あとがき
物語を思った通りの方向へ動かす、"制動力"のようなものが無いと痛感した約1ヵ月でした。
当初の予定通りになったのは「富樫圭悟が消滅する」という終わり方と最初の1、2話だけです。
序盤でこのくらい大丈夫だろうと許容していた誤差が、徐々に無視できぬ程に大きくなりもはや誤差とは言えない程に予定と乖離しはじめました。
まず、富樫圭悟についてですが、彼をあんなよく分からないキャラクターにするつもりは全く無かったです。
転生した理由が軽すぎるってのが面白そうだなと思ってそうしたんですが、よく考えてみれば1話で滅茶苦茶重い感じに転生してるんですよね。これは完全なる私のミスです。
力についても最初にしろ最後にしろ強くし過ぎました。途中の瞬間移動の件とかも当初の予定からは大きくずれた行動です。
最後の方は許して許してとのたまっていましたが、これもやはり当初の予定ではちょっと精神不安定な青年という感じにしたかったんですが、実際は頭おかしい人みたいになってしまいました。
縋木徒紫乃についてです。
彼女は富樫圭悟に好意を寄せている所謂ヒロインなのですが、好意を寄せてる描写が少なすぎたし、唐突すぎた感があります。
たしかに富樫圭悟は深い暗い絶望の底から彼女を救ってくれた人間なのですから好意は寄せるでしょうけど、もうちょっとそこらへんを精緻に書き込みたかったです。
ちなみに当初の予定では彼女もいっしょに穴に落ちて消滅するという話でした。
しかし実際は、富樫圭悟を対話不能のキャラクターに仕立てあげてしまったせいで、ラスボスという役割に回しざるをえなくなってしまいました。
朝比奈瑠海について。
最後の方、全然出てこなかったですね。彼女の役割は富樫圭悟の過去を見るということだったので、それ以降は持て余してしまいました。
柳田について
彼の動きについては割と当初の予定通りです。
もっとも周りが大きく予定とずれてしまったのでそれに合わせて彼も変わっていますが。
私がこの物語について自信を持ってアピールできるところは、
転生に執着した青年が遂には親を殺し、自殺をすることによって転生を試みるが失敗。
彼は地獄に堕ちるのだが、そこを転生先と誤信してしまう。
という物語の骨子だけ、というのが正直な所です。
肝心の物語については「転生に執着した」過程を全く欠けていませんし、色々と粗が多かったと思います。
それでも読んでくれた皆さんには感謝のしようがないです。本当にありがとうございました。
これからはそれらの欠点を無くして行けるよう頑張っていきたいと思います。




