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花と仔犬のルーン

作者: シマリス

お母さんーーー!!


ただいまーーー!!


ルーンとお散歩いってきまぁーーーす!!


『あら、花ちゃん、お帰りなさい。』


『おやつあるわよ…』


ルーンのお散歩してから、食べるから置いといてね~♪


ルーン!


行くよ!


ワン!!


タタタタタ……


丘の上に見える一本松まで走るよ!


新しくできた橋は歩道が広くて走りやすいね!ルーン


ワン!!


もうすぐ着くよ。


タタタタタ……


フゥ~~~~


ついたぁ~~~


よいしょっと、


ルーン、今日はお父さんの命日なの。


ワン!


わたし、お父さんの顔、写真でしか見たことない。


お母さんから聞いた話しだけどルーンはお父さんが拾って来た仔犬で名前もお父さんがつけてくれたらしいだよ。


なんで、ルーンなんだろう?


ペロとかジョンとでもよかったのにね。


ワン!!


ここから見る景色が、とても好き!


町が遠くまで見渡せるから。


ザザザザザ………………


雨?!


ザザザザザ……


ザザザザザ……


ザザザザザ……


これ本降りになりそう。


寒い…


ルーン、こっちへおいで。


濡れるよ。



『お嬢ちゃん、この傘の中へお入り……』


あ、ありがとうございます。


おばぁちやん、この近くに住んでるの?


『わしかね……ふぉぉぉお』


『近いと言えば近いし、遠いと言えば遠いとかのう、』


そうなんだ……


ピカーーーーーッ


ゴロゴロゴロ……


ゴロゴロゴロ……


ゴロゴロゴロ……


『おやおや、雷も鳴り出したようじゃね。』


『しばらく、雨がおさまるまで動かぬ方がいい。』


『おや、その仔犬はルーンじゃないかのう……』


あれ?、どうして、おばぁちやんは、この子の名前を知ってるの?


『おや、雨がおさまってきたようじゃ』


『お嬢ちゃん、今のうちに家に戻った方がいい。』


『この小箱を持っていきなさい、お前さんの質問の答えが入っておる。』


『考え抜いて、どうしても答えが分からないときに開けなされ。』


これは何?


『パンドラの箱という代物じゃよ。ふぉぉぉお』


『気を付けてお帰り……』


おばぁちやん、ありがとう!


ルーン、さぁ、帰るよ!


タタタタタ……


ワン!!


あれ?、新しくできた橋が、木の古い橋に変わっている?


なんで、?ルーン


ワン!!


とにかく渡ろう!


タタタタタ……


まるで、景色がちがう?


どうして!ルーン


ワン!!


あ、あの学生さんに聞いてみよう!


『高校三年生~~~ぼくら♪』


あの、すみません。少しお尋ねします……わたし、朝日市の角町一丁目を探しているですけど知りませんか?


『朝日市?、角町?』


『ここは、瀬口町ですよ。』


瀬口町?


朝日市ではないの?


『朝日市なんて、聞いたことがないよ。』


あ、ありがとうございます。


ルーン、わたしたち迷子になったみたい…ワーーーーン。


あ、ルーンどこいくの!


タタタタタ……


タタタタタ……


だめ!


河川敷きに降りたら危ないよ!


雨で川の流れが急になってるから。


帰っておいで!


ワン!!


ルーンたら!


もう!


あ、ガラガラガラ


きゃーーーつ!


ザパーーーァン


ワン!!


足が、足が立たない!


た、助けて!!


これに捕まるんだ!


このロープにつかまれ!


アップアップ


バシッ!


そうだ!、しっかり!


離すんじゃないぞ!


もう、少しだ!わん


がんばれ!


よーーーし!


もう、大丈夫だぁ!!



オジサン、あ、ありがとうございます……


『君、どうして、川に落ちてしまったんだ?』


仔犬のルーンを追いかけていたら足を滑らせてしまって……


『そうか、でも助かってよかったよ!』


『俺が、もう少し通りかかるのが遅かったら溺れていたところだぞ。』


『家まで送っていこう、近いのかな?』


それが、おうちが分からないの……


『なるほど、信じがたい話だが嘘をついているようにも見えない。』


『ところで、そのルーンとかいう仔犬はどこにいるのかな?』


あれ?、ルーン!!

わん

いない!、どこへいったの!


まさか、流されてしまったのかなぁ!



『気の毒だが、この急な流れで助かるまい。


『何か事情がありそうだね。』


『俺の家は、すぐそこだから、落ち着くまで止まって行きなさい。』


あ、ありがとうございます。


ルーン………………


『心残りだろうが、仕方がないよ。』


ここだよ、


ガチャ……


『そこの暖炉のところで体を暖めるといい。』


信二郎かい……


あ、母さん、今帰ったよ。


この女の子は事情があって……



あ!!


丘の上のおばぁちやん!!



おや、まぁ、お前さんだったのかい。


母さん、知り合いなのか?



あぁ、ちょっとした知り合いさ。


疲れただろう……そこで少し横になって休むいい。



なんか、わたし、寝なくなってきた……



むにゃむにゃ…………



むにゃむにゃ…………



むにゃむにゃ…………




ワン!!ワン!!ワン!!


ルーン!


あなた、ぶじだったのね!


よかった!



『花ちゃん、?』


『何寝ぼけてるの?』



あなた、学校から帰ってきたら疲れたといって直ぐに寝込んでしまっから心配してたのよ。


ワン!!


ルーンも、あなたから離れなかったのよ。


え?!


『花ちゃん』


『今日は、お父さんの命日だから、お仏壇にお線香立ててあげてね。』


『お母さん、わかったよ。』


チーーーーン


写真でしか見たことない、お父さん


一度でいいから、会いたかったよ。


なんだろう?、この箱。


あ!、丘の上のおばぁちやんからもらったパンドラの箱。


夢じゃなかったんだ!


開けてみよう!


パカッ!


なぁーーーーんだぁ……期待外れ~~~


空っぽじやん!


ただの空き箱……がつくり。



『花……』


『お前は、もう俺と会ってるじやないか。』


『お前を助けた命の恩人を忘れるとはひどいぞ(笑)』


だ、だれ?!


誰が、話してるの?


ルーン……あなた。


あなたなのね!


『俺はお前の父、信二郎だよ。』


ルーンとい

う名は二つの世界をつなぐ道。


この仔犬は俺とお前をつなぐ道なんだよ。


ありがとう……会いに来てくれて、とても嬉しかったよ。



ワン!!


ルーン!!



さよなら、お父さん、そしてまた来年の命日にもこの道を通り会いに行きます!!





















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