第三話 雛鴉
「ガキが3人入るらしい…」
竜也という男がため息混じりに言った。
「うっそ…もしかしてこの前の?」
隣で歩いていた女性、舞子は思わず足を止めた。
警察に連れられて来た3人を見た瞬間、竜也は目を見開いた。
「お前ら… 許可、降りたのか……」
舞子は一瞬、三人を値踏みするように見てから、竜也に顔を寄せる。
「この子達戦えるの?足手まといはいらないんだけど」
竜也は眉間にシワを寄せる。
「まあ、とりあえず、俺は竜也。第1部隊隊長だ。こっちは副隊長の舞子な。」
「よろしく〜」
「今日は俺がお前らを案内する。部隊とか詳しいことは後でわかるから今は気にするな。」
陽が一歩前に出た。
「俺たち、ずっとあんたらの噂を聞いてたんだ。 それで、助かったら、ここに入ろうって決めてて!」
「噂?」
竜也が眉をひそめる。 湊が続けた。
「反政府軍を撲滅する、超強い部隊。 やつらにやられたらひとたまりもないって言ってました。」
蒼は少し震えながら言う。
「会ったら最後、生きて帰れる者はいないとも…だから不吉の''カラス''だって…」
舞子が肩をすくめる。
「よくそれで入りたいと思ったわね」
竜也は歩きながら言った。
「お前らが思ってるほどいい場所じゃねぇよ。 ここは、''最後の地獄''だ」
鉄の壁、窓のない地下の廊下にやけにその言葉は強く響く。
「でも!」
陽が叫ぶ。
「俺たちを助けてくれたじゃんか!」
「運が良かっただけよ」
舞子は淡々と返す。
「他の部隊だったら殺されてた。子供のフリして襲ってくる奴なんて、山ほどいるもの」
「まあ……」
竜也が苦笑する。
「今さらゴタゴタ言っても、戻れはしねぇけどな」
湊が視線を落とす。
「政府から聞いてる。 戻れないって。でもいいんだ。戻ったって…」
陽が歯を食いしばる。 廊下の扉がたくさん並ぶ前で竜也が足を止めた。
「着いたぞ。 ここがお前らの部屋だ」
無機質な扉が三つ、並んでいる。
「全員別々だ。 他人の部屋に入るのは禁止な。 扉をくぐろうとしたら――首が飛ぶ」
舞子が指で銃の形を作る。
「バーン、ってね」
竜也が続けた。
「中に説明書がある。絶対読んどけよ」
「またね〜」
そういうと2人は行ってしまった。




