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一滴の波紋【原文】1巻の2  作者: 藤田 ユキト
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ある日の日記・61回


六十一回


一月四日



 俺は家庭もあり、妻も、子もいる人が、平然として他の若い娘と良い仲で過ごしていることが、どうしても理解できない!


 あれほど奥さんが家事の仕事を立派に務めていて、子供は彼がやっている大人のイヤらしい遊びなど微塵も知らないでいて

それで亭主は妻にも隠し、そしらぬ顔をして若い娘の所へ遊びに出ている。


 いくら長年一緒に暮らしていたら、妻の味も味気なくなり、家庭の中に縛り付けられているのが窮屈だといっても、ネエ~ッ!


 やはり今の俺には浮気をする者の真心を疑いたくなる。

そのようなことをしている彼の奥さんの顔を見ていると、何とも可哀想になってくる。


 いっそう……


(これは一瞬の夢ごとであるが)


 彼の奥さんを一目見た時、自分勝手ながら僕の人間性、心を理解してくれそうな人だと思えたのだ。

それに顔立ちも同じ郷里の出身とかで、いくらか惚れる気持ちが湧いてきたのです。


 だから自分が――

我が身を貸してやって、彼への復讐の念をはらすのに一役買えたら――

ということを考えたのです。


 つまりですよ――

自分と良い仲になって、彼と同じことをやってみようか――

などとねっ!


 このような夫婦の裏切り行為というものは、世間に大勢いたむろしていると思うけど

それでも彼の奥さんとは何かの縁あって知り合ったのだから、この一つの機会を利用して――

などと考えもしたけど、結局やはりイケナイことですねっ!


 男は自分勝手な生き物ですね。

それに腹を立てて奥さんまでが同じことをやったら、それこそ完全に家庭はメチャクチャになります。


 女の人は可哀想ですね!

そんなに好き勝手なことをしていると知っている亭主を持っていても、ジッと我慢していなければならないのですからねっ!


 アァ~!


 このことは彼の耳に は入れないで下さい!

このようなことを言ってみても、僕も鼻から彼を毛嫌いする気が湧いてきませんし。

ただ感じたことをありのまま書いただけですから――ねっ。


 最後に一言。

そのようにもてあそばれると分かっていても、ついていく彼女(現代の娘)の気持ちが知れないのだ!

そのような男を相手にするよりも、自分の方が――


 あぁ~!これも大して代わりありませんか?

実に面白くない男ですからねっ。僕も!


 とにもかくにも、今の自分にとって一番必要なことは、この孤独の部屋に閉じ込もって、いらぬことをグチグチ思い煩っていることから脱することなんだ!

力もありゃ~しない!

もっと色々な力をつけなければならないことを痛感している。


 しかし今の自分にとって、そのようなことに気を煩わせていることよりも、人との心の通いの気持ちを自分の心に取り戻すこと――

これが一番重要なことなんだ!


 どれかの宗教に入会して、信仰でもおっぱじめようか(始めようか)?と思っている。

今のままでは、にっちもさっちもいきませんからねっ!

死んでいるのと同じことです。


 だから今までの過去の自分を滅して、心新たに、新しい自我を切り開いていきたい。

これも今後どうなるか分かりませんがねっ!

何せ、僕は気まぐれで――

本当に自分でも、どうしようもないくらい。

益々、内に閉じ込もってきているようで、苦しい――


「陰気な人だ。話したってチッとも面白くないよ!」ということで、益々、人から毛嫌いされてきています。


 もう何も考えてはいけないんだ!

とにかく心を改心させる為の方策でも練らなければならない!


 田舎へ帰らないで一人で過ごしてみても、何か内面的に変わることを期待していたが、

別に何にも変わったことも起こらず。

それに相も変わらず君達(悪霊君)が付きっきりで煩わされどうしの毎日(休日)だった。


 明日から新年の仕事が始まる予定だが、はたして去年のようなうっとうしい気持ちから脱して、晴々とした気持ちで臨めるだろうか?

その期待はゼロに等しい。

まったく変わっていないのだ!

何にも得るものがなかったのだ。


 しかしとにかくこれからでも何か新しいことが生まれてくることを期待してやり始めようと思う。

予定の四月頃まではねっ!


 その後はどうなるのか分かりませんが!

今年もいよいよ幕開けとなりましたねっ!

目下のところ白紙です。


 また今後、何が飛び出すか分かりません。相も変わらず彼等とにらみ合いが続くかも分かりません。


 しかし、|おっ始めましょうか!《おっぱじめましょうか!》

お互いの成長を願ってねっ!


 今世紀最大の喜劇を作成する為に、君達もせいぜい腹を立て、この僕の作業にご協力下さい。


 自分には全ての欲がない。

ゆえにその欲を求めて、自分が生き生きと生き返ることは出来ないだろう。

それ故に自分が生まれ変われる道は、信仰の道に帰依し、み仏のお導きに従っていくことしかない!


 はたして没頭出きるかどうか分からない。

もし没頭できたら、鮮やかに自分は蘇ることが出来るだろうし、過去の暗いイメージも吹っ飛ばすことが出きるだろう。


 今は、ただその事を期待するしかない!




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