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十二月二日
親の声が外から
「居るんだろ、開けなさい」
開けるもんかと思っていた玄関
私は部屋に隠れて居る。
シーン
「行ったか?」
ガチャリ
「はっ、鍵開けっぱなしだった」
「やっぱり、いたよ母さん」
それは、両親の姿だった。
「一体お前はなにしてんだ」
お怒りの父
「母さんの仕送りで生活して、ずっと
家にこもって、仕事もしてないんだろう?」
「あっ、あっ一応仕事はやってるよ」
「きいたところ、もう十年以上もこんな生活を続けてるみたいじゃないか
全部母さんのお金で保険やらなにやら
一体将来どうするつもりだ」
ハァ鍵をかけとけば良かった。
その時犬のミミちゃんが出て来た。
「あっ、可愛い」
実は父は犬が好きだった。
この好機を逃してなるものか、
「ねっ、可愛いでしょミミちゃんだよ」
「話をそらすな」
ひぃぃぃっ ダメでした。
その後もこっぴどく叱られ、仕送りも途絶えることに。
これからどう生きて行けばいいんだろう。貯金なし、なにもなし、すっから
かきまた、お先真っ暗ならぬ真っ暗闇
はぁー。
毎日やりたくない仕事やって、朝から晩まで働いて帰って来て眠る生活が始まるのか つまらないなぁ。
フツフツと怒りがこみ上げて来ました。
ええい、こうなったら失踪してやる。
と思いましたが、せいぜい二駅先まで歩き疲れて帰ってくる程度で終わってしまいそうなのでやめました。
どうやって生活しましょう?
ああ人生 これが人生?されど人生
なんのこっちゃいです。
こんなのが人生であるはずありません。
不満ばかりが溜まる私はまるでわがままな子供でしょうか?
十二月六日
もはや、ヒゲを剃る気力もありません
そんな時も、犬は尻尾を振り
僕の顔をペロペロ
君は幸せなんだねぇ。
少し癒されたとおもったら。
僕の漫画の上にうんこが。
「こらっ、ミミ」
仕事探すか、ああかったるい。
たまりゆく、アルバイト情報誌。
なにかしたい仕事があればなぁ、全く興味のわかないものばかり。
そもそも自分のしたいことがなんだか良く分からない私かきまた。
どうやって生きて行けばいいんだろう?
一生興味もやる気もでない仕事を金のため、生きるためにやりつづけ人生の大半を使う、それが人生なのだろうか?
かと言って他に夢もやりたいこともない。
ただ、何もしないで暮らしてゆきたい。
一人橋の上から、流れる川を眺めていました。
ああ、不愉快だ、なにもかもイライラする、 ああ ああ。
ええい、飲んだる、飲んだる泥酔したる。
もう、コンビニでお酒を買い飲みあるいています。
一本また二本 私は酔って来て居た、まさかこんな事が起ころうとは想像もしてなかった。
私は気がついたら、この寒さの中
道で眠っていた。
パシャり パシャり
「んっ?」
見ると二人組の女の子が私を写真にとっている。
「あっ、すいませんこんな所で寝てるなんて珍しかったもので」
ええいっ、酔っていた私は生まれて初めて勢いあまり、ナンパをしました。
そのセリフはと言うと。
親指を突き上げて
「まだまだ、飲めるぜべいべー」でした。
今しがた日記に書くと、とても恥ずかしい。
くみちゃんすらも忘れていました。
だが、予想外の好反応
「わたしたちもー」
男はいや私はと言うべきでしょうか?単純です。
さっきまでの気分はどこへやら。
気分最高
地獄から天国へかけあがりました。
ガッツポーズを決める私かきまた。
コンビニで缶チューハイを買ってあげ
みんなで飲みました。
ああ、なんということでしょう。
私の脳にはいや大抵の人間の目には自身の好みタイプがあります。
それをアニメで例えるならスカウターとでも言いましょうか。
ピピピピッ私のスカウターが反応しました。
好みレベルスカウターなんと
100000 これは私のスーパーサイヤ人スリーの域であります。
それはそのうちの一人の女性
心は叫ぶ
かき あっ かき かき かき かき かき
またー
これは天から降り注いだ、私のテーマソングでしょう。
私はあらゆる手を使って良くみられよう、格好をつけようと思いました。
しかし、あまりにむなしくなりそうなのでやめにしました。
三人で飲んでいるとあることに気がつきました。
「えっ?嘘まさか?」
どうやら スーパーサイヤ人スリーの子が私の事を気に入っているような。
こんな事あるんですね。
人生なにが起こるか分かりません。
世の女性はクミちゃんがいるのにと言うのも分かります。
だが素直にこんな気持ちになっているのに嘘はつけない。
アクセル全快で道路から飛び出してしまいました。
車は止まらず暴走してます。
爆走です。
道など構わず逆走してる気分です。
ああ、交通ルール違反をしている気持ち。
しっかし、可愛い。
