戦場観戦
結構グロイので注意。今後、ホーリーの書く小説は結構グロイのが多いかもしれません。
ぱらららら・・・。
タイプライターのような音が、遠くから何度も何度も響いてくる。
たまに、ボシュン!!と言う音の後に、巨大な爆発音が響いてくる。
崖の上、俺はポケットから単眼鏡を取り出し、下を見る。
兵士たちが、無残に倒れていく姿を、俺は黙って見つめていた。
俺は今、戦争を観戦している。
別に、見たいから見ているというわけではなく、たまたまそこに居合わせたからだ。
土嚢に隠れ、必死に突撃銃を敵に向け放っている兵士が、土嚢と共に爆発した。
あたりに、土嚢の中の土と、兵士の鮮血が混じったものがぼとぼとと落ちる。
俺が見る限り、戦車はないから、恐らくグレネードランチャーだろう。
単眼鏡をしまい、また下を見る。
小さな点から伸びる、細い棒の先からでた光が、何度も敵兵に向かって飛んでいく。
隣の兵士から予備マガジンを受け取っている兵士が一人。
初弾装填の後、隣の兵士にうなずき、敵に向かって突っ込んで行った。
当然敵の的になるわけで、何度も撃たれた。
しかし、どうやらその男は他の兵士よりも強靭な体をしているようで、
撃たれているまま、自分の持つ突撃銃を乱射する。
すると、俺の居る場所から数十メートル下にいる狙撃手の男が持っている狙撃銃が火を噴いた。
どうやらこめかみに弾丸が当たったようで、男は側頭部から鮮血を迸らせ、倒れた。
「下にも居たのか。バレねぇかな・・・。」
戦場の中で、俺は場違いなことを考えていた。
そして、俺はリュックサックから、本来なら敵の立てこもっている山小屋を爆破するために持っていたC4爆弾の予備を一つ取り出した。
そして、慣れた手つきでつけてゆく。
小さな戦場だから、これ一つで起こるがけ崩れで全部めちゃくちゃになるだろうな。
そう考えながら、俺は時限装置のスイッチを押した。
カチッと小さな音がして、時限装置がカチッ、カチッと時間を刻み始める。
俺は黙ってそこから離れた。
そのあとどうなったかは知らない。知りたくもない。
でも、お互いの反発を収めるために、ちっぽけな俺のしたことだ。
それで収まればそれでいい。
敵の立てこもる小屋にも、同じようにC4を取り付け、時限装置を起動する。
俺はそうして、いくつもの敵のアジトをつぶした。
ある司令部の一室。
『爆破テロです!!多数の兵士たちが死傷!!応答願います!!』
騒がしく鳴り響くスピーカー。
パソコンの前で、カタカタと急がしそうにキーボードを叩いている人達。
「今救援隊がそちらに向かっている!応急処置をとっておいてくれ!」
無線機に向かって叫ぶ男。
その男に、一人の軍服を着た男が耳打ちする。
男がうなずくと、軍服を着た男は去っていった。
「今回の戦闘の爆破テロ事件を起こしたのは、どうやら第三国らしい。どこの国かもわかっている。」
男がキーボードを必死に叩いている人達に向かって叫んだ。
「そして、敵国と話し合った結果、その国に宣戦布告することを決定した。」
司令部の一室の中がしんと静まる。
「テロの犯人には小さな戦闘にしか見えなかったんだろうが、あれは俺たちの国にとって、とても重要な戦闘だ。
それをジャマされたからには、宣戦布告をしないわけにはいかない。」
俺は絶望した。
まさか、自分の住む国が、自分の手によって戦争の危機にさらされることになるとは。
国にバレるのも時間の問題だろう。
俺は、やってはいけないことをしてしまったみたいだ・・・。
さて、自分でもよくわからない出来になってしまいました。
隠れた続編みたいなのが出る可能性がないこともありません。多分(ぇ