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五月二十四
バイト先の友達にクラブバーたるところに連れて来てもらった 私。
この年になりはじめてくるこういう場所に
緊張気味です。
音楽はガンガンになり、かきまた少し苦手な場所でした。
お酒を飲み酔いはじめてるなか、
隣の女の子達に友達が
「なにか飲む?おごるよ」とかきまた心臓バクバク。
四人で飲みました、
「ねえ、踊ろうよ」 「えっ?踊る?」
とてもじゃないけど、踊り方もしりません。
三人は立ち上がり踊りに。
席にひとり座っていた私も友達にさそわれフロアへぎこちなくみんなの真似をしてリズムをとりました。
私はきっと壊れたロボットのような動きだったことでしょう。
そんな時、お店のひとがテキーラコール 「やけくそだ」わたくしかきまたも
ぐびっと。
そこから、スイッチが入ったんでしょうか
よく喋る 私。
女の子と席につき話しました。
くみちゃんとまた違う雰囲気。
とても話しやすく魅力的また優しく感じました。
「かきまたさんは、彼女いるの?」
嘘はつきませんでした。
「はいっ」
「そうなんですか」
会話が途切れてしまい、すかさず聴きかえしました。
「彼氏はいるんですか?」
「いないです」
なんだか話していて、心とても落ちつき話しやすいのです。
そして楽しい。
私はこんなことを考えたりしました。
もしこの子が彼女なら喧嘩なんてしないだろうな。
なんだかとても夢の中にいる感じ。
ぼくにはくみちゃんが居るんだ。
なにか面白い展開を期待されたかもしれませんが、朝までみんなで飲み
番号も交換せずに帰って来ました。
とても、楽しいひと時でした。
家に帰りくみちゃんの寝顔を見て安心しました。
酔っ払ったかきまた 寝ながら夢のような瞬間を思いかえしては何故かちょっぴりセンチメンタルになりました。
たまに思うんですが、人を好きだという気持ち少し謎めいていますね。
本当はもしかしたら私はあの子のことが好きだったのかもしれません。
もう会うこともないだろう。
素敵な出会いだった気もします。
思い出し 胸がなんだか少しせつなくあります。
私はそんなことを考え眠りにつきました。
五月二十五
「昨日どうだった?」とくみちゃん。
「楽しかったよ」と私
「わたしも行きたい かっこいい人と踊りたい
」
どうして?と少しムッとする
やきもちやき かきまた。
二日酔いです。
今日は一日寝てました。
五月二十八
たまに意味もなく無償に寂しく感じる日ないでしょうか?
そんな朝
なんだか将来のことを考えました。
何故なら昨日の夜くみちゃんが私に言ったのです。
結婚とか考えてる?
僕は言葉につまりました。
僕はどうしたいのでしょうか?
普通にこう暮らしていると、まわりやら家族やらみんな結婚しないのか?
などといいます。
そういう形をみんなとりたいんですね
。社会の常識なんでしょうか。
この年で職にもつかずどうするのとか
親くらいは言って来ます。
私は窓の外を眺め、自分の収入のなさにため息をつきました。
いつも、我慢してる自分にも気がつきました。
でも、就職したいとは全く思えないのです。
この先どうやって生きていこう
そんな悩みを考えたりしました。
結婚して、子供を育てるなんていったってお金もかかるだろうし、そんな現実的な悩みを朝から考えたりしてました。
私は何がしたいんであろうか?
したいことがありません。
分かりません
夢がありません。
しいて言うなら、仕事もなにもしないで生きていくことでしょうか。
こんなことを言ったら、社会の人達に喝をいれられそうです。
でも誰だって思わないでしょうか?
どうして働かなくちゃいけないんでしょうか?
ああ、お金ですよね。
生きるのに金がかからないなら、どれほどの人が今の仕事を辞めるんだろうか?本当の生きがいで仕事してる人達が残るんでしょうか?
