表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無  作者: 田中太郎
2/7

疑問


彼女は僕の存在に気づいたのか、小走りで駆けていった。



根拠などはないが彼女は間違いなく「わか。」ではなく、「ゎか。」と発した。



周りには誰もいなかったからきっと油断して、ぶつぶつと言葉を発することで

自分に何かを言い聞かせていたのだろう。人は誰もいない空間にいると途端に油断する。

その油断の中で彼女はいったい何を思っていたのだろう。



不幸にも、僕が学校の生徒はめったに使用しないトイレから出てきたために、

彼女の想定外の事象が発生した。


きっと顔を真っ赤にして僕の元から逃げていったに違いない。



僕は妙にあの「ゎか。」という一言に気を取られてしまった。



記憶を遡ってみれば、彼女が着ていた制服は学校指定のものではなかった。

それは転校生か、はたまた、校則を守らないことを美徳と感じる民族か

どちらかのクラスタ属していることを意味する。



ああ、考えれば考えるほど、自分にこんな思考をさせたゎか少女への苛立ちが増すばかりなので

考えることを辞め、教室へ向かうことにした。



旧校舎を抜け、渡り廊下にさしかかるとあたり一面にキンモクセイの香りが澄んだ空気とともに広がっていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