽き果てている悪霊達がドンドン喜劇の下絵を作成し、自分の手を通して、実際現実に事を起こさしめているのです。

だから僕にも分かりません。

今後どのようなことが起こるのかは――

そして自分もどうなっていくかは――


 だからとにかく、君達と共に成り行きを見ているしかないのです……



「アァ~、しまいには嫌われるぞ!」


――ということは、どういう意味ですか?


 そんなにイヤらしいことでも書きましたか?

1つ心当たりがあるのは彼女(モタイ殿)のことですか?

イエイエ!

もう彼女のことは、この喜劇の世界にだけ出てくる登場人物だという存在でしかなくなっているのです。


 何も彼女の意思をぐらつかせて、自分の方に引き付けようなどという打算心は、これっぽっちもなかったのです。あの時は。


 しかし今日、その噂が立ち


「奴もしつこい奴だなぁ~。まだ諦めないでいるよ! いくらやったって、彼女の心はぐらつきもしないというのに、バカな奴なぁ~。しまいには嫌われてしまうよ!」


 という会話を聞いて、チョッピリ残念な気も起こり反省もしたのです。

彼女にしてみれば、現在たとえ彼氏がいても、それとは別に、男として僕のことを好きだという気持ちを風の便りに聞いていますし。


 ただそれが本当の恋にまで発展しないことがチョッピリ寂しくはありますが。


 しかし……


 仕方ありませんねっ!


 彼女からそれだけの好意を抱かれるだけでも、光栄だと思わなければなりませんし

これ以上、しつこくすることは、むやみに彼のオツムをカキムシルことになりますからねっ!


 彼さえ居なければ、ドンドン彼女への愛の告白を綴るのだけど

ただそのことを思い、せっかくの素晴らしい恋文を、未完成のまま据え置きにしておくしかありません。

それにいくら書いても彼女の意思が変わらないものだったら、書くのもバカバカしいですしねっ。

口に出すことはやめにしときます。


 ハイ!


 僕は彼等に妥協したんじゃないんだ。

いつまでも自分の我にこりかたまった思想を盾にして戦ってみても

しょせん、僕はかないっこないことを自覚したのだ。


 この世をイキイキと生きていく為には、欲がなければならない。その欲がある方がよっぽどまともな人間だし、誰、彼にも少しずつは違った欲というものがある。


 その欲を求めることは決して人道に反するものではないし、人間として当然の権利である。


 その欲がなければ、人間成長するものではないし、イキイキと生きることが出来ない。


 そのようにして生きている彼等に自分のような無欲な人間がかないっこないのだ!

何せその無欲な為に、今の自分は彼等に相手もされないように死物化しているのだからねっ。


 僕にも欲がほしい。

 イキイキと生きていける生への執着心がほしい!


 今の自分には何か?すがれるものが必要なのだ!

生きていて悔いの残らないような生き方をさせてくれる教えが必要なのだ。

欲のある人間にとっては、その欲を求め、満たしさえすれば満足を得られる。

そのような者達にとっては、およそ仏にすがることなんか必要ともしないことだろう。


 今、自分が言いたいことは、自分がたとえその仏にすがりついても、その行為が人間として消極的な気持ちから発しているのではなく、彼等が欲を求めて、生への満足をむさぼりつくしたいというように、自分もその仏にすがって、生への満足を満たしたいがためなのである。

彼等にはそのような欲を源泉として、その生命を燃やし尽くすことが出来る。


 しかし自分のように全てに欲がなく、そのより所を知らない者にとっては、その仏のみ教えに従って、生命の泉から、生への満足をくみとるしかないのだ!

結局、根本から求めているものが違うということで、彼等は彼等なりに、自分は自分なりに生きていくしかないのだ。




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