第五話 高鳴り
274号室
「やっと…やっと入れた…!」
扉が閉まった瞬間、陽は力が抜けたように床に座り込んだ。
「そりゃ大変だろうけどさ…今までより、よっぽどましだ」
笑いながら、拳を握る。
「綺麗なベッド、綺麗な水、毎日飯も食える!」
声が少しだけ震えた。
「良かった…これで……」
一瞬、言葉が途切れる。
「蒼は…もう少しだけ…!」
視界が微かに霞んだ。
「説明書、読まねぇと!って分厚っ!とりあえず…大事そうなとこだけ〜」
やけに分厚い本を開く。
《国家特務防衛隊 東京課における説明書》
・本施設は政府管理下であるが、一般法は適用されない。以下、禁止事項を述べる。また、規律違反は即処分対象とする。
01反逆、外部との接触
02施設内での乱闘
……
24外部任務中以外の武器庫からの武器の取り出し
……
「武器!かっけぇ!」
・以下、留意事項を述べる
……
武器は必ず個々の武器庫に入れ、手入れは機械整備員に任せること。ただし、女19歳以下、男17歳以下は許可の元、小刀の所持が可能。
……
施設は自由に使用可能。
……
「すご!どんな施設あるんだろ?!」
ワクワクしながら施設の地図を見た。
「すっげぇ!訓練場!?ランドリーある!風呂も!ん?なんだここ…」
地下に何層も広がる建物の一番奥に、赤く塗られた区画があった。
《立入禁止区域:許可なき侵入は処刑対象》
「まあ、入らなきゃ平気だろ」




