プロローグかな?
此処は異世界アルティディア。
人口は約10京人と、人数の量の膨大だけに設定をつぎ込まれた、その言葉通り人数以外誇れるものがないと言われる世界でもあった。
英雄と勇者の数が高いより少ない此処で、伝説とまで言われた少年がひとり。
彼はアルティディアで生まれ、のちに世界全体に知らない人はいないほど名を知らしめた者である。
英雄と勇者が合わせて五十人以上いることが平均である世界の中でも上位に達する世界に、そして果てには世界を操る世界のシステムまでに―――。
この物語は、少年が伝説となり名を轟かせる50年前まで、時がさかのぼる……。
ぺらり。ぴらり。
古びて傷のついた本棚が何十もずらりと並んでいて、存在感を放っている。
中世ヨーロッパの図書館と言う感想がぴったりな雰囲気で、そのどれもが眼に映りきれないくらいに大きい。
そんな本棚が集まっている真ん中の辺りで、やや存在感の薄い少年が本を捲っていた。否、存在感が大きすぎる本棚の中で存在感が劣らない方が可笑しいとも言えるか。
少年が本を「捲っていた」というと簡単に聞こえるだろう。
しかしそれを捲る速度は本当にちゃんと読んでいるのかと思うほどに速かった。
ぱたん。
少年は本を閉じた。
はあ、と深く大きなため息をひとつ。
彼の居場所はある、家もある。基本とされる、魔力もある。
しかし彼が住む町では、彼の居場所がない。家は空っぽで、魔力も最近まで全くないと思い込んでいたし、当たり前だが魔術も使えないと思っていた。
自慢に聞こえるために街の皆に明かそうとは思わなかったし、そもそも明かしたとて今の彼では実力が足りない―――とは彼が思いこんでいるだけなのだが。
「旅とかできるのかな、僕にも……」
羊皮紙で作られている本の表紙を見つめて、少年はひとつ目標を立てる。その本は、一人の英雄の名が記されていた。
少年の名を、ルネックス・アレキ。
彼はのちに世界をも変えて、名を轟かせるだけではなく全ての概念を揺るがしてしまう存在として知られる人物である。
そうとは知らず、今は幼い少年であるルネックスは自分の腕に着けてあるブレスレッドを見つめた。
「そうだったなぁ。僕がこうしてここに居られるのも、君に、助けてもらったからだっけ」
そう言うと、タイミングを見計らったかのように、ブレスレッドから手のひらサイズの女の子が出てくる。
実際その女の子の思惑は、主人の声が聞こえたから出てきただけなのだが。
「えっへへー! ありがとう! あたしもるねっくすにいつもたすけられてるよ!」
「……でもまあ、街での立場は相変わらず。僕が明かさないのも僕だけど、何とかできないものかなぁー、なんてね」
「うん、るねっくすがくるしんでるのみるの、かなしい」
ルネックスがいるこの書庫、実はブレスレッドの中でルネックスと女の子が創作した世界。ブレスレットで作るなんて頭が可笑しいと言われるようなものだが、今の彼らにとってそれはもう常識になっている。
そしてこの書庫は、どんな知識もあるようにと、そう願って創り出されたもの。
ルネックスと小さな女の子はこれまで幾度もいろんな場所を作り上げ、魔術と魔力操作の腕は両方とも世界の頂点に届くかどうか、というギリギリのレベルに達している。
しかし、彼はそれを村人には知らせていない。何故かと言うと、もう十分まで成長してるのに彼はまだ己が弱いと思い込んでいるのだ。
そしてそれは、まわりに偉大なる存在がいるからで―――。
「フェンラリア、大精霊の力とかで何とかできないかな。僕はいいから、ロゼス達はこのままじゃいけないと思うんだ」
「でも、あたしのちからはおおきすぎるから、勝手に使うと、ね?」
ルネックスはこくんと頷いた。フェンラリアの力を村で使われたら、確かに村ごと吹き飛んでしまうだろう。
大精霊なんていう偉大な存在がいるからこそ、ルネックスは自分が弱いと思ってしまっているのだが。
何故その大精霊の力を理解していながら、自分を弱いと思えるのか。
「うん。そこでなんだけど……冒険者になるのって、良いと思う?」
「るねっくすが良いと思ったなら、あたしにとめるけんりはないよ!」
誰もが知る大精霊。
緑の髪をポニーテールにし、それでも腰まで髪が伸びている、真っ白なワンピースの女の子。
伝説級の力を持ち、世界を半分に分けたうちの右半分に存在するすべての精霊をまとめる長であり、その名をフェンラリアと言う。
属性は風。風の全ての精霊は彼女に従う。他属性も彼女に逆らうことは無い。
誰もが知り、誰もが近づこうとするものの失敗してきた精霊は、今ルネックスが掌握している。
そう、この彼らの決意こそが、のちに世界を揺るがすことになるのだ。
―――静かに、優しく、それでいて、咲き乱れる、美しい華へと変われ。
休日にひっそりと投稿します。
たまに更新速度がめちゃくちゃ遅れたりもしますがご了承ください(゜-゜)
タイトルの語尾に「かな?」がつくのが特徴です。
武器の名前、スキルの名前、人物の名前いつでも募集中です。