私は正直今一生くっていけるお金があったらやりたくないことはやらないだろうなと思います。
馬鹿正直なかきまたです。
私の人生どうなっていくんでしょうまったく分かりません。
でも誰だってみんなそうですよね。
お先真っ白
だからこそ楽しくもあるのかも知れませんね、ポジティブかきまたです。
たまに私も考えます。
一体自分は何故生きてるんだろうか?
一度は誰しもが疑問に思ったりすることなんでしょうか?
何がしたいんだろうか?
平凡に人並に普通に生きるのが私の理想であると同時にやはり何かしたくもある私。
うーん、ボケーっと考え時刻は昼過ぎ。
くみちゃんは週五回 社員で働いています。
対する私は週に一、二回 コンビニでアルバイト。
ほとんど家に居てなにもしていません。
私はこれが悪いとは思いません。
でもどうしても、これは誰のせいでもなく私の思考のせいなのですが、怠け者、ダメなんじゃないか、罪悪感みたいなものを感じたりする時があります。
働かざるもの食うべからず
この常識的な通念のせいでしょうか。
真面目なかたたちは僕の生き様を笑うでしょう。
笑ってください、好きなだけ。
何故働かなきゃいけないのか?
正直私には意味がわかりません。
そうですよね、お金必要ですからね。
もっともですね。
皮肉を言うようにテレビに向かってつぶやいていたかきまたでした。
六月一日
イカスミ発射
六月二日
どのカップルも同じでしょうか?
最初の頃の性交渉の活発さは影をひそめ今やほとんどしません。
あまりしたいと思いません。
イカスミ発射が多くなります。
毎日が平坦に過ぎていきます。
なにも今にかぎったことではないですが。
そんなとき変化をつけたいと思ったのかくみちゃんが家具を買おうと。
お店に行きました。
普段こんなお店に来ない私は新鮮な気持ちになりました。
ちょっとした変化で人生は彩り気持ちも変わるものなんですね。
普段と少し違うことをするだけでこんな気持ちになるなんて。
ちなみに僕たちはいつも割り勘です。
家具をみてると、今一緒に生活してるんだなぁと嬉しく思ったりしました。
ああ、こんな感じです。
最初はこれが幸せだなと思ったことが
いつからか、当たり前になりそれが期待に変わり、それがイライラに変わる
。人間ってやはり面白いですね。
あれだけ素晴らしいと思ってた環境が当たり前になり感謝が不満に変わる。
家具はぼくにお金がなく買えませんでした。
情けない気持ちと申し訳ない気持ちになりました。
ああ、お金くらいなんとかしなきゃそんなふうに感じました。
文句も言わないでくれるくみちゃんに私は心の中ありがとうと思いました。
二人で映画を観ました
それはカップルがいて。相手が事故にあって死んでしまい、なんでもない当たり前の日常がいかに幸せだったか、と気づくような映画でした。
まさにナイスなタイミングな映画
人生は不思議とこのように自分に語りかけてくれてるような、そんなことをたまに実感します。
映画のストーリーを自分の状況で置き換えて想像したら。
悲しくなり あっ普段くみちゃんに冷たい時が多いなと気付き。
こんな時くらいは優しくします。
こうやって、手を繋ぎ歩くことができる幸せに気付きました。
当たり前にいつも側にいてくれるからこそ忘れてしまう 大切な感謝の気持ちそれを思い出したそんな一日でした。
もし、いつか もしも 将来 くみちゃんと別れることがあって 振り返り思い出したら私はきっと泣くだろう。
ボロボロ泣くだろう。
手を繋ぎ歩いた道を思い出し 泣くだろう。
一緒に家具を見たり、映画観たり
食事した思い出を思い出し泣くだろう。
過ごした日々や会話を思い出し泣くだろう。
でも、それは永遠にずっと 私の胸に共にある宝物で失うことのない宝物。
何故かそんなことを感じ歩いていました。
握った手の感触がとても暖かかったのを日記を書いている今も忘れません。
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