こんな可愛い女性は生まれて初めて話します。
「新しいお酒かいに行こうか」
と女性のほうから
「うん」
その時でした、その子が
こちらを振り向きニッコリ
そして
「行こっ」
なんと、手を 手を繋いでくれたのです。
あっ、あっ 心の中泣きました。
そして惚れました。
あっ かき かき かき かき
また~ 再び降り注ぐテーマソング。
しかし、考えたら財布の残りあと
五百円くらい。
ええーいっ奮発して全部酒買ってやる
なんと小さい奮発と思われるでしょう。
花火なら不発でしょう。
しかし、私には奮発なのです。
打ち上げ花火~いったれ~
「えーまたおごってくれるんですか?」
「うっ、うん」
あっ自分の酒の分がたらなくなったった。
なんと言うことでしょう、その様子を見たその子
「かきちゃん、いいよ私が出すから」
もう心だけじゃなく、私の目までハートマークになってしまいました。
キューピッドが弓を射ました。
ピューん
ドビュッシー
かき かき かき かき かき かき
またー
ああ、もうどうにでもなれー
ぐびぐび飲みました。
薄れゆく記憶の中
その子がなんと友達に
「明日仕事はやいから、この時間には帰るって言ってたじゃん?」
「あっそうだ」
「帰っても大丈夫だよ」
なんと、こんな子が、きっと私を狙ってるんだ。
興奮は高まる。
そして、心の中
さあ、はやく帰りなさい
あなたは帰りなさい。
さあはやく。
その子は言いました
「私まだ帰らない」
あーじゃしゃー
心で壁を叩き怒る私
彼女はフリーザーに違いありません。
更に一時間後
「ねぇ、仕事大丈夫もう帰りなよ」
彼女は肉食なのでしょうか?
積極的でいいです。
期待する、さあ そろそろさあ
心から期待する かきまた。
しかし私が帰りなよとは帰れと言ってるのがバレバレな気がしてなんか悪くて言えません。
そしたら
その子は言いました。
「仕事もう、明日いいや 私もずっといる」
なにぃしゃあああああああおーぁー
心の中の住まいである家の壁に
三箇所穴があきました。
ああ、ちきしょーー
飲みました。
気がついたら、朝
あれっ???
なんと私は道そのまま寝てしまっていたのです。
あれっ、誰もいない?
うっ、嘘だろやってしまった。
時間を見ると先ほどから三十分ばかし。
寝た私をほって彼女達は去ってしまいました。
シーイズ ゴーン
マイ ラブぁー いずこへ ゴーン。
神よどうして私にこんなモヤモヤ中途半端な気持ちにさせる仕打ちを
私は道に落ちる缶を蹴り上げました。
缶ではなくコンクリートだったので私は飛び上がりました。
あっいたーい。
あーイライラするなぁ。
あーもう、あの子と合体したかった。
私の本気の本音であります。
すると、電話が。
あっクミちゃん
なんだか、急に申し訳ない様な気持ちがわきあがります。
私は帰らず怒られるかと思いました。
しかし、クミちゃんは違いました。
「大丈夫?」
帰らぬ私を心配してくれていたのです。
今日は朝から仕事だったはずなのにこんな時間に電話を。
私は申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちになりました。
ああ、こんなに自分を大事に想ってくれる人がいるのに男って、いや私って
性欲に振り回されてしまいます。
でも、他の女にはしったからって、
クミちゃんをもう愛していない訳ではないのです。
愛してるけど、他の女性ともやりたいという気持ちに男はいや私はなるのです。
どちらを大切にすればいいのか、
私の正直な気持ちか関係性か?
私はたまに困ってしまいます。
性を奔放に許しあえる仲なら良いのですが、私は全く子供じみています、
自分はそうしたいのですが、相手にはそうであって欲しくはないのです。
分かっています、まったく理不尽な事は。
日が明ける空を眺めました。
はやく、クミちゃんに会いたくなりました。
ふぅーため息をつきました。
ああ、可愛いかったなぁ。
気づいたら正直恋していました。
もう会える事もないでしょう。
切ない気もしてしまいます。
朝焼けがとても綺麗でした。
繋いでくれた手が暖かく話あった事が思い出されます。
朝焼けが綺麗でした
とっても
とっても
しかし ああ、 モヤモヤする朝
ああ、あんな可愛い子と
ああ。 はぁー
おうちに帰ろう。
正直、切ない気もあり、ホッとした様な気もある小心者な私。
そして、当たり前に毎日共にいるとありがたみなどはすっかり消え、
不満や嫌な所ばっかりが気になってしまう、自分の物の見方にも気づきました。
でも自分の事を心配してくれていたのは、クミちゃんでした。
はやく、おうちに帰ろう。
ミミちゃんにも会いに行こう。
色んな思いを持ち
おうちに向かう私かきまた。
今回の事は私の胸にそっとしまっておこう。
朝焼けが何だかとても眩しかったです。
ー14ー