第四話 最後の地獄
"最後の地獄''それは地下深くにのびる殺人者の巣窟。無機質の鉄の壁。白い照明。朝なのか夜なのか、ここが希望なのか絶望なのか、それは誰にもわからない。
地下深く、簡素な会議室で4人が話していた。
重たい扉が閉まる音がしてから、竜也が腕を組んだ。
「……あのガキ共、許可したのか。」
私は壁にもたれたまま、視線だけ向ける。
「三人。 ひとり、病気持ち、でしょ」
「……は?」
竜也と舞子の声が重なる。 舞子が眉をひそめた。
「ちょっと待って。 ここに、病人?」
私の相方が低く息を吐く。
「お前ら、会ったんだろ。」
竜也は少し声を荒らげて言った。
「いや、そうだけど!まさかとは思うだろ!」
「 政府は病気の面倒を見たくなかったんだろうな」
一瞬、空気が重くなる。
「ここは医療施設じゃねぇ。 “治す”場所でもねぇ。」
竜也が舌打ちする。
「情報、渡しただろ」
私の相方がちらりと竜也を見て言った。
「読んでねぇよ、そんなの」
私は合間に入って言った。
「多分、第1部隊よ。 入るの」
「えぇー」
舞子が露骨に嫌そうな顔をする。
「もう……また無能が増える!」
「なんでいっつも、うちに一回入れるんだよ!」
竜也が頭をかく。私の相方は肩をすくめた。
「仕方ねぇだろ。 他の部隊に入れてみろ。 適性を見る前に、見捨てられて殺されて、終わりだ。」
少し間を置いて続けた。
「第1が、一番“まし”なんだよ」
「まし、な」
竜也が苦笑する。 私は視線を落としたまま、小さく言った。
「……生き残れるかは、別だけどね」
誰もそれを否定しなかった。




